不慮の自殺。

 だいぶ前、うつ病で休職している時、かつての鱶沢小学校の職員で集まって飲み会をしよう、と誘われた……ということを書いたと思います。
 
 うつのことに触れられたら嫌だけど、腫れ物に触るような扱いをされるのも嫌だ……などと贅沢なことを悩んでうだうだしていて、結局結果がどうだったか書かなかったわけですが。
 
 まあ、結論としては、出席した者の、ほとんどその件には触れられませんでした。
 
 というか、あの時は自分のことで手一杯でしたが、今にして思えば皆さんそれなりに悩みはあるし、中には状況的に私より大変な人もいたわけです。
 
 ……主に校長先生が。
 
 ええと、わりと几帳面な女の先生で、教育委員会の計画訪問を成功裏に乗り切った校長先生です。
 で、その翌年、私が転出するのと同じ年、市内の大きな学校の校長として異動になったのです。
 
 ところが。
 
 ご本人は割合お元気そうに見えましたが、学校は大変だったようです。
 
 教頭先生が自殺して。
 
 ……いや……それは……………………。
 
 ……先生が自殺するのって、子どもになんと説明して良いか言葉に困りますね……。
 
 で、私がそれを聞いて思ったのは、変な話ですが、
「自分も気をつけなきゃなあ……」
 でした。
 
 私は、そのお亡くなりになった教頭先生と一緒に仕事をしたことはないのですが、面識はありました。
 
 私が本県の教員として採用された最初の年、統合前の鱶沢小学校に赴任した時に、入れ替わりで転出された先生なのです。
 だから、引き継ぎなどで話をする機会はありました。
 
 明るい男の先生で、子ども達にも慕われているように感じたのですが……。
 
 その時の教頭が、
「もう何年もこの学校にいたから、本人の荷物だけで車が2台分くらいあるんだわ!」
 とか言っていたのが思い出されます。
 
 私物を持ち込むのって、問題もありますが、まあ、子ども達のためにあれこれ使ってるってことですから……。
 
 そんなわけで、立派な先輩の先生だ、という印象を持っていただけに、まさか自殺されるとは……。
 ちょっとショックでした。
 
 そしてそれは、私にとって意外だっただけでなく、あの時のあの先生だって、ほんの数年後に自分が自ら命を絶つなんて想像もしなかったのではないかな、と思います。*1
 
「気をつけないと」というのはそういうことで。
 人間、今は元気でも、うっかりするとちょっと未来はどうなっているかわからない。
 自殺ってもちろん自分でやることなんですけど、でもある意味事故みたいなもので、本人にとってもある日突然襲ってくるものでもあるのかも知れないな……と。
 
 ともあれ、これをお読みのみなさんも、ある日自ら死んでしまったりしないよう、どうかよく気をつけてください。
 

*1:……いや、それは私の勝手な想像で、明るく振る舞う一方で、内面的には長年にわたるものすごい葛藤があったのかも知れないですけど……。