大洗い海岸。

先日、とある飲食店に入ったら、メニューにこう書いてありました。
「丼ぶり物」
 
自分の世間知らずには自信があるので、これを見た時には、何か自分の知らない、「どんぶりぶり」というカテゴリの食べ物があるのだろうと確信。
 
しかし、その下に
「親子丼ぶり
ピリ辛キムチ丼ぶり」
と並ぶのを見て、さすがに確信がゆらぎました。
 
なるほど「丼」という字は、「どん」と読むこともあれば「どんぶり」と読むこともありますが、だからと言って「どんぶり」と読ませるのに「丼ぶり」と書くことはありません。
普通は。
 
「冠」という字を「かん」と読んだり「かんむり」と読んだりしても、「冠むり」という表記をしないのと同じ事です。
 
むりむり。
 
……と、一緒にいた彼女に指摘したところが、彼女は全然そのメニューの表記がおかしいと思っていないばかりか、そんなことを気にするこっちが変人扱いされてしまいました。
 
とほほ。
同じ国語科出身なのに。
 
思えば、「取っ手」「釣り竿」「振り袖」などという表記も、確か昔はしなかったはずで。
 
してみると、私が世間知らずなだけで、日本語の中の「なくてもよかったはずの送り仮名」は増大の一途にあり、そのうち、教科書に「夏の間だ」「夢をえ描く」とかいう表記が登場するようになるのでしょうか。
 
「犬養い毅」とか。
なんかすごく屈辱的っぽい。