研修覚え書き(児童生徒指導)

 先日受けた研修について、忘れないうちに内容をまとめておきます。
 
 児童生徒指導について、ということで、スクールカウンセラーの方から、主に不登校の子への対応についてお話を伺いました。
 
 不登校の原因については、二つの見解があります。
 
 だいたい、以下のような議論になります。
 
A:他の子はみな問題なく登校している。学校側の対応に問題はない。
B:それは「問題のない子には問題がない」と言っているだけだ。どの子も適応できる学級を作るのが学校の責任だ。
A:本人にも、特にいじめなどの問題はない。本人に聞いても周囲の子どもから聞いても重大な問題はない。些細なトラブルから本人が重大なショックを受けているだけだ。
B:それは学校の調査が不十分なだけで、実際にはいじめなどがあるに違いない。
A:何を根拠に。
B:不登校そのものが根拠だ。
A:周囲の子に問題はない。
B:それでは本人に問題があるというのか。学校が十分に責任を果たさずに、子どもや親に責任を押しつけるのは卑劣だ。
A:無理に登校させたり、登校を強く勧めることは逆効果になる。家庭で何とかしてほしい。
B:それは責任逃れだ。
A:何にせよ家庭の協力は不可欠だが、保護者の協力が十分でない。
B:責任逃れだ。
 
 ……果てしない水掛け論になります。
 
 要するに、学校が悪いのか本人(それと家庭)が悪いのか、ということです。
 「『お前に責任がある』と言うのは言いづらい」という思いと、「本人も性格的におかしいし、家庭にも問題がある」という思いがぶつかりあうわけです。
 
 基本的に、いじめなどがあった時、「いじめられる方にも問題がある」とは絶対に言ってはいけないことになっているのが、(学校側からすると)事態をややこしくしています。
 
 さて、今回の講師の先生は。
 
不登校の子は人間関係をうまく構築できていないんですから、本人に問題があるのは明らかです」
 
 ぐはっ。
 
「子どもの性格形成のモデルは親ですから、保護者にも問題があります。
 不登校の子どもの家庭環境は大抵ぐちゃぐちゃだしそれは当たり前なんです」
 
 ぐはあ。
 
「しかし、家庭環境がぐちゃぐちゃで学校でうまくいっている子は、『家に帰りたくない』と言うんです。
 『学校に行きたくない』と言われる以上、学校に問題があるのは明白です」
 
 ぎゃー。
 三者撫で斬り。まさに快刀乱麻を断つ。
 
「で、先生方の立場からすると、一番改善しやすいのは学校環境でしょうね」
「普通の子は、中学校くらいになると教師よりも友達関係から大きな影響を受けます。
 しかし、不登校の子は人格が未熟で友達関係を構築できないので、教師の関わりが重要なんです」
 
 ……と、そこからはやっぱり学校の対応へと話を持って行くわけで。
 つまり、子どもや家庭に問題はあるに決まってるので、そこをうだうだ文句言っても始まらないんだと。
 
「こういう子にとっては学校と保護者しか世界がないんですから、保護者の方の意識を変えてもらって、協力してやっていくのは当然必要なことになります。
 ただ、保護者ももうぐちゃぐちゃで、援助資源にならない場合もあります。そういう場合は学校独力で何とかするしかない。そうなるとものすごいマンパワーが必要になります。
 昔いた学校でも、お母さんがうつ病で全然助けにならないことがありました。
 個別懇談で学校に来ても、
『先生……ここはいい学校だと思います。 ……あの松の木から電磁波を感じます』とか言ってるんです」
 
 それはたぶんうつ病じゃないんじゃないですか。
 
 ともあれ、その他、周囲の子どもから成る支援グループを構築し、どう運用するか、といった話など、聞いてて気分がいいだけではなく実践的な点からも大変良い研修でした。