本校における教育の情報化の進捗状況、及び、その調査方法に関するまとめ。

私は学校の情報教育担当です。
 
先日、文部科学省から、教育委員会経由で、学校の情報化に関する調査の依頼が回ってきました。
 
……と、大仰なことを言っていますが、要するに職員アンケートをとれと。
 
質問項目はわずか2つ。

  1. パソコンを使えるか。
  2. パソコンを使って授業をできるか。

1については、フォルダ操作とかワープロ表計算ソフトとか、大変初歩的なことができればOK。
2については、授業中、パソコンを使って子どもたちに教材を提示したり、子どもたちがコンピュータを使って資料を収集し、まとめる授業を指導したりできるか、という内容。
 
結果、1.については、全員が可能と答えたものの、2.については可能と答えたのは全体の40%にとどまりました。
 
この集計結果を、文科省のサイトにログインして、校内のパソコンの台数と利用状況などのデータと共に入力すれば作業は完了です。
 
ログインするためにはユーザー名とパスワードが必要で、教育委員会から来た資料に書いてなかったので問い合わせたら向こうも知らず、
「こちらでもわからないので、前回の調査の担当の先生に聞いて下さい」
「前回の調査っていつですか」
「15年度末です」
「……異動してるんじゃないですかそれ」
校内で聞いたら、前回の調査担当者が誰だったか誰も知らず、これまた教育委員会も知らない、とかいう悲惨な話でしばらくどたばたましたが、一応期間内に作業は終了。
 
……こんなやりくちで、他の学校は無事に作業が終わってるんですかね?
不思議でなりません。
 
まあ、ともあれ終わったので一安心。
やれやれ。
 
……と、思いきや、数日後に教育委員会から電話。
 
「先日、そちらからFAXをいただいて、情報化に関する調査の結果を見たんですが」
 
調査結果は、文科省に届けると同時に、別様式で教育委員会にも報告していました。
たぶんそれは教育委員会の判断で付け加えられた指示だと思いますが。
 
「それで、先生の学校では、パソコンを使って授業をできる先生の数は40%、とのことなんですが」
「はい。そのようでしたね」
「しかし、パソコンを使って授業を行える教員を増やす、ということについて、本県では現在力を入れていまして。是非、もっと増やして頂きたい」
「はあ……。がんばります」
「いや、そうではなくて」
 
つまり、調査をやりなおせと。
それでもっと多い数字を再報告しろと。
 
……いや、どうなんですかそれ。
 
「どうなんですかそれ」
「とにかく、よろしくお願いします。こちらにFAXで知らせて頂ければ、文科省への報告はこちらでしますので」
 
ううむ……。
 
しかたないので、他の先生にありのまま事情を説明して、「嘘はつかなくていいですが、子どもたちがインターネットで調べ学習をするのを指導できるとか、学習ソフトを使って勉強するのを監督できるとか、その程度でいいですから」……と話して、もう一度聞き直しました。
 
その結果、本校では実に80%の先生が、コンピュータを使った授業をできることに決まりました!
これは、本県の平均値である54%を大幅に上回る数字です。
 
ブラボー!
情報教育主任として実に誇らしいことです!
 
………………。
 
ちなみに、最初の調査で「パソコンを使って授業できる」と答えた先生の中には、キーボード保護シートを見て「ウイルス対策?」と聞いた先生も含まれています。
 
……。
 
今回の調査の結果は、いずれマスコミ等へも公開されることと思いますが、その数字の背後にはこういった担当者の努力が存在していることを心の片隅にでも置いて頂ければ、と思います。