餅は餅屋。水道は指定業者。

 マグネットの水道業者にはぼったくりが多い、という話がバズってたので、自分の経験談を。(なおマグネットの業者は出てきません。なんだそれ)
togetter.com
 
 先日引っ越しをしまして。
 段ボールも大型家電も何もかも運び出して、空っぽの部屋に最後まで残ったのは食洗機の分岐水栓でした。パナソニックの。
 
 そもそも、この食洗機を最寄りのコジマ電気で購入したとき、
「工具があれば15分くらいで取り付けられますよ!」
 と言われた分岐水栓です。
 
 しかし賃貸の水回りで何かあったら怖い。
 そのコジマ電気で業者の手配をお願いし、取り付けてもらいました。
 
 それがもう何年も前の話。
 
 ちょっと検索すると、今はYouTubeでも分岐水栓の着脱を扱った動画がたくさんあります。
www.youtube.com
www.youtube.com
 
 で、動画ではまず、手前の一見シールみたいに見えるキャップを外し、中のネジをドライバーで外すとあります。
 
 そこで、すでに何もない家にドライバーとモンキーレンチを持ち込んで、手前のキャップを外すと……
「……なんだこれ」
 
 動画では普通のネジがあることになっていた場所には、六角形の穴が開いた何かがありました。(六角穴付ボルトとか言うらしい)
六角穴付ボルト - Google 検索
 
 いや、学校でも最近はそういうボルトを使った学習机を見るので何なのかはわかったのですが、対応する工具が手元にない。
 
 そこでもう諦めました。
 もちろん、ホームセンターに行けば細い六角レンチも売ってるでしょうけど、それで六角穴付ボルトを外した先がどうなってるかわからない。
 また特殊な工具を要求される何かがあるかも知れない未知の空間です。
 それならもう専門家を呼んだ方がいい。
 
 ……ということで電話したのは最寄りのコジマ電気。
 
「あのう、そちらで数年前に食洗機を購入したものですが……」
「はい?」
「家電に関するご相談でなくて申し訳ないのですが……」
「はい?」
 
 ありがたいことに、とうの昔に保証期間が切れている食洗機なのに、アフターサービスのために業者を手配してくれました。
(実は引っ越し業者にも「分岐水栓を外せないか」って頼んだのですが、「業者に確認したら今は繁忙期なので来月まで無理だそうです!」「それ退去日過ぎてしまう……」という展開が)
 親切にありがとうコジマ電気!(親切にしてもらったので業者名を連呼)
 
 ……で、当日、ヒゲがないマリオとルイージみたいな業者の方が来て作業を始めたのですが。
 
「ンっ! ~~~~ッ! なんだこれ!」
「ちょっとそっち押さえてて」
「んんんん~~~~! ……ちょ、これは……」
 
 大苦戦。
 
「……これ、何年くらい使いました?」
「えー……? 7・8年くらいですかね?」
「いやもう……隙間が水垢でガッチリ固まってて動かなくて……」
「ええー……そうは言われても水栓の接合部なんて掃除できないし……」
 
 世間一般のご家庭では年末大掃除に蛇口を取り外してパッキン交換とかするんですか……?
 
「蛇口本体はともかく、分岐水栓はもう使わないので、傷が付いても大丈夫です、なんとかお願いします」
「ええまあ……どうにもダメだったら『我々の手には負えません申し訳ありません』って言うしかないんですが……」
 
 で、かれこれ1時間以上、2人して叩いたり引っ張ったりの大手術の後、
「いけたあ!」
 という叫びとともに本体が回転、無事取り外しが終了しました。
 
「いやあー、通常なら1人で15分くらいで終わる作業なんですがね。接触してた部分にサビが生じて回らなくなってたみたいです」
「ははあ……」
「これは一回メンテナンスが必要だと思うんですけど……。まあ、お客さんは引っ越されるわけだし、それは大家さんが心配することでしょうね」
「お世話になりました」
「それじゃ代金ですけど……」
「こんな椅子もない部屋で一時間以上、なんか上乗せしなきゃ申し訳ないみたいですが……」
「いやいや、作業自体は規定のことしかやってないので」
 
(業者名を書きたいところですが地域が特定されるので書けない)
 
 ……というわけで何が言いたいかというと、
「水道回りの作業を甘く見ない方がいい」
 ということ。
 
 マグネットの業者やグーグル検索上位の業者をうかつに呼んではいけないのは確かなのでしょうが、だからといって自力で解決しようとせず、とりあえず管理会社とか施工会社とかと提携してるところを呼んだ方がいいと思います。
 いくら動画では簡単な作業に見えても、現場ではイレギュラーな事態が起きるかも知れません。
 マリオとルイージの2人組でも手こずるような作業に素人が手を出して辺りを水浸しにしてしまったら、マグネット業者を呼んだ方がマシだったみたいなことになりかねません。
 そうなる一歩手前で踏みとどまれて私は幸いでした。