今日は都知事選挙の日ですね。
……いや、私は都民じゃないんで直接は関係ないんですけどもね?
えーと、よく、
「知り合いを6人たどれば世界中の誰かにたどり着く」
なんて言いますね。
参考:Wikipedia「六次の隔たり」
私の学校の教務主任の知り合いの知り合いにジャーナリストがいて、その人が教育再生会議のメンバーと割と顔見知りなんだとか。
で、教育再生会議の議論が
「いかに教員を統制するか」
「いかに問題教員を排除するか」
に偏っていることに疑問を持った教務主任の知り合いが、そのジャーナリストを通じて再生会議の人に尋ねたんだそうです。
「大多数の教員は真面目に子どもたちと向き合って精一杯がんばっているのに、なぜああも教員全体を疑ってかかるような議論になるのか」
と。
すると答えはこうだったそうです。
「それはわかるんだけど……。 ただ、東京に来てみればわかるぞ」
なんか、東京には問題教員が多い、というような答えだったそうです。*1
ジャーナリストは尋ねました。
「ふうん? しかし、なんでそんなことになるのかね?」
再生会議の人は答えました。
「だって、君なら今の東京で教員になりたいと思うかね?」
各都道府県の教員採用試験の倍率を見てみましょう。
平成18年度公立学校教員採用選考試験の実施状況について 第2表 各県別受験者数,採用者数,競争率(文科省)
全国平均:7.6倍
東京都 :4.5倍
つまり、教員志望者の相当数が、東京を敬遠して他県の採用試験を受験するため、東京の倍率が下がっているのではないか。
この結果、東京の教員全体の水準が下がっているのではないか、というわけです。*2
まあ、全体として
「大都市圏で低く地方で高い」
傾向にあるわけですから、一概に都政の責任にすることもできませんが。
……ただ、さっきのジャーナリストの話を聞いて、教務主任と私、
「K村先生は、東京で教師になりたいかい?」
「……なりたくないですねえ」
「俺もやだなあ」
「東京で教員になるくらいだったら、もう一度北海道に行った方がずっといいですよ」*3
まあ、私たち、郷土愛にあふれていますので。
……いますので、職員会議で採決をとることが禁止されていたり、愛国心が足りないとかで次々教員が首を切られたりするような土地に行くのはちょっと……。*4
ともあれ、魅力的な職場には優秀な人材が集まる、というのが真理だと思うのです。
ですから、都知事が誰になるにせよ、東京の教育行政が、教師一人一人が誇りと責任感を持って教育に当たれるよう環境を整えてくれるよう願っています。
……いや、私は都民じゃないんで直接は関係ないんですけどもね?
でも、東京の教育って、実は間接的には日本全体の教育にすごく関係があるんじゃないかと。
なんか今、全国的な統計とか顧みずに、身近な経験を元に教育改革の議論を進めてそうな人達が日本の中枢にいるので。
都知事選の結果を注視したいと思います。
……でもまあ、石原氏になるんだろうねえ……。