しばらく前の話。
「コードネーム:デュエット」というボードゲームがあります。
2人でプレイする協力型ゲームです。
(元になった「コードネーム」は8人までの多人数ゲームらしいですがそれは持ってません)
ただし、お互いにヒントは与えられますが、正解そのものを伝えてはいけません。
また、取ると一発でアウトの言葉もあり、そっちにひっかからないようなヒントを考えないといけない……という感じのゲームです。
これを母とやった時のことです。
で、私がヒントを出す番になって、だいぶ悩んだ末に「おかあさんといっしょ」を手がかりにしたのです。
記憶がおぼろげなんですが……確か、「へび」と「うし」を取って欲しくて、ヒントを「パペットマペット」にするか「クイズ・わたしはだれでショウ」にするか悩んで、後者にしたんだったかな。
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蛇と牛ならパペットマペットの方が近いんだけど、そもそも母は知らない可能性があります。
その点、「おかあさんといっしょ」は昔さんざん見たので、フィーリングで伝わる気がするし、少なくとも「へび」はわかるはず……みたいな判断だった気がします。
……なんでこんな記憶が曖昧な話が心に残ってるのかというと、そのヒントが母には全然通じなかったからです。
おかしい。
「おかあさんといっしょ」は、私たち兄弟が幼かった頃、毎日のように見ていたはずなのに。
「にこにこぷん」のOPテーマとか、「さよならマーチ」とか、今でも歌えるくらいなのに。
で、終わった後、「あのヒントはこういう意図だった」「これは通じると思った」といった感想戦をする中で(このゲームはこれが楽しい)、私が、「おかあさんといっしょ」を母が覚えていないことに驚いた……という話をしました。
すると、母は急にちょっと申し訳なさそうな顔をして、
「あの頃は、テレビに子守をしてもらってたからねえ……」
なんてこった。
これまで40年以上、母と一緒に「おかあさんといっしょ」を見ていたような気がしていたのですが、実はそうではなかったのです。
本当は、私と弟がNHK教育テレビに見入っている隙に、母は夕食の準備などの家事を片付けていたのですね。
人間の記憶はいい加減です。
「私が子どもの頃はこうだったのに! 今の子どもは/親はけしからん!」
……と思っても、実はその「子どもの頃」の記憶の方が間違っている……なんてことは、たくさんあるのかも知れないな、と思いました。
ちなみに母はパペットマペットは知ってたそうです。