スポーツ共産党。

連休中、実家に帰っておりました。
 
ところで、私を含めて、K村家の人々は、基本的に「マイノリティの人権を保護せよ」的主張に傾きがちです。
格差是正環境保護で自由平等博愛な左派陣営に属しているわけですよ。
 
で、実家に帰っている期間、テレビをにぎわしていたのが、高校野球の特待生問題だったわけです。
 
テレビ曰く、
「野球で特待を受けている学生は、母子家庭など、特待を打ち切られると苦しい学生も多い」
「他のスポーツは特待生制度があるのに、なぜ野球だけが」
高野連は、規定が現状に即しているかどうか見直す時期に来ている」
「子どもに責任はないはずだ」
 
して、K村家の反応。
「学問の場でありながら、野球が上手ければ入学させる、という制度自体がおかしい。ただちに特待制度の廃止を」
「野球のみならず、私学協会はあらゆるスポーツについて特待生制度を全廃すべし」
 
超右派。
 
そりゃあ、どの学校だって自校のチームが勝って欲しいでしょうけど、それは
「すでにいる生徒の中で、上手でやる気のある選手」
を集めたチームで戦うべきなのではないかと。
 
それを、「野球さえうまけりゃいい」みたいに、成績を度外視して選手をかき集めるのはいかがなものか。
入学してからだって、野球第一学業第二、みたいな状況で。
……偏見ですか?
でも、「特待生クラスの方が成績が低い」ってことは珍しくないそうですし。
学校が特待をエサに引っ張ってこなければ、もっと自分に合った学校を選んで、もっと高い教育水準に達していたかも知れませんよ、スポーツ特待生の人。
 
一般クラスより低い成績で3年間過ごして、それでも首尾良くプロ野球に入れればいいですけど、そこまで行けるのは、ほんの一部の人間です。
 
「野球さえうまけりゃ」
な高校生活を過ごした後、プロになれなかったら、卒業後どうすりゃいいんですか?
 
そりゃあ学校は、自分とこのチームが勝てば宣伝になっていいでしょうけど、学校の宣伝のために生徒を使い捨てるような真似は、教育機関として恥じるべきだと思います。
 
どうしても制度を維持するのであれば、卒業後も学校が面倒をみたらどうでしょう。
進学も就職もできなかった元特待生は、学校チームのコーチとして採用するとか。
「船頭多くして」を地でいく展開になりそうですが。
 
母子家庭が多いとかなんとかいうお涙頂戴も感心しません。
だって、母子家庭だけどスポーツ苦手な子はどうすりゃいいですか。
経済的に苦しい生徒がいるなら、そういう生徒全般に対して奨学制度を設けるべきなのであって、野球が上手いことを条件にすべきではありません。
 
スポーツ特待生制度を廃止してしまうと、結果的に高校スポーツの水準が低下し、さらにはプロスポーツの水準も低下して、ひいては世界大会における日本の実力低下にもつながる……とか危惧する人もいるかもしれません。
でも、それはそれですよ。
 
かつての共産国発展途上国では、一部のエリート選手が政府から特権を与えられ、英才教育を受けて世界大会に臨みました。
しかし、そういう体制の下では国民スポーツが育たず、
「大人になってもスポーツをやるのは特別な人だけ」
という状況になってしまいました。
 
この結果、時代が下って政府が民主化され、スポーツ選手の特権が廃止されると、世界大会では突然弱くなってしまったりしたわけです。
 
でも、それは、その国がスポーツの裾野を広げる努力を怠ってきたことが悪いのであって。
エリート選手の優遇をやめたのが悪いのではないと思います。
 
スポーツ特待生制度だって、ある種の特権です。
そして、日本だって、まだ、地域にスポーツクラブがあって大人が普通にスポーツを楽しむ……というような社会ではありません。
もっと裾野を広げる余地があると思います。
 
そもそも、高校に入らなきゃ全国大会に出られない、という仕組みがおかしいのです。
学校という枠を離れ、運動が得意な生徒は、任意で地域のスポーツクラブに所属する。
そして、そういったクラブ同士が全国規模で力を競うような大会があれば、もっと幅広い層が自由に活躍できるのではないでしょうか。
 
国民全体の健康増進のためにも、より良い教育のためにも、特待生制度は廃止し、学校部活動も廃止し……
 
……あー。
 
私んち、一人残らず運動音痴なんですよ。
「父親とキャッチボール」
とか、全然した記憶がない。
っていうか、小学校に上がるまで、ボールに触れた記憶がほとんどない。
 
だからスポーツ特待生とかにすげえ冷淡なのです。
 
でもやっぱり、スポーツ特待生って制度はおかしいと思います。
 
特待制度はソ連「共産」主義的特権制度である!
プロレタリア学生同志諸君!
連帯を強化し、階級闘争を激化せよ!
ノーメンクラツーラ粉砕!

 
……超左派。
 
ちなみに、アナルコ・キャピタリズム研究(仮)のテストをやってみたところ、私の政治的立ち位置は下のような感じでした。

んー、Liberal(リベラル)とStatist(大きな政府志向)とCentrist(中道)の境界、というなんとも言い難い結果なんですが……。
まあ、
「政府は、個人の生活にはあまり干渉すべきでない」
「政府は、経済活動に対しては一定の統制を行うべきだ」
……と。
 
中道左派、かな?
(……やっぱり左がかってるんだなあ……自分)