6年生の女子が、
「H先生が、こういうことで困った時はK村先生に聞け、って言ってたんですけど……」
「え?」
パソコン関係? じゃないですよね。
(パソコン関係でもH先生の方が詳しい。ただ、H先生の方が忙しいので私に回ってくる)
「アサガオのつるって、赤道直下ではどう伸びるんですか?」
「…………………」
それ、質問の前提がおかしい。
「ええとね?
台風は、地球の自転の影響を受けるので、北半球と南半球で渦が逆向きになります。
でも、アサガオのつるの巻き方は、生まれつきのもので、どこで種をまこうと、巻き方は変化しないと思います。
だから、右巻きのアサガオから取れた種をまけば、日本でまいてもオーストラリアでまいても、あるいは赤道上でまいても、右巻きにつるが伸びますよ」
ですよね?
「でも、お母さんが、お風呂の水を抜く時の渦と一緒で、南半球ではアサガオのつるは反対にまくって言ってました」*1
……ううっ。
二重に間違ってる。
子どもの“お母さんが言ってました”に反対するのは非常に心苦しいのですが、「科学的にどうなのか」と聞かれてしまうと曖昧にもできず……。
「……そうですか。……でもほら、人間のつむじと一緒でね……?」
色々説明を試みました。
で、結論。
“お母さんが言ったんじゃ仕方ない”
……結局納得はしなかったみたいです……。
科学の力ではお母さんには勝てない、ということがわかりました。
……「困った時はK村先生」って、そういう「困った」だったのか。
以前、他の先生から聞いた話で、社会科でエジプトのピラミッドについて授業で扱ったら、子どもが
「お父さんが違うって言ってました」
と言い出して、しかもお父さんが「神々の指紋」の読者だったので非常に弱った、という……。