なんか、化学物質過敏症を巡ってはてな村が揉めているようです。
よくわからんのですが、
「過敏症患者は社会的弱者である。機序が明確でないことを理由に病気の存在を否定するのは水俣病の轍を踏むものであり、過敏症患者を含めたすべての人が住みよい社会の構築を妨げるものである」
という立場と、
「いわゆる“化学物質過敏症”の症状が、本人達の主張する“微量の化学物質”によるものでないこと、おそらく心因性であることは実験によりほぼ確実だ。これを否定するのは非科学的であり、正しい治療の道を閉ざすものである」
という立場が対立しているようです。
「科学的態度」と「弱者の保護」を巡って対立するのがいかにもはてならしいというか。
さて、化学物質過敏症、というのは、小学校に勤務する私にとってもまあ他人事ではありません。
幸いにして本校には「患者」はいないんですけど。
しかし、毎年、教科書担当のところに、市教委を通じてこのような書類が来ます。
「対応本作成依頼書」……対応本、というのは、化学物質過敏症の子に対応した教科書、ということです。
(現物はこちらからダウンロードできます→http://www.textbook.or.jp/application-forms/chemical_matter-hs.html(Wordのファイル))
もし、希望する児童がいる場合には申し込むように……というわけで、つまり、化学物質過敏症策というのは、文科省の施策としてすでに全国的に行われている、ということです。
安全側に寄った素晴らしい配慮だ、と思う方もいるでしょうし、税金の無駄だと思う方もいるでしょう。
ちなみに、具体的にどんなものかと言うと……。
1:化学物質を放散させるために天日干し等を行う
2:表紙をカラーコピーする
3:全頁をコピー(カラー・白黒)する
4:教科書に消臭効果のある紙をカバーとして掛ける
などの方法により作成し,必要な児童生徒に配布しています。
社団法人・教科書協会より http://www.textbook.or.jp/question/answer/a19.pdf
……天日干しはまだわからんでもないけど、カラーコピーとか消臭とかって……。
しかし、教科書最大手、東京書籍に言わせると、(http://ten.tokyo-shoseki.co.jp/information/200406/17tokuho/tokuho01.htm)
当面の対応策を探るため,プロジェクトメンバーが8月に学校と保護者及び主治医を訪問し,実情調査を実施しました。
ある保護者から
「カラーコピーなら反応しなかった」
という指摘を受けて「カラーコピーの教科書」を作り,使用してもらい反応をみることにしました。
その結果,「みんなと一緒に勉強することができた」という報告があり,効果がみられましたので,対応依頼のあった児童全員にカラーコピー本で対応することにしました。
保護者と本人がそう言うんじゃしょうがないですね。
東京書籍さん、なんか知りませんが文科省から委嘱を受けてあれこれ調査したり、インクの成分を変えたりがんばってるみたいです。
素晴らしい配慮だ、と思う方もいるでしょうし、税金の無駄だと思う方もいるでしょう。
……まあ……適切な治療がなされて、症状に苦しむ方がいなくなることを願ってやみません。