いろんな異文化体験。

http://d.hatena.ne.jp/filinion/20070209
の続き。
 
虚実市のALTが、ボランティアの英会話教室を教会で開く、というので、行ってみました。
(すでに2回行っています)
 
行ってみると、看板には
「保守バプテスト教会
って書いてありました。
 
K村「よし、勝ったー!」 
 
別に勝ってませんが。
 
初回は、私、M先生、英語指導員*1だけ、という、鱶沢小で見慣れたメンバーでしたが、二回目は、市内の中学校の先生や、教区のブラジル系の人など、多様な顔ぶれが大幅に増えていました。
 
内容としてはわりと雑談っぽい感じ(与えられたテーマに沿って何か英語で話すことを考えてくる)でした。
 
牧師さんの奥さんがクッキーを焼いてくれたり、なかなかアットホームな雰囲気。
 
終わる頃に牧師さんも顔を出して、
「今度、ゴスペルコンサートを開くんですよ。東京からプロのゴスペル歌手も呼ぶんです。入場料は無料なのでぜひ」
なんて言って、手製とおぼしきパンフレットを配ったり。
 
牧師「子どもたちから何か深いことを質問されて、困るようなことはありませんか?」
M「あー、この間、『どうして人を殺してはいけないのか』みたいなことを話していて、答えを出すのが難しいな、って思ったことはありました」
牧師「そうですよね、そういうのはなかなか答えるのが難しい質問ですよね。
やはり、子どもたちを教える、というのは、『いかに教えるか』という、技術的なことだけではなくて、教える側が精神的に成長して、自分の中にしっかりとしたものを持っていることが大切だと思うんですね」

わたしたちの主イエス・キリストの名によって、あなたがたに勧める。みな語ることを一つにし、お互の間に分争がないようにし、同じ心、同じ思いになって、堅く結び合ってほしい。
(コリント人への第一の手紙 第一章第十節(抜粋))

いや、牧師さん自身は、「それは神だ」「聖書だ」「信仰だ」とは言わなかったんですけどね。
 
でも、「なぜ自殺は悪なのか」「なぜ殺人は悪なのか」……といった問題に確かな「答え」が必要だ……となったら、牧師さん的には聖書以外の結論はないんじゃないですか?
 
……と思いましたが、そんな思いはおくびにも出さず、にこやかに歓談する私。
 
K村「そういえば、星野富弘さんもクリスチャンでしたね」
牧師「ああ、彼は私たちと同じ信仰を持った方なんですよ。奥さんが……というか、後に奥さんになる方が、私たちと同じ信仰を持っていたんです」
 
などと。
 
で、そうこうする中で、
 
牧師「あの、ALTのトム(仮名)も、私たちと同じ信仰を持っているんですよ」
 
なんだってー。
 
牧師「来日した本当の理由も、宣教のためなんです」
 
なんだってー。
 
……いや、私も、「なんで会場が教会なのかな」という疑問は抱かなかったわけではないんですが。
でも、アメリカ人だし、来日してからも地域の教会に日常的に顔を出してて、それで個人的に親しくなったのかなー、とか思ったんですが。
 
もっと深いつながりがあったのか。
 
まあ、これは牧師さんがそう言った、ってだけで、本当のところはわかりません。
トムが牧師さんにはそう言った、というだけかも知れないし、牧師さんが勝手にそう言っただけかもしれないし、あるいは全て事実なのかも知れませんが。(猜疑心)
 
で、帰り道。
 
M「ねえK村先生ー」
私「はい?」
M「日曜日、行きましょうよー」
私「……どこへ?」
M「青年の集い」
私「は?」
 
牧師さんによれば、毎週日曜日、地域の方が礼拝堂に集まる会があるんだそうです。
「外国からいらした方も多いんですよ。英語というのは、やはりたくさん使う環境に行くことが大切ですから、おいでになれば勉強になると思いますよ」
……なんて言われたんですが。
 
私「いいですかM先生? 今日我々は、英語を習いに教会に来たわけです」
M「はい」
私「しかし、日曜日の『青年の集い』ってのは、英語のための集会じゃなくて、明らかにクリスチャンの集まりですよ? ……牧師さんはそう言ってなかったけど」
M「はい」
私「先生はそんなにバプテストに改宗したいんですか? それは別に止めませんが」
M「いえ、全然」
私「じゃあなんで行くんですか」
M「だって、牧師さんあんなに親切に話してくれたし、悪いじゃないですかー」
私「だって、牧師さんは私たちを改宗させるつもりなんだから、そりゃあ親切に決まってますよ。純粋な親切じゃない……っていうか、まあある意味純粋な親切なんでしょうけど」
 
いわゆる「愛情」と「教育的愛情」の違いみたいなもんでしょうか。
「宗教的親切」。
 
M「じゃあ、ゴスペルコンサートだけでも行きましょうよー」
私「いや……。私も、ゴスペルそのものはちょっと魅力を感じるんですが……。でも、ゴスペルコンサートに行ったら、今度はまた別の何かに誘われると思いますよ。
それで、
 
英会話教室

ゴスペルコンサート

青年の集い

ミサ

(略)

洗礼
 
……って流れになるのが目に見えてるじゃないですか」
 
ビリーフシステムの再構築。
 
私「英会話教室で踏みとどまるのが賢明ですよ」
M「でも、なんて理由付けて断ればいいですか?」
私「そんなのなんでもいいじゃないですか。っていうか、私が牧師さんに誘われた時
『残念ながら日曜は子どもたちの音楽発表会があるんですよ』
……って言ったら、
『あ、でも青年の集いは朝からで、発表会は午後からだから……』
とか余計なことを言ってくれましたねM先生。改宗するなら一人でして欲しいんですが」
M「いや全然」
私「M先生、絶対キャッチセールスとかひっかかりやすい人だと思いますよ……」
M「あ、うち、家族全員ひっかかってるんです」
 
それはある意味貴重だ。
 
K村家の真逆かも。
 
……と、子どもたちの音楽発表会に行かねばならないので、このへんで。

*1:市が手配した、ボランティアの英語講師