休職なう。

 現状をありのままに書いておきたいと思います。
 
 先日より、仕事の方はお休みを頂きました。
 ……っていうか「休むように」と指示されました。
 
 90日間の病気休暇ということになります。
 
 だから正確には「病休なう」。
 ……すでに現状ありのままではない件について。
 
 やや長くなるのでまとめ。
 
ドグマチールは効きます。少なくともそんな気はします。
リボトリールはすぐ効きます。少なくともそんな気はします。
・副作用:眠くなります。
・教育公務員の福利厚生は充実していますすみません。

 
 さて。
 
 しばらく前より、心療内科で診察を受け、抗うつ薬の処方を受けていました。
 
 原因としては、やはり環境の変化、ということになろうと思います。
 
 ここで「あれが大変だった自慢」をやっても面白くないし、もっと大変な仕事の人がゴマンといると思いますのでまあ詳述は避けます。
 
 まあ、慣れない大規模校、慣れない高学年担任、本校に転任した最初の年に、教員になって初めて担当する体育主任……と、元々キャパシティの少ない私には厳しかった、ということでしょうか。
 
 職員室の事務も五里霧中な上に達成感がない(終わってから「あれも必要だった」って言われる)状態。
 しかしそれ以上に、子どもがかわいく思えない、って、子どもも迷惑だろうし、担任としても苦しいですね。
 
 このブログ、そもそもは
「とりあえず今年は学級がうまくいっているので」
 ということで始めたわけですが、気がつけば今年度に入ってからは更新頻度が激減。
 
 こども観察日記であるところの「あのね。」カテゴリに入る記事も、執拗に書いていた去年までと違ってほとんどなく。
 
 今年の子どもが昨年度までよりかわいくない、のではなくて、それを受け取るこちらの精神状態に余裕がないのが原因なんだと思います。
 
 ……いや、結構詳述してしまいましたが。すみません。
 
 ともあれ、色々あった末に心療内科にかかり、
鬱病と言うほどではないが薬を出しておきましょう」
 ということで、ドグマチール一日100mgを処方されました。
(どうでもいいけどこの薬、名前を思い出そうとすると「デルメトール」って名前が先に出てきて困ります。えーと、昔「ガレリアンズ」ってゲームがあってですね……ゲーム脳
 
 車で通える程度に近く、さりとて校区の人に会ったりしない程度に遠い心療内科をネットで探して行きました。
 
 心療内科というのがみんなそうなのかは知りませんが、外装も待合室の内装・照明等も落ち着いた感じでした。
 BGMなんかかかってたりして、過去行ったどの病院よりオサレげな感じでしたよ。

 でも診察の時、医者がノートパソコンの画面見っぱなし。
 カルテつけてるんだろうけど、話聞く時は相手の見ろよ、という気も。
 
 まあ、カウンセリング受けに行ってるわけじゃないからいいか、とは思うんですが……。
 
 ともあれ、ドグマチール、元来うつ病の人に処方される薬ですが、一日150〜300mgを服用するのが普通だそうなので、100mgというのはまあ少量ということになります。
 
 2〜3週間で効果が出てくる、と言われたのですが、確かに効果がありました。
 依然として
「うう、学校行きたくねえ……」
 という思いはそのままなんですが、気持ちはずいぶん落ち着いた気がします。
 なんというか、
「まあいいじゃん。そんな気にするなよ」
 って感じの薬。
 
「うう、授業がうまくいかないよ……。まあいいじゃん。子どもからも嫌われてる気がするし……。そんな気にするなよ
 
 ……って感じ。(太字部分が薬の効果)
 
 飲み始めて以来、出勤前に吐き気がしたり出勤すると一日中頭痛がしたり、といった症状はほぼ消えました。
 
 ……いや、そういう症状があったのですよ。
 不登校の子が朝になると腹痛がする気持ちがわかりました。
 
 ……とはいえ、効果が出るまで2〜3週かかるはずなのに、飲んだその日から……というか、ほとんど飲んだ瞬間に気が楽になった気がするのは、どうも薬の作用と言うより暗示の作用のような気がします。
 
「暗示でも効けば問題ないじゃん」
 という意見もありましょうが、暗示で効果が出るというのはホメオパ信者のみなさんと何ら変わらないわけで、いささか釈然としない思いがあります。
 
 で、飲み始めてわかったのが、自分の気持ちに波があることでした。
 
 ドグマチールを飲み始める前は、大体毎日半死半生の気分だったのでよくわからなかったのですが。
 それがちょっと落ち着いてみると、なんか他の日より大幅に気分が落ち込む日があるのです。
 それが、前の日に落ち込むような出来事があった、というならともかく、どう考えても何の心当たりもないのに気分だけえらく落ち込んでいる、という未知の体験。
 
「あ、こりゃどうも普通じゃねえや」
 と自覚しました。
 
 そのことを医者で話すと、
「特につらい時に飲むように」
 と、リボトリール0.5mg錠を追加で処方されました。
 
 これは……効きましたけど……。
 
 なんか、全体に頭がぼやーんとして、鬱気分も薄まる感じです。
(あくまで主観的な意見ですが)
 
「陸上大会……えーと……うー……選手名簿作り直しかよ……あー……。ゼッケンが……んー……まあいいか……
 
 な感じ。
 
 さて、どんな薬でも副作用があります。
 
 腹が減る。
 
 ……いや、それはまあどうでもいいんですが。
 ドグマチールは胃腸の症状にも使われる薬だそうで、用もないのに食欲が増進されてえらいことに。
 学校帰りに寄るコンビニのお菓子がうまそうなことうまそうなこと。
 
「ストレスで食事がのどを通らない」
 どころか、むしろ体重が増え始めて困る有様。
 
 副作用その2。
 
 眠くなる。
 
 特にリボトリールは飲んでしばらくすると猛烈に眠くなります。
 ある時など、研究授業見ながら寝てしまう体たらく。
 立ったまま「ガクッ」とかなって気がつくという。
 
 ドグマチールだけの時でも、座って作業などしていると耐え難い眠気が。
 普通に授業している分には大丈夫なのですが、
「じゃあ先生が採点するから、できた人から持っておいで」
 とかやると、丸つけしながらこっくりこっくり始まるという。
 
 医者でそう訴えたところ、リボトリール漢方薬(抑肝散)に切り替えてくれたのですが、ドグマチールはそのまま。
 
 で、夏休み前のある日、教頭先生に呼び出されました。
 
「なんか、授業中眠そうにしていると子どもたちが噂してるんだけど……」
 
 そこでやむなく事情を説明したところ、仕事がつらい時は手伝うし、必要なら授業も代わるから言うように……と言っていただきました。
 
 とはいえとりたてて状況も好転せず、相変わらず休み時間ごとに職員トイレにこもってうずくまるような日々(迷惑だな)。
 
 で、夏休み明けのある日、今度は校長&教頭から呼び出し。
 
「実はK村先生が授業中に寝ていることがある、と保護者から苦情が来てて……」
 
 ……そりゃそうだ。
 
「……まあ、病院ではうつ病ではない、という診断だそうだし。見ている限り、休職とかが必要な状態とも思えないんだけれども……」
 
 で、校長・教頭・教務が交代でTT(授業の補助のようなもの)に入る、ということになりました。この時は。
 
 ……いや、毎時間校長・教頭・教務が来るって、こっちも結構ストレスなんですけどね?
 でも、3人とも本来非常に忙しいわけで、その人らを入れ替わり立ち替わり拘束するって大変なことではあります。
 
「次回病院に行く時には、校長も同席したいんだけど、いいですか?」
「わかりました」
「……それと、奥さんにもこの辺の話はしておいた方がいいと思うよ、早めに」
「……はあ」
 
 とにかくその態勢でがんばらないと……と思いつつ帰宅。
 
 で、帰宅すると卒論ちゃん(最愛の妻)が、
「ねえねえダーリン、あのね、ダーリンは一ヶ月くらいお仕事お休みしたらいいと思うんだけど……」
 
 ……おや?
 
 いつも読んでくださっている方(ありがとうございます)はご存じと思うのですが、うちの妻は市役所……というか、教育委員会の事務局勤務なのです。
 
 なんか、市の教育委員会まで苦情が行ったみたいです。
 
 とりあえず二人で話をした末、私としては、現在の態勢でなんとか続けたい、と話しました。
 卒論ちゃんいわく
「じゃあ、明日役所でそう話してみるけど、教育委員会の判断がどうなるかはよくわからない」
 とのこと。
「あと、夜更かし禁止! 12時前に寝なかったら罰金!」
 
 ……すみません夜中の2時とかにブログ更新してて。
 
 眠くなるのは間違いなくそのせいもあるんですけどね……。
 なんというか、「寝たら明日が来ちゃう」と思うと寝たくないんですよ……。
 
 自己管理ができてなくてすみません。
 
 で、翌日。
 
 教室に行くと、子どもたちが
「先生、今日はお休みじゃなかったの!?」
「え?」
「なんか、病院に行くから今日はお休みだって教務先生が……」
 
 何かあったようです。
 
 とりあえず、この日は通常通り授業。
 毎時間、誰かしらTTに来てくれる態勢。
 
 ……TTに来てるのか私が寝ないように監視してるのかわかりませんが。
(たぶん、保護者向けに「学校として対応している」という形を見せたいんじゃないかなー、と邪推)
 
 そして校長から呼び出し。
「今、教育委員会の〜〜係長が来てるんだけど……」
 
 係長から、
「実は夏休み前から教育委員会に話は来ていて……」
 
 どうも、
 
・夏休み前から苦情があった。
・学校に連絡はしつつ、卒論ちゃんには伏せていた。
・昨日はたまたま卒論ちゃんが電話を取ってしまったので、やむなくこれまでの事情も全部伝えた。
 
「断りもなく奥さんに話して申し訳ないとは思うんだけれども……」
「いえ……」
 
 どこまで公務でどこから家庭内の事情なんだかよくわかりません。
 結婚式にも来ていただいたのにこんなことになって申し訳ありません係長。
 
「私としては、校長先生や教頭先生も入ってくださると言うことなので、その態勢で続けたいと思っているんですが……」
教育委員会としては、夏休み前はそういう風に考えていたんですが……」
 
 一段状態が悪化していたようです。
 
「保護者の方から、学校や教育委員会に苦情を言ったのに動きが見られない、と、県の教育委員会に連絡がありまして……」
 
 ……地区教育事務所は飛ばされた模様です。
 
「なんか、この間の奉仕作業の時にも、K村先生がちゃんと働いてなかったとかそういうことを言うんだわ」
 
 保護者に協力していただいて学校の草刈りをした時のことですね。
 ……そりゃまあ、手際よくやっていたとは言えないかも知れませんが……。
 
 そんなの県教委に言うようなことじゃないだろう……。
 
 いやまあ、一度不信感を持たれてしまうと、何でもマイナスに捉えられてしまう、ということなのだろうと思います。
 
「ともあれ、現状のまま、薬を飲みながら勤務を続けても、例えば通勤時に居眠り運転で交通事故、といった可能性もありますし……」
 
 ということで、「薬が必要なくなるまで休め」という話になりました。
 
 この日の段階では、一ヶ月の休職、という話だったのですが、翌日には
「一ヶ月後では運動会直前でかえって復帰後の負担が重くなりすぎる」
 ということで、三ヶ月の病休に変更。
 
 病院も、当初の
「次に行く時には校長も同席」
 という話から、
「できる限り早く予約を取るように」
 という話となり、電話をしたら
「先ほど職場の方からお電話がありました」
 
 手回しよすぎだろ。
 ……で、数日後には校長&妻が同席の上で診察を受けました。
 
 で、「うつ病のため休養を要す」の診断書を得て、翌日から病休。
 
 ……え、うつ病だったの?
 
 そして至る現在。
 
 なんかバタバタした文章で申し訳ないんですが、
 
校長&教頭から呼び出し。TTの態勢を取ることが決まる。
 ↓
その晩。休むよう妻に言われる
 ↓
翌日。指導主事から一ヶ月休むよう言われる
 ↓
さらに翌日。やっぱり三ヶ月になる。
 ↓
数日後。校長同席で診察&診断書をもらう
 ↓
翌日から病休
 
 の流れに一週間くらい。
 病院の予約がふさがっていたので、診断書をもらうまでが一番時間がかかったところです。
 
 びっくりするぐらい速やかに手続きが完了しました……っていうか、何の書類にも署名も捺印もしてないんですが、私。
 
 その間、校長から職員へのアナウンスは一切ないので、私から関係各方面(高学年部の先生とか、体育部の先生とか)にはこっそり連絡。
 子どもたちにも内緒。
 
 だから、子どもにとっては、担任が前日の午後休んだ(通院のため)と思ったら、次の日から学校に来ませんでした、みたいな状態。
 
 昨日は引き継ぎのため学校に行ったのですが、校長から
「子どもたちに挨拶していきますか?」
「……え……うう……いや、いいです……」
 
 ……なんか耐えられなかった。大丈夫か自分。
 
 ともあれ完全な休みに入るわけではなく、子どもたちのこれまでの成績処理は自宅でやるよう言われてる(無理ならいいから、とはいうものの)んですけど。
 
「ねえねえ、卒論ちゃん、休職するとお給料出ないよね? 今、使うあてのない年次有給休暇が30日以上あるから、先にそれを充てられないかな?」
「無理。診断書が出た翌日から病休じゃないと筋が通らないでしょ。でもなんか、病休だとちゃんと給与が出るらしいから大丈夫だよ」
 
 税金泥棒なう。
 
 ……あー、いや、一般論として
「病休に給与を支給すべきか」
 って聞かれたら答えはYesなんですけど。私としては。
 でも、自分がそれに値するのか、と聞かれると……どうなんだろう……。
 
 まあ、薬を飲まなきゃ仕事がつらくてやってられないし、さりとて薬を飲むと仕事にならないわけで。
 だから休むほかない、と言われればその通りなんですが……。
 
 ……なんか、色々申し訳ない気持ちで一杯なんですが……。
 
 ともあれ、現状報告でした。
 
 ちなみに、件の校長・妻同席の診察以来、薬の処方は、これまでの
 
 ドグマチール100mg 抑肝散エキス顆粒5g
 
 から、
 
 抑肝散エキス顆粒10g デパス1mg ジェイゾロフト50mg セロクエル25mg
 
 に変更……って、なんか原形をとどめてないんですが。
 どんな治療方針なんだか次回聞いてみます。
 
 効果は……となるとよくわかりません。
 
 それが、今この記事書くために自分の処方見直してみたら、デパスジェイゾロフトを規定の倍飲んでました。
(「どんだけドジッ子なんだ!」とは妻談)
 
 いやあの、今までのデルメ……じゃなくてドグマチールが一回2錠だったから、てっきり。
 通りで身動きとれないほど眠くなるわけだ。
 
 そんなわけで、診断書上は「うつ病」とは言っても、世間のうつ病患者よりずっと元気で申し訳ないのです。
 その上、世の中にはうつ病なんて言ったらリストラされちゃうような職場も多いのに、むしろ上の意向で90日の有給休暇とか何事だ、と。
 
 にもかかわらず、休んでる間にもブログ更新してくだらないこと書き散らしたりすると思いますが、どうか広い心でお許しいただければ、と思います。
 
 ……なんかあれだ、休む前にこっそり話した皆さんからは、
「K村先生はまじめだからね」
 ……って言われるんですが。
 
 私全然まじめじゃない……っていうか、むしろ手を抜きすぎて学級がうまくいってない面が大きいと思うんですけど。
 
*余談
 一方の妻ですが。
 
「奥さんが旦那さんに家事をやらせすぎだから精神的に追い詰められちゃんだよ!」
「早く帰って旦那さんに尽くしてあげなよ!」
 
 とか言われて教育委員会で大変だそうです。
 
「飲み会出るの禁止とか言われたー! 土日も遊び歩いちゃだめだって!」
「……いや……いいのにね……」
 
 休日は家でごろごろだらだらしている私と、友達と遊びに行ったりして留守がちな卒論ちゃん、という関係で今までちょうどいい距離感だったので、それをあえて変更されても。
 食事とかもそんなに手の込んだ物は作ってないですし。
 
 でも、この間私が携帯を忘れて出かけて買い物に行ったら(よくある)、連絡がつかないのを心配した卒論ちゃんが早めに帰ってきてしまったので、携帯は忘れずに持ち歩こうと思います。
 
 ……と思った矢先、引き継ぎに出かけた学校に携帯を忘れて、学年主任が家まで届けててくれるという体たらく。
 ……どんだけドジッ子なんだ。
 
 いやほら、薬を倍量飲んでたので頭がぼーっとして……どのみち自業自得ですかすみません。
 
*余談2
 奥さんは西洋医学を信頼していない人です。
 
 同席して診察を受けた後、奥さんだけでも医者と話をしたんですが、なんか怒ってました。
「話をするのにぜんぜんこっち見ないでパソコンやってる! あれはヤブに違いない!」
 って。
 
 ……まあ……ねえ……。
 
 ちなみに私は東洋医学を信頼していない人なので、抑肝散が全然効いた気がしない。
 
 弟には、
>脳の機能の不具合ではなく、悩み事であればカウンセリングがおすすめです
 と言われました。
 
 ……確かに、ストレスが一因とわかってるなら、薬物療法一辺倒である必要はないかもですよね……。
 むしろ投薬治療への期待が強すぎですか、自分。
 
卒論ちゃん「職場の人が、いいカウンセラーを知ってるっていうから紹介してもらうといいよ!」
K村「いや……それは……」
 
 そういう奥さんつながりで何かするのは……ちょっと……。
 
 っていうか、知らない人と会ってあれこれ話をするのは、今ちょっと負担なのでした。