植物に詳しい人は読んでも面白くないでしょうが。
「となりのトトロ」で、夜中にトトロたちがサツキとメイの花壇(?)にやって来るシーンがありますよね。
トトロたちが「ううー……ぶはあ!」と力を入れると、ドングリが次々に芽を出す、という。
ぴょこぴょこ音がして、かわいらしささえ感じさせます。
さて。
で、昨年秋の遠足の時、私も一年生達と一緒にドングリを拾って持ち帰り、なんとなく自宅でまいておきました。
……が、室内の暖かいところに置いておいたものの、一向に芽を出さず。
一方で、牛乳パック流用のプランターがあまりに見苦しくなってきたので、しかたなく冬のさなかに掘り出してみました。
すると。
「こ……これは!」
発根していました。
……いや、「発根」っていうとですね。
私には、学校で扱う、ダイズとかエンドウマメとか、アサガオとかアブラナの印象しかなかったんですよ。
あと、草むしりでむしる雑草の根っことか。
http://www.fukuoka-edu.ac.jp/~fukuhara/keitai/2-1.html
で、ドングリ。
なにこのやる気に満ちたたくましい根っこ。
拡大図。
茶色くて表面は樹皮っぽい。
芽吹いてさえいないのに、すでに「広葉樹の根」という風格。
一年草どもの白くてふにゃふにゃした軟弱な根とは気合いが違いますよー。
とりあえず、水のやりすぎで腐ったとかいうわけではないようだったので、あわてて100円ショップでプランターを買ってきて植え替え。
春になると続々と芽を出しました。
「春だー! 光だー!」
「おい、ここ狭いよ! 植え替えてくれよ!」
ちなみに、下の方でちょこちょこ顔を出している緑の小さいのは、スーパーで1パック100円で買ったギンナンが芽を出したやつ。
「もやしもん」を読んでギンナンが食べたくなったものの、食べ残して放置したら乾燥して食べられなくなってしまい。
……それでも発芽するんだからな……。
多年草って、成長速度が遅いイメージがあったんですが。
(観葉植物とか、大して伸びないし)
発芽するや、毎日目に見えて伸びていくのが、なんかただならぬ気迫を感じさせます。
「あ? かわいい? 言っとくけど俺、あんたの倍は長生きするつもりだぜ?」
「そのころには辺り一面雑木林だ!」
で、またしても植え替えたら、さすがにしばらく成長が止まってしまったんですが、それでも枯れたりはせず。
今はこんな感じ。
「名付けられたー♪ 葉なのだからー♪」
ううむ。
それにしてもこれ、どう見ても「苗木」ですよね。
絶対、「盆栽」には見えない。
なんで盆栽に価値があるのか、なんとなく分かった気がします。
ただの小さい木じゃなかったんだなあ。
まあ、盆栽にしたいとは思わないんですが。
伸びられるだけ伸ばしてやりたいし。
さすがにこれ以上大きな鉢には植え替えられないので、そのうち、学校の裏山にでも植えてこようかと思っています。
ちなみに、写真に写っている、パーティクルボードみたいな植木鉢。
そのまま土に埋めると土に返る鉢です。
(4個100円で買った)
鉢ごと土に埋めれば良いので、根を傷めずに植え替えができるわけですね。
……しかし。
「かもすぞー」
なんか、すでに土に返り始めているような気が……。
ともあれ。
メイが、
「まだ出ない」「まだ芽が出ない」
と毎日畑をにらんでいる場面。
この時、ドングリは決して眠っているわけではなく、土の中でにょきにょき根を伸ばしていたのだな、と感じたことでした。*1
*1: ちなみに、トトロがくれたドングリがあの時期に芽を出すのはおかしいのでは、という指摘もあるのだとか。
してみると、やはりあの晩の出来事は、
「夢だけど、夢じゃなかった」
のかも。