正しい知識は安心をもたらす……か?

「給食の放射能調査」は妥当か?(http://www.foocom.net/column/editor/5002/
 を読んで思ったこと。
 
 まず、リンク先の内容をまとめると、
 
・給食を検査しても、まず間違いなく低い値しか出ない。
・一方、仮に高い値が出ても、どの食材が原因なのか知るのは困難。検査しても対応できないのでは検査する意味がない。
・安心を得るという意味もあるかも知れないが、「○Bq/kg」という数字が出てくることで、それが「安全な」レベルの物であってもかえって不安になってしまう人もいるのではないか。
 
 この記事を読むまでは、給食一食分の調査を給食センターで行うのは有益ではないか、と思っていました。
 まあ、どうせ安全圏だろうけど、安心を得るという意味で。
 
 しかし……ううむ。
 
 前に書いたとおり、今年度の本市においては、プール開きを遅らせて、市内全ての小中学校のプールの放射能検査を行いました。
 
 で、まあ結局、「検出限界未満」の結果が出て、無事に水泳学習をやったわけですけど。
 
 教育委員会から保護者向けの資料が配布されたんですけど、それがまあ……。(以下、数字は適当)

 市内小中学校プール水質検査の結果について
 
A小学校:検出限界未満(検出限界:0.12Bq/kg)
B小学校:検出限界未満(検出限界:0.08Bq/kg)
C小学校:0.05Bq/kg
D小学校:検出限界未満(検出限界:0.10Bq/kg)
 
*いずれも、ただちに健康に影響のあるレベルではありません。

C小学校だけ放射能が検出されてる!
 
 ……いやつまり、C小学校だけ検出限界が低くて、それでギリギリ検出された、ということなんですよ。*1
 だから、本校を含め、他の小学校も同じくらいの値である可能性はあります。
 いずれにせよ、人体に有害なようなレベルではない……のですが……。
 
 ……でも絶対、C小学校の人、いい気分はしませんよね。
 保護者も教員も。
 
 比較的都市化の進んだ地域にあって、学校と異なる方針を貫く保護者も多い学校だけに、今年の夏は大変だったのではないかなあ、などと心配することしきり。
 
 ともあれ、具体的に数字が示されることで、かえって不安になってしまう、ということもあるのかも知れないなあ……、と、思ったことでした。
 

*1: 検出限界というのが、機器の性能ではなく、周囲の環境や調査対象によって変わってくるものなのだ、というのは、恥ずかしながらこの時初めて知りました。