ウチの地元に、「ご当地アイドルユニット」的なものがいるのです。
メンバーは全員女子小中学生。
ユニット名は……仮に「ラブリーエンジェル」ということにしておきます。
いや、WWWAとか関係ないのですが、語感的に「ラブリーエンジェル」とか「キューティーハニー」とかそんな感じなんです。
で、まあ、私自身はアイドルとか興味ないのですが、先日、その「ライブ」的なものを見る機会が。
地元で、小さな映画会をやっている団体があって。
その上映会に本校の体育館を貸し出すことになり、放送機材とかの関係で私も残ることになったのですが。
そしたら、映画の前座として「ラブリーエンジェル」がやって来たわけです。
「みなさーん、こんにちはーっ☆ 今日は、わたしたち、ラブリーエンジェルをお招きいただき、ありがとうございまーっす☆」
……やべえ。
なんだこの昭和っぽい「アイドル」。
続いて「新曲」の披露とかあったわけですが……いやあ……その……痛々しいというか……。どうなの?
会場も全く盛り上がってない……というか、そもそも全く招いた記憶がない(映画が来るとは聞いていたが、アイドルが来るとは知らなかった)わけだしね?
「映画はいつ始まるの?」
的な反応。
(若干名、たいへん熱心に写真を撮影しているおっさんがいらしたのがこれまたなんとも……)
で、いちばんもやもやするのが、この「ラブリーエンジェル」をプロデュースしてるのが、地元の公民館なのですよ……。
というか、奧さん(市役所職員)の話によると、そこに一人、アイドル好きのおじさん職員がいてですね。
その人が事実上一人でやっているらしいと。
プロデューサー=ファン一号、って、アイマスとかならいい話なんだろうけどさあ……。
つまり、「ラブリーエンジェル」の強烈な昭和臭は、そのおっさんのセンスが反映されてるわけですね。
世の中、アイドルに憧れる人がいるように、そのプロデュースに憧れる人もいるだろうし、公民館職員としてそれを実現した、というのは「いい話」なのかも知れないですけど……。
でも、子どもが……不憫で……。
歌とかダンスとか……まあ、テレビで垣間見るような「プロのアイドル」と比べてはきっといかんのでしょうけども。
しかし、機材も、持ち込みのポータブルアンプに加えて、本校体育館のマイク借りたりしてる状態で、ハウリングもかなりひどいとかそんな状態だし。
(担当者として名誉のために申し上げておきますが、ハウリング起こしてたのは先方が持ち込んだ機材の方でした)
私には、「ラブリーエンジェル」での活動が、未来の「プロのアイドル」活動へとつながるとはあんまり思えません。
また、児童の労働時間については労働基準法の縛りがある(20時以降は働けない)はずなので、件の「ライブ」は「労働」ではなく、いわば「サークル活動」的な扱いなのだろうと思います。
……大丈夫なのか、公民館として。
本人達が、「サークル活動」……あくまで趣味としてやっているなら、まあそれでもいいかな、とは思うのですが(夜遅くはやめろよ、と思わぬでもない)。
しかし、「いつかはテレビ局からスカウトがあるかも」とか信じてやっているとしたら、やらせている大人はずいぶんむごいことをしているよな、と思うのでした。
親御さんが何を考えているのかもよくわからぬのですが。
あと、その「プロデューサー」が、他の部署に転属になってしまったら、「ラブリーエンジェル」の活動はどうするのだろう……とか。
いやまあ、夜中まで練習している学童野球チームとか学童バスケットチームとかもわりとあるので、その一種だ、と思えばいいのかも知れませんけど。(それもどうなんだ、とは思うんですが)
しかし、「熱心に写真を撮っているおっさん」とか見てると、「児童の性的搾取」とかいう単語が頭をよぎってですね。
そこに行政が一枚噛んでいるというのは……とか、色々もやもやしてしまったのでした。
ともあれ。
「もしかしたら、こんな“地下ジュニアアイドル”が日本各地にいるのでは? 全然知名度がないだけで……」
などと思うことでした。