旅慣れた養護教諭。

6年担任から聞いた話。
 
6担「この間さ、うちのクラスの子が、『保健室の先生っていいですね』って言うんだ」
2担「なんでですか?」
6担「『宿泊学習と修学旅行両方行けるから』って言うんだ」
2担「ああー……。なるほど」
 
本校では、4・5年生には少年自然の家でカレーを作ったりオリエンテーリングをしたりする「宿泊学習」があり、6年生には、自分たちで現地の情報を集め、班ごとに自由行動の計画を立てて臨む「修学旅行」があります。
2つの宿泊行事があるのです。
 
養護教諭はその両方に参加するわけで。
 
なるほどそういう意味ではうらやましいかも知れませんが。
 
6担「馬ッ鹿だよなー、あいつら」
2担「はは……」
 
宿泊行事は子どもにとっては楽しみな行事で、低学年にとっては羨望の的ですが。
しかし職員は、なにしろよその家の子を何十人も預かって泊まりに出かけるわけで、事前準備や当日の子どもたちへの目配り、心構えに至るまで、その精神的にしんどいことといったら相当なものです。
 
自分で食べるために好きな料理を作るのと、親族の集まりの席に出す料理を作るのくらいの違いがあると思います。たぶん。
 
もちろん、普段と違った子どもの様子が見られるのは楽しいものではありますが、養護教諭がうらやましいと思うようなものではないですね。
日程的にも接近しているし、大変だなあ、と。
 
しかし、「バカだなあ」と言いつつ、6年担任は楽しそう。
 
まあ、それだけ子どもたちが旅行を楽しんだ、ということですから、下見から実施計画作りまでやった側としては喜びもあるのでしょう。
 
……え?
職員旅行?
 
……あれはもうやらなくていいと思います。