教育情報の管理とネットワークの安全性について。

pdfファイルが何か、知らない人はいないと思います。
知らなければはてなのキーワードを見て下さい(手抜き)。
 
で、公共機関では、pdf形式の文書をダウンロードできるようにしているところが多くあります。
 
ご承知のように、pdfファイルは通常のネット上のコンテンツと異なり、閲覧・印刷する際に、環境によってレイアウトが変わることがありません。
ですから、イラストや表を含んだサイトを印刷しようとしたら、表が右半分だけがとぎれて印刷されなかった、なんてことが起きないわけです。(調べ学習の時困るんです、これ)
書類などをみんなで見るには大変便利です。
 
一方で、これを見ようとすると毎回Adobe Readerが起動して、時間がかかって仕方ない、という面倒なこともあります。
 
ですから、公共機関でダウンロードできるpdfファイルというのは、窓口に提出する書類の様式など、レイアウトが崩れては困るものをpdf化したものです。
これによって、利用者がわざわざ窓口に来てから書類を書かなくとも、自宅で様式をダウンロードしてお茶の間で記入することができるようにしているわけです。
 
それ以外の、あまり印刷することのない普通の情報、たとえばイベントの開催情報などのお知らせは、htmlファイル(普通のサイトを構成しているファイル形式)で閲覧できるようにすればいいわけですね。
 
普通に考えると。
 
しかし、ご存じの方も多いと思いますが、公共機関には物事を普通に考えない人が多いらしく、どう考えても印刷しない情報までpdf化していることがよくあります。
 
たとえば、こちら。精華町教育委員会
http://education.town.seika.kyoto.jp/
「図書館の沿革」とか、明らかにレイアウトなんかどうでもいいただの文章なんですが、わざわざpdfになっています。
これ以外にも、どうでもいい文書をpdf化して掲載している公共機関が世の中には無数にあります。
 
え? 「それはたぶん組織内部でpdfで回覧したのをそのままアップしてるんだろ」ですか?
そうかもしれませんね。
精華町のpdfも、一枚しかないのに「p16」とか、意味不明のページ番号が打ってありますし。
わかりやすい手抜きです。
 
しかし、たとえば、岐阜県教育委員会のページを見てみましょう。
http://www.gifu-net.ed.jp/gec/
教科別指導についてや、評価についてなど、学校現場で役に立つであろう様々な資料が集められています。
良心的ですね。
 
「観点別学習状況の評価の手順」など、pdf形式と一太郎形式の両方が用意されている凝りようです。(部分的にWordファイルなのが不可解ですが)
 
「教科別指導」についても、pdf形式とhtml形式の両者が用意されています。
とりあえず、印刷するつもりはないのでhtml形式を見てみましょう。
http://www.gifu-net.ed.jp/ssd/sien/hyouka/kokugo/kokugoSsyo/kokugoSsyo13/PAGE001.HTM
 
……何かおかしいのがわかりますか?
 
なぜ文書が画像ファイルに。
これはhtml形式と言うよりjpg形式です。
 
せめてpngかgifなら……って、そういう問題ではありませんね。
 
まあ、書類をスキャナで取り込んでそのままアップしてるところもありましたから、それに比べれば(書類の折り目までくっきり。嫌がらせ?)。*1
 
わざわざ書類をjpgファイルにして、それを左右半分ずつ分けて次のページと前のページへのリンクにしてあるわけで、これは手抜きというよりむしろ結構な手間だと思うんですが。
なにか宗教上の理由があるのでしょうか。
 
そして、栃木県総合教育センター。
ここには、「教材キット」というものが多数掲載されています。
要するに、指導案やワークシートなどを、ダウンロードできるわけですが、学年と教科によって検索が可能になっているなど、なかなかきちんとしています。
http://www.tochigi-c.ed.jp/curriculum/jissenshiryou/kyozai-kit/menu.htm
 
ファイルはおおむね一太郎かWordに対応しているようなので、試しにダウンロード……しようとしてびっくり。Internet Explorerから警告が出ます。
 
「インターネットのファイルは役に立ちますが、このファイルの種類はコンピュータに問題を起こす可能性があります」
 
なんで?
 
理由はファイル名を見れば一目瞭然、拡張子が「.exe」。
 
なにゆえ一太郎ファイルを自己解凍形式で圧縮する必要があったのかと。
 
当然、保存して展開しようとするとまた警告が出るわけで。
不安そのもの。
 
いつも、パソコンに詳しくない先生には、「ネット上からむやみにファイルをダウンロードしないように。メールの添付ファイルも決して開かないように。特にexeファイルは見たら捨てるように」と教えてるんですが……。*2
 
「発行元が信頼できない場合は、このソフトウェアを実行したり保存したりしないでください」
信頼していいのかこいつら。*3

*1:「試験日程」でイメージ検索してみると、そういう画像が結構出てきます。

*2:まあ、中には複数のフォルダと一太郎ファイルからなっている大きな資料もあるわけで、そういうものについて、「lzh形式だのzip形式だと、解凍できない先生がいるだろう」という判断なのかも知れませんが。
(pdfだって見れない人には見れないけど……)
それにしても、「手つなぎ鬼のやり方」とかまで自己解凍形式に圧縮する必要が?

*3:総合教育センター職員の方の信教の自由を侵害する意図はありません。あしからず。