私がTRPGやってた頃に画像生成AIがあれば、シナリオのイメージを他の参加者に伝える強力なツールになってくれたのでは、と思わずにはいられません。
……いや、画像生成にかまけてシナリオ本編がおろそかになった可能性もあるけど。
そんなわけで、自分がGMで使うなら……ということを考えつつプロンプトを書いてみました。
(この記事の画像はStable Diffusionで生成しています)
TORG
大学時代にさんざんやった「TORG」。
近未来の地球に、異世界からの侵略者が…それも6つの異なる世界からの侵略が同時にやってきた! という世界の話。
イギリスは、光と闇が相争う、剣と魔法の世界になってしまった。
放棄された地下鉄トンネルは、竜のねぐらになっている。
「途中で埋まってなけりゃ、この線路が駅まで続いてるはずだがね。しかしあんなものが住み着いちゃあ……」
中東地域は、パルプフィクションや冒険小説のリアリティに染まり、悪の天才科学者、ドクター・メビウス(自称ファラオ)率いる「ナイル帝国」が支配地域を広げている。
しかし、数多くのヒーロー達が、正義のために日々戦っているのだ!
「僕たちロケットレンジャーがいる限り、メビウスの好きなようにはさせません!」
(背負ってるのはジェットパックなんだけどうまく出なかった)
構想してたけどやらなかったシナリオ。
「PCたちは、NATO軍が編成した『ギズモ戦車実験小隊』に配属される。
ナイル帝国領内ではNATO軍の現代兵器は動作不良を起こすが、この戦車は、ナイル帝国から亡命してきたマッドサイエンティストの協力を得て製造されたもので、ナイル帝国のリアリティの下でも動くことができるのだ。
実験的な任務のはずだったが、ナイル帝国軍の奇襲とリアリティ爆弾の使用によってNATO軍は後退、PCたちは実験兵器とともに敵地に取り残されてしまう。
PCたちは、威力はすごいが動作が気まぐれな戦車を動かして帝国軍の包囲をかいくぐり、友軍と合流してデータを持ち帰らなければならない……」
(宮崎駿の「豚の虎」の影響が強い)
……エチオピアがナイル帝国に降伏し、リビアがドクター・メビウスと密かに通じている一方、イスラエルは欧米の支援を受けて粘り強く勇敢に戦っている……って設定、いかにもアメリカのゲームではある。
世界がポシビリティ戦争で混乱に陥る中、ニッポンは武器輸出を解禁し、急激な経済成長を遂げている……かに見えた。
だが、実はニッポンもまた、異世界「マーケットプレイス」からの密かな経済侵略を受けていたのだ。
唐突な新技術の出現、拡大する経済格差、蔓延する腐敗と謀略、ストリートに暗躍する企業忍者……それらは全て侵略の影響だったのだ……!
こういう絵、今だと
「アイエエエ!? ニンジャ!? ニンジャナンデ!?」
になっちゃうから難しい……。
ザ・ループTRPG
シモン・ストーレンハーグが描く、(架空の)1980年代を題材にしたTRPG。
巨大粒子加速器「ループ」が建造されたスウェーデンの地方都市で頻発する奇妙な現象と、それを解き明かそうとする子ども達の物語。
……ストーレンハーグの絵もテキストも、読む分には素晴らしいんだけど、TRPGとして考えると、80年代スウェーデンの子ども達がどんな生活をしてたかを我々は知らないので、シナリオ作ったりロールプレイしたりは難しいと思う。
ルールブックには
「原作ではアメリカにも同様の加速器があることになってるし、舞台を日本に移してもいい」
と書かれている。
それじゃあ、もしも日本に「ループ」が建設されていたらどんな風景になるのか……?
というのを考えた時、生成AIはとても便利。
「ループ公団(正式には『日本粒子加速器公団』だが、僕らも大人たちも、みんな単に『公団』と呼んでいた)の建物は、いつもこっちを見ているような気がした」
「何回やっても、彼の言う『裏技』は成功しなかった。他のみんなも同じだった。だが、彼は『絶対ウソテクじゃない』『見せてやるから家に来い』と言い張った。
どうして先に気づかなかったのか、と思うが、僕たちが地図を頼りに自転車を漕いでたどり着いた彼の家は、ループ共同住宅のひとつだった」
調整器は足で立っているのではなく、マグネトリン船と同様、半分宙に浮いているのだ、だから倒れてくることはないのだ、と教えてくれたのは父だった。
おかげで、僕はそれが倒れてくる恐怖に怯えることはなくなったが、その代わり、時折、あの建物たちがふらつく足取りで我が家に集まってくる夢を見るようになった。
叔父は近所で変人扱いされていたが、本人は、その「壁」が「悪いものが来るのを防いでいる」のだと言っていた。
「おばけみたいな? そんなの、あんな壁で止められないんじゃないの?」
「いや、あの煙突の光が奴らを引き寄せるんだ。それをさえぎるための壁だ」
<煙突>とは藤森新田の冷却塔のことで、そこにはありきたりな赤い航空障害灯がついているだけだったが、叔父はそれとは違う光が出ていると言って聞かなかった。
その後、線路道に沿って「遮音壁」が作られたのは、叔父の入院の少し後のことだった。
天羅万象
大学時代、友人と作ったシナリオ「生きるため、守るために」。
……2005年にこのブログで記事にしてたんですけど、先日までそのことをきれいさっぱり忘れていた……。
「天羅万象」シナリオ「生きるため、守るために」 - 小学校笑いぐさ日記
ざっくりあらすじをまとめると、
「山賊にさらわれた姉を助けて欲しい、という少年の頼みで、PCたちは山賊の根城へと向かう。しかし、PCたちがそこで見たものは、巨大な力でねじ切られた山賊たちの死体……そして、洞窟の祠に封じられていた妖を解放し、それと一体化した『姉』の姿だった……」
という話。
そこに出てくる姉。
そう! こんな! こんなイメージだった!(背後のデカいハサミは意図してなかったけどこれはこれで)
どういうわけか井上イラストっぽくなりがちなんだけど、その中でも一番それっぽくなった気がする。
プロンプトに作家名や作品名は入れてないのに、そこはかとなく井上氏の天羅イラストっぽくなったの不思議だけどうれしい。*1
「blood」とか入れてないのにやたら返り血まみれの絵が出てくるのも、意を汲んでくれてうれしいけど謎。
……あと、ネガティブプロンプトに「太もも」を入れても太ももが出がちなの、まさに当時RPGマガジンで井上氏と読者が戦ってた「ちちしり論争」を彷彿とさせる……。
今回、2005年の記事を見返してみて、
「昔の自分、書かなくてもいいこといっぱい書いてるな……」
と思ったんですけど(姉弟の父親のこととか)、今だって書かなくていいことをいっぱいここに書いてるので、やっぱり全然成長してないのかも知れない……。
ともあれ、今TRPGをやってる人は、生成AIを活用できるし、きっと活用しているのだろうなと思います。最近はブラウザから画像生成AIする方法もいっぱいあるし。
ちょっと……いやだいぶうらやましいなあ。