以前、産休代替で大規模校四年生の担任をしていた時のことです。
職員室前の芝生に、いくつか大きな庭石が置いてありました。
ある日、学年主任の先生から、
「K村先生のクラスの男子が、庭石の上を、ぴょんぴょん飛び移って遊んでいたよ」
付け加えて曰く
「一瞬、猿かと思った」
次の時間、あわてて叱ろうとしたのですが、ちょっと聞いてみて驚いたことに、
「庭石の上を飛び移って遊ぶ」
ことを、別に悪いことだとは思わない、というのが、学級の大多数でした。
そんなこと絶対やらない女子も含めて。
で、そうして考えると、「なぜ庭石を足蹴にしてはいけないのか」を、合理的に説明できず立ち往生してしまったK村です。
なんでこんなことを書くかと言いますと。
id:serohanさんからトラックバックをいただきました。
http://d.hatena.ne.jp/serohan/20060208031233
トラックバックをいただいたのは一昨々日のことなんですが、現在多忙にてお返事が遅れました。
申し訳ない。
曰く、
「なんと、三男が二学期の雪の日に、二宮金次郎像に、雪球をぶつけたのだとか.......
(filinion先生しかって・・・(後略)」とな。
ふうむ。
この意図的な(後略)はさておき。
しかって下さい、と。
ええと、シカッテ(シカッテイ、シカッテーとも)は、北海道は苫小牧にある、サーフィンの名所ですね。
登記上どこの所有なのかわかりませんが、とりあえず私のものではないようなので、「シカッテ下さい」と言われても残念ながら……
すみません、なんか、ボケないといけないような気がしたので。
いや、模擬授業ですね。*1
なつかしい。
うっかり職員室の敷居を踏んで、校長先生に注意されてしまう私ですが、庭石と違って二宮金次郎ならちょっと指導しやすいですね。
「あの二宮金次郎は、夜中の二時になると歩き出す、学校の七不思議の一つだから、粗末に扱うと呪われるぞ!」
と言えば一発です……というのは嘘で。
まあ……、私なら、とりあえず二宮金次郎が何をやった人かを調べます。
私もあんまり知らないので。
インターネットというのは便利なもので、問題が起きてから10分もあれば、周辺の知識について概略を調べることができますから。
「なぜ敷居を踏んではいけないのか」とか。
(ブロードバンドなら、ですが。本校は来年度には光回線が導入されますが廃校になります)
で、教師が下調べをした上で、なにゆえ二宮金次郎が学校に飾ってあるのか、を子どもたちに考えさせるでしょうか。
学校に二宮金次郎像を立てた人は、一体何を願っていたのだろう、と。
さも、前から知っていたかのようなふりをして。
ガツンと叱ることも時には必要でしょうが、私はそういうのが苦手で。
怒ると疲れるしなあ。
本人が反省し、もうやるまい、と思うことが大事ですから。
そういう意味では、件の先生の対応は非常に適切なんじゃないでしょうか。
あえて付け加えるなら、
「時に、二宮金治郎がそういう人だって、知ってたかな?」
「でも、わざわざ像を建てるってことは、きっと、何か立派なことをした人で、そこからみんなに何かを学んで欲しい、と思った人がいたからだよな?」
「だから、たとえ由来がわからなくても、ああして大事に作られているものを、粗末に扱ってはいけないよ。その上で、わからなければ自分で調べてみようね」
……と言った話をする……かも知れません。
「なんか偉そうなものはとりあえず敬っておけ」
……というのが、子どもたちに良い影響を与える指導なのかどうか私にもよくわかりませんけど。
*1:教員採用試験で、
「あなたは〜〜のような状況になりました。さて、子どもたちをどう指導しますか」
みたいな質問をされて、実際その場にいるつもりで指導をする、という課題があるのです。