夏休み前になると、学校とは普段あんまり関係ない人たちの活動も活発になったりします。
農協とか東京電力とか、そういう団体も、夏休みに向けて、「田んぼのある風景絵画コンクール」とか「電気に関する作文コンクール」とかを企画して、募集要項を次々に学校に送ってきます。
このため、図工担当と国語担当は、終業式直前には、押し寄せる申し込み用紙と募集ポスター(大抵同封されている)の山に悲鳴をあげることになります。
そして、そのかなりの部分がゴミ箱に直行します。
なぜか。
まず問題になるのは、学校にやってくる時期です。
募集要項が終業式の前に到着すればいい、というものではありません。
本校の場合、事前に担当が、コンクールの概要と規定(作文であれば字数とか、ポスターならサイズとか文字は入れるのかどうかとか)をまとめ、校内締め切りを設定し、それを一覧にして、「夏休みのしおり」に綴じこみます。(募集要項が一枚しかないような場合、そうしないと周知できません。 募集要項一枚+広報ポスター一枚、ってのが、一番良くある構成なんです)
そのあと、「しおり」は管理職に目を通してもらい、決裁を受けたうえで発行されるわけですから、終業式の2・3日前に来たのでは全然間に合いません。
なのに、その時期にやってくるコンクールが多数。
それどころか、なんだか知りませんがこの前の金曜日に届いた募集要項もあるんですが。
もう子どもがいねーっての。*1
実際問題として、そんなに多数のコンクールに出品するのは不可能です。
というのも、子どもたちが持ってきた作品について、いちいち申し込み用紙やら出品者目録やらを書き、作品を梱包し発送するのは、各教科主任が一人でやっているからです(大きな学校では担任がやる)。
教科主任にせよ担任にせよ、10個の作品をひとつのコンクールに送るのと、10種類のコンクールにひとつずつ作品をおくるのとではそもそも手間が違います。
募集締め切りは休み明けの短い時期に集中しますから*2、あんまりいろんなコンクールに子どもたちが分散すると処理しきれないのです。
それで、「精選するように」との校長の指示の元、重要そうなコンクールに絞って子どもたちに通知することになります。
重要そう、というのは、
- 前に申し込んだ時商品が豪華だった
- 教育委員会主催
の二つ。
……。
1は、まあ、当然ですか?
2は……。
まあ、子どもたちが夏休みを利用して、普段やらないことに取り組めるように、という配慮もあって、教育委員会とか地元の新聞社とかが共同で作文コンクールを催したりするわけです。
それはそれでわかるんですが、それに優先して取り組め、と。
……賞品、地味なんだよな……。
世の中にコンクールが他にないなら、教育委員会主催コンクール、というものの存在意義もわかるんですが。
これだけいろんなコンクールがあふれかえっているのに、あえてそこで教育委員会が音頭をとってやらなくてもいい気がするんですけども。
「教育委員会主催」=「強制参加」みたいになってしまっていて、かえって子どもたちの選択肢が減り、弊害が増している気がします。
ともあれ、そんなわけで、世の中に存在するコンクールのうち、子どもたちに知らされるのはごく一部になっています。
ですので、「もっとうちの子に向いた作品展はないか」とお考えの方は、公民館等へ出向くと、そのほかの作品コンクールのポスター等がはってあるんじゃないかと思います。
たぶん。(だって、送られて来た作品コンクールのポスターをみんな張ったら、公民館だって掲示板に収まりきらないぞ)
それをご覧になって、個人で申し込まれると良いと思います。
なんだね、しかし。
すごい紙資源の無駄だと思うんだけど、どうにかならないのか。*3
もし、どこかの企業・団体に属している方で、
「そうだ、小学生向けの“IT産業に関する作文・絵画コンクール”をやろう!」
とかお考えの方は、この記事をご参考の上、募集期日・宣伝方法等をお考え下さい。
たぶん本校からは参加しません。