昨日書いた、年度最初の「出発会」。
二次会会場は一次会会場から遠くて、自宅のすぐそば。
そこで、代行車を頼んで一度自宅に戻り、そこから二次会会場へ。
代行なんて頼んだのまだ二回だよ。
もったいない。
旧鱶沢小では、一次会が終わったらそのままお開き、というパターンが多かったので、参加者は、6年担任、教務主任、私、算数指導助手*1でした。
家に帰ったところで携帯が鳴りました。
『K村先生、今どこ?』
「ちょうど自宅です」
『こっちは先に始めてるよ』
「はい、おかまいなく」
『いや、早く来なよ』
「ええ、すぐ行きます」
『走っておいでよ』
「はーい……」
……で、そこで馬鹿正直に走って行こうとする辺りが酔っぱらいだと思います。
ちょっと走ったところで、
ごつん。
「いてて」
頭に鋭い衝撃。
見ると、道に沿って民家の板塀が巡らしてあり、そのひさしに頭をぶつけた模様。
ひさしは金属板です。
*イメージ画像
*2
「あ、まずい」
と思う間もなく、なにやら生温かいものが頭を伝い落ちてくる感触。
「やばっ」
あわててうつむいて、30°の会釈をするポーズ。
次の瞬間には、ぽたぽたっ、と音がして、路面に丸い染みが。
街灯では黒く見えますが、明るくなってから見れば、通った人がぎょっとすること請け合い。
「いや、明日の朝には乾いて茶色くなってるのかなあ」
なんて冷静に考えている場合ではありません。
まめちしき:頭皮はたくさん血が通っているため、ちょっとした怪我でも大量に出血します。
ただ、頭蓋骨はたいへん丈夫にできているので、中身の心配をする必要は普通はありません。
後から後から血が滴って、頬を伝ってあごまで垂れているのがわかります。
近くのスーパーがまだ開いているので、ばんそうこうでも買おうかと思いましたが、血まみれで夜のスーパーに現れて「ばんそうこう下さい」では、タチの悪い都市伝説みたいで、店員さんやお客さんを仰天させるのは気が進みません。
そもそも、これだけたらたら血が出ている状態でばんそうこうを貼っても効果がない気がします。
「……もしもし、K村です」
『はいはい? どうしたの?』
「えーと、今、道ばたで頭ぶつけて血が出まして。ちょっと、行けそうにないんですが……」
事実ありのままの電話なんですが、なんか、間抜けです。
……つまり事実が間抜けなんですね。
スーツに血が付くと面倒なので、会釈したまま電話。
『んー? いいからいいから、そのままおいでよ。ばんそうこうでもはってあげるから』
「えー……と、そうですか。 ……じゃあ、顔が血だらけでも驚かないで下さいね」
血まみれで夜の居酒屋では、映画の導入場面か何かのようです。
しかも、たいがいそいつは死にそうな気がします。
そういう嫌シーンに巻き込んでは店員さんに迷惑じゃないか、と思ったんですが、まあ仕方ない。
会釈したままてくてくと歩きます。
会場の居酒屋に入って、
「いらっしゃいませー!」
「えーと、すみません、顔を拭きたいんで、ティッシュをもらえませんか?」
「ティッシュ……おわあ!」
極力なんでもない風を装って頼んだんですが、やっぱり驚かれました。
演技力が足りませんでした。(そういう問題では)
奥で、
「パトカー、パトカー!」
いや、せめて救急車を。
まあ、ちょっとぶつけただけなので、と、通報をお断りして、おしぼりを借りて顔を拭く頃には幸い血も止まり、会場に入ることができました。
「遅かったじゃないK村先生」
「いやー、すみません、ちょっと事故がありまして」
その通りなんだけど。
注文を取りに来た店員さんが、
「あの、これ、ばんそうこうです。……大丈夫なんですか?」
「ああ、大丈夫です、ありがとうございます」
「……何、ほんとに血が出たの?」
「……冗談だと思ったんですか?」
……ある種普通の反応のような気もします。
「ほら、血が出た分栄養とりなよ」
「いやー、酒は血行がよくなってまずいかもしれないですよ」
「そうか、じゃあ鉄分補給だ、レバー、レバー」
……とまあ、そんな愚かな騒ぎの後に聞いたのが、昨日の「昔出会った事務長の話」なわけですね。
補足しておくと、本校では、校内で子どもが頭を打った場合には、傷が小さく見えても病院に運ぶことになっています。
私も、自分の怪我だったので割と普通に対処していますが、子どもの怪我だったらもっと大変な騒ぎです。
……自分、頭の傷で出血するの3回目なんで。(代行より多い)
愚かだ。
教訓:飲んだら走るな 調子に乗るな
*1:算数のTTのため、市の予算で配置された職員。
若い女の先生で、強く誘われて断り切れなかったらしい。
セクハラだ、それは。
*2:画像はhttp://guide.city.kamakura.kanagawa.jp/mail/archives/2005/06/から。
写真は、私が頭をぶつけたのより少し高いと思います。どうでもいいけど。