遠吠え。

卒業式が終わりました。
 
卒業式、私は放送担当でした。
 
放送室に詰めて、マイクだのBGMだのの音量を調整するのが仕事です。
 
全くの裏方なので、保護者や来賓の目にはとまりません。
 
特に重要なのが、「別れの言葉」のボリューム調整です。
曲が大きすぎては邪魔ですし、小さすぎてもそれはそれで気になる。
その上、フェードインだのフェードアウトだのが度々。
 
でも、テレビだのラジオだのと違って、子どもたちはマイクを使わない=声が放送機材を通らないので、「調整」と言っても実際にフロアでどう聞こえているかさっぱりわからないという。
 
練習を通して
「放送室でこれくらいに聞こえていたら適切」
というのをつかんで、あとは勘を頼りにやるしかないのですが……。
 
どうも、今回はあんまりよくなかったらしいです。
 
練習の時と違って、ストーブのファンが回っているし、風の音も強いしで、音の感覚がずれたよう。
 
うう。
 
フロアの人からこっそり手真似で合図を送ってもらえればいいんですが……。
 
本校の放送室、いちおう近くにのぞき窓があって、フロアの様子が見えるようになっています。
いつもは、その下に卒業式のプログラムを張るようになっています。
 
今年は、卒業生の保護者(幼稚園の先生)が、桜の木をモチーフにした、大変立派な壁画を作ってくれ、それを体育館の壁に貼りました。
職員になんの相談もなく。
のぞき窓をふさぐように。
 
「……プログラム、どこに張るんですか?」
「……無理だろ」
 
卒業式会場の配置というのは、演台をどこに置くとか花をどこに飾るとか、職員室で協議して、場合によっては大変紛糾することもある重要な問題です。
 
……壁画、大変な労作で。
保護者の方の労力には頭が下がります。
 
来年は、フロアの人からリモコンか何かで信号を送ってもらう方法を考えた方が……。
 
ともあれ、私の音の感覚も相当怪しくて。
 
前日、マイクの音量をチェックしていたのですが、下げすぎると音が入らないし、上げすぎるとハウリング*1を起こすし。
 
ちょうどよい音量にセットしようと色々試したのですが、どうしても
「おぉ……ん」
という、低いハウリングの音が消えません。
 
困ったな、と考え込んでいたら、また
「おぉ……ん」。
 
「またか……。 ……あれ? 電源、切ってある」
 
幻聴でした。
 
年度末事務であんまり寝てないのがいかんわけです。
もう寝ます。
では。

*1:マイクに入った音がスピーカーから増幅されて出て、それがまたマイクに入って増幅され……という現象。
ボリュームを上げすぎたマイクが、キーンとかフォーンとか変な音を出すあれ。
語源は「howling(遠吠え)」。