「教育とは、地に足を着けつつ、天上の理想を追い求める営みである」……とは、誰の言葉だったでしょうか。
しかし、「天上の理想を追い求める」ものであるにも関わらず(あるいは、それゆえに)、過去(もしくは今も)教育はプロパガンダの場であり、洗脳活動でもあり続けてきました。
さて。
メールマガジン「まぐまぐ」の、「教育のまぐまぐ!」の中に、「親力診断テスト」という連載があります。
私自身は人の親ではありませんが、教員としてもやはり参考になるところがあるため、定期的に読んでいます。*1
さて、その第55回。
今週の親力診断テスト
[ 問題 ]
今日はわが子の保護者面談。
さて、あなたは担任の先生に我が子の何を伝えますか?
A 「本当にだらしがなくて困っています」など、子どものマイナス面もちゃんと正直に言う
B 「張り切ってがんばってるんですよ」など、子どもを嘘でもほめる
C できるだけ家での様子は言わないで、先生から学校の様子を聞き出すことに努める
……Cみたいな保護者は嫌だな。
一応、正解は隠しますか。
よろしいでしょうか。
あなたの親力やいかに?
先生に我が子に対するいいイメージを持ってもらうことが大切です。一番いいのはBです。
Aを選んだ人:×
我が子のマイナス面を一生懸命、先生に宣伝して、どんないいことがあるでしょうか?いいことなど、1つもありません。それどころか、「なんだ○○君はそういう子なのか。親が言うんだから間違いないだろう。そういえば、確かにそんな気もするな」ということになります。これは、親としては非常にまずい戦略です。
Bを選んだ人:◎
親が取るべき戦略は、我が子に対するいいイメージを先生に植え付けることです。そのためには、嘘を言ってもいいのです。そして、先生に「そういえば、○○君、いろいろ張り切ってるな。そうか、家でもがんばっているんだな。よし、大いにほめてやろう」と思わせればいいのです。先生がそう思うようになれば、実際にだんだんそうなっていきます。
Cを選んだ人:△
我が子のマイナス面を宣伝するよりはいいと思います。でも、せっかくの機会なのですから、積極的に我が子のプラス面をアピールしてほしいところです。
(強調筆者)
(後略)
えーと。
「先生がそう思うようになれば、実際にだんだんそうなっていきます」
てのは、いわゆるピグマリオン効果のことでしょうかね。
……。
いや、まあ、正直に言うと、似たようなことは学校側もやったりしますけども。
保護者が子どものことを大事にする様子が見られない、子どもの心を傷つけるようなことばかり言う……と思われる時は、なるべく保護者が子どもの良い点に目を向けられるような話をすることを心がけます。
洗脳合戦。
つまり、家庭訪問・保護者面談とは、学校と家庭の情報交換の場ではなく、実は保護者対教師のプロパガンダ闘争の場だったのです。
朝鮮中央放送。
うわ空疎。
いや、まあ、「嘘をついてもいい」とまで思い切ったことは、学校では言わないです。*2
ていうか、学校では、子どもに克服すべき短所がある、と感じたら、それを率直に保護者の方にお伝えするようにしていますよ。
……なんか、
「子どもの欠点を指摘するなら、通知票とかじゃなくて家庭訪問の時にしろ。書面に残らないから」
とか言われるしな……。
まあ、いろいろありますけども。
しかし、家庭訪問や保護者懇談の機会を有効に活用し、子どものよりよい成長を期するためには、やはり、相手の協力によって克服できそうな問題があればそれをきちんと指摘し、協力を求めてゆくのが大切なことであると我々は考えており、今後ともそのように対応してゆくとともに、関係各位にも誠意ある対応を求めるものである。(公式声明)