春の味覚を満喫。

新しいクレジットカード、ちゃんと届きました。
今月分の請求も、どうやらなんとか払えそうな金額です。
 
助かった!
これでもうひもじい思いをしなくてすむ!
 
いやはや。
ここまで窮乏するのは予想外でした。
 
なんか、三ヶ月に一度の水道代支払いとか、年に一度の育英会奨学金の返還とかが重なって、一時は携帯電話がお客様のご都合により使えなくなっておりますな事態に。
 
もう青椒牛肉絲(チンジャオロースー)はたくさんだよ!
 
……いや、なんで青椒牛肉絲かといいますと。
 
前に別な料理でピーマンを使って、案の定余って。
ピーマンを使う料理、ということで思いついたのが青椒牛肉絲。
それでタケノコの水煮を買って。
 
で、次の日学校に行ったら、
 
「ほらこれ、K村先生も持って行きなー」
「……これは?」
「うちの裏山で掘った竹の子」
「……こんなにたくさん?」
「心配しなくても、もうあく抜きしてあっからすぐ食べられっから大丈夫だー」
 
そういう問題では。
 
そして、家庭訪問に出かけると、
 
「ああ、先生、これ、持って行って下さい」
「……これは……」
「うちで昨日掘った竹の子です」
「……いやー……」
「や、先生、大丈夫、ちゃんとあく抜きしてありますからすぐ食べられます」
 
私、よく知らないんですが、竹の子ってのはあく抜きしてあればそんなにすぐに食べられるもんなんでしょうか。
丸々二本分も。
 
「……てなわけで、竹の子が山ほど……」
「ばかだなあK村先生。竹の子なんて買うもんじゃない、もらうもんだよ」
 
どこの封建領主の話ですかそれは。
 
「あれ、ちょっとした高級食材じゃないですか?」
「買うとけっこうするんだよな……。 でも、俺が子どもの頃なんて、隣近所がみんな竹の子掘ってて、この季節になると山ほど竹の子をくれるんだよ。おかげで、朝から晩まで、竹の子ご飯に竹の子の煮物に竹の子の味噌汁に……」
「……昔の話と言うより、私についての予言を聞いてる気がするんですが」
「あく抜きしてあるんだろ? すぐに食べないと悪くなっちゃうぞ」
「げえ」
 
そんなわけで、ピーマンを処理するために作るはずの青椒牛肉絲が、なぜかピーマンを買い足して何度も作る羽目に。
しかも、最初に作った青椒牛肉絲、半分以上が竹の子で、ピーマンはちょっぴり。(普通はその逆です)
その上、最初に買ってきた竹の子の水煮は、まだ流しの下にしまわれたまま(賞味期限が一番長いから)。
 
他のものも食べたいのは山々なんですが、折からの財務状況の悪化のため、もらい物の竹の子と買い置きの肉で作れる青椒牛肉絲が大活躍。
……高級食材が……。
 
しかし、そんな心配もひとまず去りました。
 
今夜は竹の子ご飯だ!
 
……竹の子、まだあるんで……。