トイレに潜む恐怖。

お食事中の方はご遠慮下さい。一応。
 
少し前の話。
 
学校のトイレの個室に入っていると、外で子どもの足音。
 
なんとなく、息を潜めてしまいます。
 
「……あれ、だれか入ってる」
 
気づきやがった。
 
「おーい、だれだー!」
 
誰でもいいだろう。
 
「だれが入ってるんだー!」
 
挙げ句に、外から個室のドアをばんばん叩いたり。
 
出てきた私の顔を見たその子の動揺した顔が忘れられません。
 
女性の方にはピンと来ないかも知れませんが、トイレで用を足す時、「大」は「小」よりずっと頻度が低いわけで。
なので、男子用トイレでは、個室に誰か入っていること自体が珍しいのです。 
 
だからって、いちいち誰が入ってるか追求されるいわれはありませんが。
 
先日など、黙ってたらいきなりよじ登って上からのぞかれました。
 
学校の怪談ですか?
 
のぞき込んだ彼の怯えた表情が忘れられません。
 
いや、立場が逆なんじゃ。
 
なんでも、こういうの(怪談じゃなくて)が元で学校のトイレの個室に入れなくなり、大変なことになった子も世の中にはいるそうで、笑い事ではありません。
 
いや、怪談が元でトイレに行けなくなる子もいるけどさ。
 
……「トイレの花子さん」がメジャーになった一方、男子トイレの「太郎君」があんまり話題にならないのは、やっぱり男子トイレの個室は住みづらいからだろうなあ……。