ウィリアム・テル。

生活科の学習で、「秋祭り」をやりました。
 
様々な出し物を企画して、一年生に見てもらいます。
 
「みんな、それでなにをやりたい?」
「わなげ!」
「魚つりゲーム!」
 
妥当な線ですね。
 
「バッティングセンター!」
 
……俺は野球は嫌いだよ。
 
「おばけやしき!」
「あ、それがいい!」
 
……うわあー。
 
お化け屋敷。
子どもにイベントの計画をさせると、必ずと言っていいほど出てくる企画です。
 
しかし、これほど作るのが面倒で、子どもの手でちゃんとやるのが難しい物もなく。
 
……「子どもが不満を抱かないように、多数決の結果を誘導する技術」って、ないもんかな……。
(まあ、プランの見通しを立てずに多数決を取るのが問題だとか、そもそも低学年に、見通しを立てた上で計画することを求めるのが無理だとか、意見はあると思いますが……)
 
どのみち、(お化け屋敷以外は)それほど手間のかかる物ではないので、各自、自分がやりたいものに取り組み、2年生同士でも遊ぶことにしました。
 
ダーツをやることにしたA男。
 
割り箸に羽根をつけ、先端に画びょうをつけて、矢を作ります。
的は段ボールで作りました。
 
「できた!」
「うん、がんばったね」
「せんせい、ためしになげるから、まとをもっててください」
「俺を殺す気か!」
 
試しに投げてみたところ、至近距離から投げても、段ボールには刺さらないことが判明。
……的は黒板に張りました。
 
そもそも、至近距離から投げないと、矢がまっすぐ飛ばないのです。
 
この「ダーツゲーム」は、「楽しい工作全集(仮名)」を元にして作ったんですが……。
こういう工作の本って、どの本のどの工作も、いかにももっともらしく書いてあるけど、実際作ってみると不可能な物も数多く。
 
私も、自分が小学生の時、夏休みの自由工作で煮え湯を飲まされた経験が。
作例の写真まで載ってるのに、上手く動かないんだもんな……。
 
ともあれ、ダーツはうまくいかなかったので、代わりに吹き矢を作ってはどうかと提案しました。
 
と言ってもほとんど作る物はなくて。
園芸の支柱用らしき、プラスチックの細長いパイプが何本もあったので、その中に、色水に浸した綿棒を入れ、吹き飛ばします。
 
パイプが、一メートル強と長めだったこともあり、かなりの勢いで飛んでいきます。
綿棒は柔らかいとはいえ、人に向けて飛ばすのは危険です。
担任に的を持たせるのはやめた方がいいでしょう。
 
そんなこんなで準備は整い。
 
迎えた一年生も(そして二年生も)、楽しい時間を過ごすことができました。
 
ちなみにお化け屋敷。
 
一年生の感想は、
「楽しかった!」
 
……だそうです。
 
何度も何度も入っていました。
 
子どもは、薄暗いトンネルの中をくぐるだけでも、十分楽しいのかも知れません。