哀悼。

ここ数日で、ものみの塔関連でここにおいでの方が何人もいらっしゃるようなんですが……。
申し訳ありませんが、8月11日の日記(http://d.hatena.ne.jp/filinion/20050811)は、日本では合法的な実在の宗教法人、「ものみの塔」とは全く無関係なドキュメントです。ご了承下さい。
 
……無関係ですよね?
 
えーと、今日張り切って買い物に出かけたら、あちこちの店が休業でちょっとがっかり。
 
まあ、出かける前によく時期を考えろという話で。
つい、自分の家にはあまり関係がないので忘れてしまうんですが、それも日本人(それも教員)としてどうか。一日早いとはいえ。
 
なにぶん今年で60周年ですから、世間の扱いも大きいのですね。
私の祖父は二人ともなんとか生きて帰ってきたわけですが。
 
さて、時候ネタもかましたところで。
 
買い物も不調で、戦没者の英霊に哀悼の意を表しつつ失意の帰宅をする途中、ふっと道の脇の田んぼを見ると、青々と茂った稲の中になにやらうすだいだい*1の物体がいくつも。

「あれは……生首!?」
 
そう、それは生首でした。
マネキンの頭部とおぼしき物体が、棒に刺して、あぜ道の角ごとに立ててあるのです。
青い稲の穂が風に揺れる中、十数個の串刺しにされた生首がじっとあらぬ方向を見つめています。
 
「一体なぜ……」
 
思えば、畑にカラスの死体をぶらさげておくとカラスが寄りつかなくなった、と、畑正憲氏が書いています。偽のカラスの死体も、ホームセンターなどで売っています。
してみると、これは人間を寄りつかなくさせるためのものではないでしょうか。
 
つまり、斃した敵の首を晒すことで、「この土地に侵入する者はこうなる」という警告をしているのです。
 
モデルになったのはインディアンの風習か? などと一瞬思いましたが、いやいやとんでもない、それは人種差別です。
アメリカ先住民が、白人の頭の皮をはぐ、とはよく言われることですが、あれは本来の彼らの風習ではないのだそうです。
あれは報復なのです。
 
アメリカの開拓時代、「良いインディアン」には賞金が掛けられました。
そして、インディアンを殺した証拠として使われたのが、頭の皮だったのです。
男ならいくら、女ならいくら、子どもならいくら、と、値段も決まっており。
 
その報復として、先住民たちも殺した白人の頭の皮をはぐようになったのです。
 
してみると、モデルになったのは……?
 
はっ!
そうか、また今の時期を忘れていた!
 
あれは反戦平和運動の一環に違いありません。
そう、ベトナムです。
 
ベトコン(及び、その疑いを掛けられた一般人)の生首がごろごろと並ぶ米軍占領地……。
 
何も米軍が悪なのではなく、それが戦争の狂気なのであり、これこそ我々がなんとしてもこの地上から……
 
……それにしても、あれ、マネキンの頭部だけどこかから買ってきたんでしょうか?

*1:「はだ色」という表現は、人種差別的である(あの色が肌の色だとすると、黒人は肌色ではない肌の色をしていることになる)ので、近年の絵の具・色鉛筆等では「うすだいだい」と表示してあります。