当地域における家庭訪問の実態と、注意すべき諸事項について。

家庭訪問が終わりました。
 
……って、このブログが始まったばかりの頃もそんな記事だったような。
 
早くも一周年になろうとしているのですね、このブログ。
 
コケの一年岩をも通す、とか。(間違い)
 
えーと、家庭訪問。
 
「めんどくさいなあー……行きたくないな」
 
なんて言っている先生も。
 
「……でもまあ、保護者もそう思ってるんだろうな」
 
確かにこれまでの所、教員であれ保護者であれ、「家庭訪問大好き!」とかいう人には会ったことがないですね。
 
A児「先生!今日家庭訪問でしょ!」
K村「うん」
A児「うちには何時頃来るの?」
K村「いや、お前さんちは明日だよ」
A児「えー」
 
……子どもには、大好きな人もいるみたいです。
 
家庭訪問それ自体が好きな教員はあんまりいないと思いますし、保護者の方の負担も大きかろうと思うのですが、保護者の方の、子どもの教育に関する考えを知ることができる良い機会なので、確かに教育上有益ではあり、それゆえ今なお全国各地で実施され続けているのだろうと思います。
 
もっとも、一番印象に残るのは、親がどんな感じの人か、ですけども。
 
なんか、パジャマ姿で出てくる人とか。
部屋に通されたのはいいけど、脱ぎっぱなしの靴下とかが散らばっているとか。
あと、子どもが廊下でバスケットボールをバシバシ突いていてうるさくて仕方ないのに、何の注意もしないとか。
 
そういう、割と話の内容以外の所も。
 
今年は、家庭訪問週間が始まってから、
「家庭訪問は今週とのことですが、日時は決まっているのでしょうか? ご連絡下さい」
とか、連絡帳に書いてくれた保護者もいたな……。
 
でも、以前、家庭訪問に行ったら一家そろって買い物に行っていて鍵が閉まった家があったから、それを思えば、という話ではありますが。
 
……なんて、真面目な話をしても仕方ないな。
 
学校によるでしょうが、家庭訪問の時期は特別日課で子どもを早く帰します。
そうなると、学校側の負担もあります。
 
具体的に言うと、清掃がカットされているので、教室の床がごみだらけ。
 
その他もろもろの不都合もあるため、家庭訪問はなるべく短い期間で実施します。
自然、スケジュールは厳しくなりがちです。
 
しかし、幸運にも(と言うべきでしょうか?)本校は小規模校で、人数の多い学年と少ない学年の差が大きく、準ルーキーの私は少ない学年を受け持っています。
ために、今年の私は日程に余裕がありました。
 
余裕のない年は、一軒で話が終わると次の家まで5分で移動せねばならない、とかいうタイトなスケジュール。
 
うっかり話が延びるとその後の全スケジュールに影響がでるのみならず、同じ日に家庭訪問を組んでいた兄弟姉妹の担任とかち合ってしまったりします。
 
で、教務主任からは、
「時間が来たら『時間ですので』と言って辞去するように」
と念を押されます。
 
「あの先生は、〜〜さんちには予定より10分長くいたのに、うちは時間になったらそそくさと帰って行った」
……みたいなことを噂されると不都合だ、ということで。
 
なかなか、そうもいかないんですけどね。
 
話し好きな保護者とそうでない保護者とかもいますし。
 
あと、家庭訪問の時に子どもを同席させる親とそうでない親がいます。
 
私が小学生の時は、決して部屋に入れてもらえなかったので、同席させる保護者を見て大変驚いたものです。
 
本人を前にしては言いづらい話をする時は、本人がいないほうがいいですし。
本人に聞かせたい話をする時は、本人がいた方がいいわけですが。
 
私自身は、子どもがいない方が安心して思うところを話せるんですが。
子どもに言いたいことは学校でも言えますし。
 
とはいえ、家庭訪問は学校単独の行事ではなくて、保護者の考えもあるでしょうから、あまり勝手なことも言えませんが。
 
さて、時間がないスケジュールで何が困るって、トイレに行けないこと。
 
下手をすると、始まってから二時間も三時間もあちこちの家を飛び回ることになります。
 
で、どの家に行ってもお茶が出るのです。
 
気にしない先生もいるんでしょうが、どうも私は、子どもの家でトイレを借りるのが気が引けてしまう小心者です。
 
そんなわけで、二年目の年はどの家でもお茶を飲みませんでした。
 
すると確かにトイレの心配はなくなったのですが、先輩から
「でも、出されたお茶を一杯も飲まずに出て行くのは失礼だよ」
 
「あの先生は、うちでせっかく出した茶を一杯も飲まずに帰って行った」
 
ひい。
 
そういったわけで、家庭訪問前の準備として、子どもの家がどこにあるか事前に確認すると共に、付近の公衆トイレのありかを確認しておくのも大事な仕事になりました。
まあ、校区内だから大体わかってはいるんですが。
 
それと、お茶菓子。
 
私は、家庭訪問先ではお菓子は食べません。
 
というのも、自分が小学生の時、ふだんのおやつは麦チョコとかサッポロポテト(弟と分ける)とかでした。
で、先生が来て、なんだか普段見たことのない高級げなお菓子があるのを見て、
 
「いいなー、ぼくのは?」
「あんたが食べてどーすんのよ。先生のしかないわよ」
「先生はいいなあ……」
 
で、先生が食べずに帰ると、それが私の物になったのです。
 
わあい、ロールケーキだー。
 
……と、そんなプチ食糧難の記憶があるので、ついつい手を付けずに帰ってしまいます。
 
「ああ、先生、どうか召し上がって下さい」
「いや、〜〜君にあげて下さい」
 
これも失礼なんでしょうかね……?
 
さて、今年の家庭訪問。
 
「先生、車はどこに?」
「えーと、向こうの空き地に」
「あらー、庭に停めてくれても良かったのにー。うちの子に言ったんですよ? 『先生に、車はうちの庭に停めるように言いな。そしたら、車に鍵かけなくてもいいんだから』って」
「うはは。 去年、一年間ずっとそれを言われましたよ」
 
昨年度参照のこと。
http://d.hatena.ne.jp/filinion/20050522/1116736925