宣教活動。

英会話、N社(……って言ってももうバレバレだけど)もそうですが、教会でALTがボランティアで教えてくれる方もほぼ毎週参加しています。
 
国際色豊かな面々がそろってなかなか楽しいです。
 
韓国人のお嬢さん、Yさんとか、カンボジア人のお嬢さん、Zさんとか、えーとたしか日系アメリカ人のWさんと、その奥さんで確か中国系ブラジル人のSさんとか……。
 
豊かすぎて覚えられないんですがどうですか。
ちなみにイニシャルは嘘。
……ていうか、Zさんの名前、覚える以前にイニシャルが何なのかさえ聞き取れないんですが。(クメール語
 
しかしながら、ALTを含め、どうも本気でみんなクリスチャンであるらしく。
 
先日は、
「あなたにとって価値があると思える物は何か」
とかいうテーマについて述べ合ったんですが。
 
「教員としてのスキルを高めることかなあ。 ……あと、卒論が大切」
とか言った私に対して、周囲の人達は
「神の栄光を高めることと、家族との絆」
「神の思し召しに従うことと、友人たち」
とか答えてたのでちょっとブルーになりました。
 
国際色は豊かだけど宗教色はほぼ一色。
私一人で宗教色を豊かにしております。
 
ちなみに私は無神論者。
……あんまり豊かになってませんか?
 
しかしこうなると、やっぱり以前にも書いた
「“日曜日の集まり”や、ゴスペルコンサートのお誘い、さらにはこの英会話教室自体が布教のためのものなのではないか」
……という私の考えは正しかったように思われます。
 
……で、先日行ってきました。
 
つまりゴスペルコンサート。
 
……いや、だってね? 卒論が行きたいって言ったんですよ。 しかたないじゃないですか!(逆ギレ)
 
まあ、卒論にも事情はきちんと説明した上で、それでもゴスペルに興味がある、ってことだったので……。
 
いざ行ってみると、なかなか盛況でした。
どこかの公民館に身内がちらほら集まるような、いわば「田舎の市民音楽会」的なものを想像していたんですが、とんでもない。
階段状に座席が並んだ大きめのホールがほぼ満席。
予想の3倍くらい人がいました。
 
で、ゴスペルそのものはアメリカ発祥ですから、当然歌詞は英語なのですが、ステージの上に大きなスクリーンがあって、そこに英語歌詞と日本語の対訳が表示されるという。
なかなか親切ですね。
 
耳で歌詞を聴いて目で英文を読んで、日本語訳を聞いて確認できるわけで、英語学習中の私にとっては大変ありがたい配慮でした。
(洋楽の歌詞を聴いて意味をとるなんて私には無理なんですが、リフレインの多い歌が多いので)

The Lord has brought me through my sorrows.
When I failed Him He didn't cast me away.
He stood right by me throught all of my troubles.

主によって悲しみの全てを切り抜けられた
私が主をあきらめたとき 主は私を見捨てなかった
困っていた間じゅう、主は私のそばに立っていてくれた

……考えてみれば当然ながら、ゴスペルってつまり賛美歌なんですよね。
「賛美歌」と聞いて想像するような荘厳なメロディーではないけれど、歌詞は直球。
 
曲の合間に、司会の人が、ゴスペルの由来について色々話をしてくれたりもします。
なかなか親切ですね。
(かすかに変わった言葉遣いをする人だな、と思っていたら、日系アメリカ人の方でした) 
 
途中に、いかにもアングロサクソンな外見の金髪姉妹が三味線を抱えて出てきて、三味線を演奏しました。
司会が、たどたどしい英語で
「What's your name?」
と聞くと、あっさり日本語で答える、という笑わせどころもあり。
 
日本生まれの日本育ちで、長女は今は中学生なんだそうです。
 
三味線でゴスペルを歌うのかと思ったら、純粋に和風の三味線の演奏だけでした。
 
……純粋に三味線の演奏だけだけど、頭上のスクリーンには延々聖書からの引用が流れ続けていました。
 
えーっと。
なかなか親切ですね。
 
司会の方の話、最初は、
「ゴスペルというのは、アメリカに連れてこられた黒人たちの音楽が始まりなんですよ」
……といった感じだったんですが、徐々に本題に入って行ってですね。
「“ゴスペル”というのは、“良い知らせ”という意味で、これは、私たちの主であるイエス・キリストの……」
 
……いや、別にキリスト教を信仰したい人はしたらいいと思うんですよ?
ただ、本来自分たちの信仰を持っていたはずの黒人奴隷たちが、キリスト教に救いを求める姿って、クリスチャンの方から見れば美しいんでしょうが、私はなんか悲しいものを感じます。
当時のキリスト教会、奴隷制に肯定的だったよ?
 
……まあ、過去の歴史においては、大きな宗教は体制寄りなのが常だと思うので、キリスト教会ばかりを責めるわけにもいきませんが。(まして、イエスを責めるわけにはもっといかない)

だから俺は言ったのさ
グッドバイ、大統領。
政府に反逆しなければ
良い宗教は作れない。
(カートヴォネガット「猫のゆりかご」より。ボコノン教の教祖、ボコノンの言)

そしてさらに、途中に「あかし」というプログラムが入ります。
これが何かというと、つまり
「私はかつて〜〜という苦しみを受けていましたが、信仰の道にはいることで救われました」
という体験談。
 
一つ十何分とかかかるので結構長い。
しかも中身が結構重い。
 
その上、一つではなくいくつも。
 
ちなみに、例の司会者も「苦しんでいたが神に救われた」人の一人だったりします。
 
えーっと。
 
事前にもらった勧誘のパンフレット、何種類かあって。
しかしそのどれもが、開始時刻はちゃんと書いてあるのに、どこにもプログラムが載ってなかったのです。
ちょっと不思議に思ってたんですが、つまりこういうわけですか。
 
当日もらったパンフレットにはプログラムが載ってるけど、全部英文だし。
 
「We Are United」(曲名)
とか
「Redeemed」(曲名)
とかに混じって
「TESTIMONY」(「証言」。つまり「あかし」)
が混じってたって、よもや信仰告白タイムだとは思わぬですよ。
 
なかなか親切ですね。
 
でまあ、大量の聖書パンフレットをもらいました。
 
とはいえ、基本的には、
「我々はこのような活動をしています」
「もしも悩みがあったら、いつでも教会の扉を叩いてください」
的なメッセージが主でした。
 
「別に、キャッチセールスみたいに無理に勧誘されたりはしないね」
「公共の施設でそんなことしたら大問題だろうけど……。悩んだ時に教会のことを思い出してくれれば、的なことなんだろうね」
……などと、卒論と話し合ったことでした。
 
スクリーンには、何度も何度も教会の住所と電話番号が表示されてました。
なかなか親切ですね。
 
「下の階に、無料の軽食を用意しています。少し詳しい話を聞きたい、とお感じになった方、遠慮なく足をお運びください」
も、何度も表示されていました。
 
「どうする?」
「んー、ちょっとのぞいてみようか。無料らしいし」
催眠商法とかに引っかかりやすいタイプ)
 
行ってみると、コーヒー・紅茶に加え、手作りのパウンドケーキ(何種類かありました)が食べ放題飲み放題。
無料で。
 
なかなか親切ですね。
 
で、「軽食」だって言われてるのにがつがつ大量に食べてきました。
そして、英会話教室で見知った人を何人も発見。
それもスタッフ章つけて。
 
………………。
 
まあ、大変刺激的で面白い体験でした。
 
いろいろあれこれあったにせよ(「あかし」を合計45分くらい聞かされるのは正直つらかった)、音楽的には素晴らしい物だった、という点では卒論と意見が一致しましたし。
「軽食」もおいしかったし。 
 
これで無料なんだから、文句言ったらそれこそバチがあたりましょう。
興味がおありの方、もしお近くで開催される折は、是非足をお運びください。