数詞について。

算数の文章題では、回答に単位をつけるのが必須です。
 
「くるまが5だいあります。3まいいってしまいました。のこりはなんだいですか」
という問題だったら、答えは「2だい」。
 
「だい」がつかないと不正解になります。
 
K村「ああ、単位がないなあー」
A児「なんてかけばいいの?」
K村「よく読んでごらん、問題ではなんて聞かれてるかな? “のこりは……”」
A児「2こ? 2まい? 2ひき?」
K村「こっちの質問を聞けよ」
 
質問が「なんにんですか」なら、単位は「にん」。
「なんまいですか」なら「まい」。
「なんこですか」なら「こ」。
「なんひきですか」なら「ひき」
 
……と、教えています。
 
もっとも、これは純然たるテスト対策、小手先の技術です。
現実の算数的状況で、「『なん〜〜』ですか」という問題文が出されるわけではないので。
 
だから、
「よく考えてごらん、車はなんて数えるかな?」
……って聞くのが、あるべき姿なんだろうか、と思ったりもします。
 
……でもね。
 
B児「せんせー、はむすたーがいっこねてるよ!」
K村「そう。そっとしておいてやろうね。 ……ところで、生き物は一匹二匹って数えるんだよ」
 
K村「Cちゃんは何班だっけ?」
C児「5ぱん!」
 
K村「問題を良く読んでごらん、なんて聞かれてるかな? “のこりは……”」
D児「“なんびきですか”」
K村「よし。じゃあ、答えは?」
D児「ろくびき!」
K村「……うん、なんびき、って聞かれてるからね……」
 
一年生に「常識的判断」を求めるのは不可能なのですよ。
 
にほんごとてもむづかしいです。
 
しかし中にはむやみに賢いのもいます。
 
算数の文章問題を自分で考え、友達と交換して解き合った時。
 
K村「さあ、単位も忘れずに書けたかな?」
E児「せんせい、Fちゃんのつくったもんだい、“はなはあわせてなんこですか”ってかいてあったけど、はなは“ほん”ってかぞえるから、そういうふうにかいた!」
K村「あ……そう。……んー、花にはね、一輪二輪、って数え方もあるんだよ」
 
その後教科書を見たら、「はなはぜんぶでなんこでしょう」って問題が載ってました。
 
K村「あー。えーっと、一本の木に何個も花が咲いてるのかも知れないね」
E児「…………」
 
でも、E児が正しいと思います。
 
にぽんごおしえるのとてもむつかしいです。