今、私の部屋にハムスターがいます。
一昨年、教室で飼い始めたハムスターは、昨年の冬に永眠しました(享年2歳。まあ寿命かと)。
で、今年度、また新たに教室で2匹のハムスターを飼い始めたわけです。
そして夏休み。
教室に置きっぱなしにはできないので、我が家に引き取ってきたのですが。
動物行動学者のコンラート・ローレンツは、ハムスターについて
「寂しい都会人への贈り物として神が創ってくださった生き物ではないかとさえ思う」
と述べています。
昼行性の生き物だと、飼い主が日中働いている間に活動して、帰宅する頃には寝ています。
しかしハムスターは夜行性。
飼い主が帰宅する頃に起きだして、駆け回ったり転げ回ったりえさをねだったり。
なるほどかわらしい……んですが。
問題は夜通し駆け回っていること。
ローレンツはオーストリアの人で、日本より住宅事情がいいんでしょうけど、日本では深刻。
最初はまだ良かったんですが、じきに回し車(プラスチック製)がきしみ始め、夜通しキイキイキイキイ神経を逆なでする音が響き続けるようになりました。
まずい。
なんとかしないと睡眠不足で参ってしまいます。
「そうだ! 油を差そう」
回し車の心棒に注油することで騒音を軽減できるのでは。
しかし、機械いじりをしない私は、潤滑油など持っていませんし、そもそも普通の機械オイルではハムスターにとって有害なような気もします。
「……そうか、食用油を使えばいいんだ!」
食用油ならハムスターに有害なこともないでしょう。
かといって、サラダオイルは時間がたつと酸化してべたべたになりますし。
オリーブオイルも腐りますし。
ごま油もたぶん悪くなりますし。
ラー油は機械油以上に有害そうな気がします。
「そうだ、マーガリンだ! マーガリンは常温に置いておいても腐りもしないしカビも生えないってネットで読んだぞ!」
それって、マーガリンのことを「狂った油」とか「プラスチック食品」とか呼んで危険性を主張しているサイトだったような気もしますが気にしない。(→2/3の日記「無知の知」参照)
今回は「トランス脂肪酸の含有量は人体に有害な水準を下回っている」という公式見解を信じることにします。
扇情的な物言いをする人は信用できない、というのが私の意見ですので。
(なお、この記述は一般論を述べたものであって、国会議員の方々に対する職業差別を表明したものではないことを明記しておきます)
ともあれ、マーガリンを回し車の心棒に塗ってみたところ、見事にきしむ音は解消しました。
が。
どうやらハムスターの鋭敏な嗅覚には、わずかなマーガリンのうまそうな匂いが届いたらしく。
一心不乱に回し車の心棒をなめていたかと思うと、今度はこれをガリガリかじり始めました。
しまいには、目的と手段が入れ替わって、心棒以外の部分までガリガリ。
キイキイいう音はなくなりましたが、今度は夜通しガリガリ。
「……眠れねえー!」
かじり棒は別に入れてあるので、そっちをかじってほしいんですが。
ていうか、回し車はプラスチック製なので、あまりかじると壊れてしまいますし、そもそもプラスチックをかじるのがあまり体にいいとは思えない。
……プラスチック食品?