柄にもない話をひとつ。
季節感のない話で申し訳ないんですが、皆さん、「きよしこの夜」って歌えるでしょうか。
日本語訳の歌詞で。
↓私が幼稚園の頃に聞いた歌詞は、たぶんこれです。
http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/shouka/seiya.html
「御母の胸」は、現在では「馬舟の中」に改められたとか。
リンク先にあるんですが、
プロテスタントの日本基督教団で出している讃美歌なので、カトリックのマリヤ崇拝と思われても困るから、というので改められたんじゃないでしょうか。
へえ。
私は「御母の胸」で習ったなあ。
しかしながら、以前いた学校で音楽の時間教えていたのは、
1
http://emi-midi.seesaa.net/category/1135681-1.html
きよしこの夜
星は ひかり
楽しい 集いに
ささやき かけるよ
よろこびの 歌
こよい 歌えと
2
きよしこの夜
星は ひかり
窓辺に やさしく
ほほえみ かけるよ
やすらかな 夢
こよい むすべと
えーっと。
「救いの御子」はカット。
「御告受けし羊飼いら」もカット。
っていうか、これではなんでこの夜がきよいんだかわかりませんが。
「星は光り」って、本来は、イエスが生まれた時にしるしとして輝いた、ベツレヘムの導きの星の事を指すんだと思うんですが。
これだと単に夜だから星が光ってることに。
いや、まあ、学校教育だから宗教色を除いたんでしょうけど……。
だったらそもそも賛美歌なんか扱わなきゃいいのに。
そして、その学校で扱っていた歌で、もう一つ、私が知っていた歌詞と違っていたのが、「It's a small world」。
私、あれの日本語訳は「小さな世界」だと思ってたんですが。
そこの学校では、そもそもタイトルからして「子どもの世界」。
お伽話のような 素敵なこの世界は
http://kindergartner.jugem.jp/?eid=417
虹の橋を渡って行く 子供の世界
素敵な世界 素敵な世界 素敵なせかい 子供の世界
いじめっ子 怒りんぼ 泣き虫に 笑い虫
手を繋いで駆けて行こう 子供の世界
素敵な世界 素敵な世界 素敵なせかい 子供の世界
どんなに辛い時も 一人で泣いたりせずに
肩を組んで 挫けないで 空を見上げよう
素敵な世界 素敵な世界 素敵なせかい 子供の世界
(訳:内山幸男)
いや、どうも私はこの訳が納得いかなくて。
「イッツ・ア・スモールワールド」って、同名のアトラクションが、東京ディズニーランドにあります。
おねえさんの
「ようこそみなさん、世界で一番幸福な船旅へ!」
の声に送り出されて、水路(の下にあるレール)の上を走るボートに乗って出発。
水路の両脇には、世界各国の民族衣装を着た、たくさんの子どもの人形が並んでいて、口々にそれぞれの国の言葉で「It's a small world」の歌を歌うのです。
たぶん、「魅惑のチキルーム」と並んで地味で不人気なアトラクションではないかと思います。
(人気/敷地面積の比で言うと最低かも。かつては「ミート・ザ・ワールド」が最低なのは確実だったんだけど、そっちは公開終了とか)
だって、(昔からあるアトラクションだからしかたないのかもしれませんが)設定からして「おもちゃの人形」なので、他で見られるロボットと違って顔もおもちゃっぽければ動きもぎこちないのです。
「スター・ツアーズ」の、メカむきだしのロボット(いや、「ドロイド」ですか)の方がよほど生き生きしているという。
……で、私、生まれて初めてそれに乗った時(すでに大学生でした)、泣いちゃったんです。
歳を取ると涙もろくていけねえや。
私たちの世界では、予防接種で予防できるはずの病気のために、毎年200万人の子どもが命を落としています。
3秒に1人の子どもが、飢餓のために死んでいます。
25万人の子どもが、少年兵として戦場に送られています。
性的搾取の対象になっている子どもは、概算することも困難です。
貧困にせよ飢餓にせよ戦争にせよ、あるいは環境汚染や人種差別その他もろもろ。
そういった世界の歪み、矛盾によって、まず犠牲になるのは子どもたちです。
今この瞬間にも、世界中でたくさんの子どもたちが苦しんでいます。
「イッツ・ア・スモールワールド」では、世界中の子どもたちが手を取り合って歌います。
世界中どこだって 笑いあり涙あり みんなそれぞれ助け合う 小さな世界
http://utagoekissa.web.infoseek.co.jp/itsasmallworld.html
世界はせまい 世界はおなじ 世界はまるい ただひとつ
世界中誰だって 微笑めば仲良しさ みんな輪になり手をつなごう 小さな世界
世界はせまい 世界はおなじ 世界はまるい ただひとつ
(訳:若谷和子)
本当にそうであれば、どんなに素晴らしいことか。
その素晴らしい世界は、「虹の橋を渡って行く」ところにあるのではなく。
まさにこの世界でなければならないと思います。
隔たりを取り除き 友情の橋をかけ
手と手をつなぎつくろう 小さな世界
世界はせまい 世界はおなじ 世界はまるい ただひとつ
今日はこどもの日。
世界中の子どもたちが、幸福な子ども時代を送れることを切に願います。
それが半ば無理と知りつつ。
でも、そんな世界を作るのが(作ろうと努力するのが)、大人の責務だと信じます。