「個人授業 〜(サブタイトル削除)〜」

隣のクラスに知的に問題のある子がいる、と前に書きました。
 
で、とある病院に何度か通って、専門家の検査を受けていたのですが。
 
養護「それが、この間、もううちじゃ対応できないから児童相談所に行ってくれ、って言われてさ……。児童相談所ならタダだから、って」
K村「なんでまた?」
養護「それがね、来た時、健康保険証を出さないんだって」
K村「うーん、確かに、今は、『今度持ってきます』じゃ済まない病院が多いって聞きますけど……」
養護「そうじゃなくて。 その時手元に5000円しかない、って言うから、今度来た時でいいですよ、ってことで、病院は一円も受け取らなかったんだって。 ところが、その次に来た時もそのまた次の時も、やっぱり『忘れました』で、保険証を持ってこないんだって」
K村「じゃあ、今まで病院に一円も払わないで、検査3回も受けてるんですか?」
養護「そう。 で、その話を聞いて、あたしが役場に確認してみたら、あのお母さん保険料滞納してて、保険証が失効してるんだって」
K村「……じゃあ、『忘れました』ってのは嘘?」
養護「そう! それで、パートの収入があるから、毎週少しずつ払います、って病院に約束したのに、いっぺんも払いに行ってないんだって」
K村「……それじゃあ、病院も怒りますわな……」
養護「よく今まで我慢したと思うわよ」
K村「母子家庭なんですよね? 生活保護とか?」
養護「保護認定を受けているから、保険料を納めても、あとで全額還付されることになってるんだけど、納めてないんだわね」
K村「なんでまた……」
養護「さあ?」
 
結局、養護教諭が役場に問い合わせたところ、母子家庭を専門に担当する部局があって、数日で保険証が使えることになりました。
 
養護「ほんと、あのお母さんも検査受けた方がいいんじゃないかと思うわよ……」
 
このお母さん、「病院の検査の予約をとってあります(嘘)」「仕事が忙しくて行けません(嘘)」とか、いろいろ前科があり。
ただでさえ子どもの対応が大変なのに保護者も大変で、担任のH教諭もかなり神経をすり減らしているわけですが。
 
……寸借詐欺はまずいだろう。
 
教頭「でも、子どもの面倒をみてくれているだけマシなのよー」
養護「そうですねえ。育児放棄されちゃうと、学校としてできることはもっと限られるから……」
 
マシな部類なのかこれが。
 
養護「で、病院で、『個別に指導が必要です』って言われたんですけど、お母さんは抵抗があるみたいで……」
教頭「うーん、でも、みんなと同じ活動は全くできないわけだし、みんなと違う活動をしていると、周囲の児童も集中できないし、なにより本人が集中できないし……」
 
うわ、やっぱり別室モードの話をしてるよ。
 
でもたぶん、本校の場合、非常勤講師と二人で別室、ということにはならないと思います。
 
……いや、男の子なんですけど、算数の時間、講師(20代前半の女性)のおしりをさわるとか手にキスするとかいう前科があって……。
 
H教諭「いや、今日びっくりしたよ。A児、ノートに『〜〜先生のくちびる』とか描いて、それにキスしてるの!」
教頭「えー」
講師「いや、でも、いつものことなんですよ。なんか、教えてるとあちこちさわるし……」
H教諭「むしろ、それで先生が驚かないことにもっと驚いたんだけどね」
養護「お母さんがあんまりかまってくれないから、そういうのに飢えてるんでしょうかね?」
教頭「でも、そう言う時はきっぱりやめさせないとダメよ。他の子にそんなことしたら、本人にとっても大問題になっちゃうんだから」
H教諭「なんでしょう、口唇期?」*1
教頭「知的に遅れがある子でも、なんだか、そういうのに限って他の子より早かったりするのよ。気をつけないとだめ」
 
えーと。
個別指導には配慮が必要だ、というお話でした。
 
*本記事の内容について、誤解を招き差別を引き起こしかねない表現がある旨、fivefogsさんからご指摘を頂きました。
詳細についてはコメント欄をご覧下さい。
記事内容についてお詫びすると共に、問題の発言はその場の文脈の中では差別的な意味合いを伴ったものではなく、責任は記事を掲載した筆者にある旨、ご理解頂ければと思います。

*1:フロイト説による人間の発達段階の一つ。
唇から快感を得る時期で、生後一年半くらいまでの乳児期にあたる。
しかし私は精神分析学など認めません。