GDP100%増!

昔から漠然と考えていた事ながら、serohanさんのところの記事を読んで刺激され、ちょっと考えを推し進めてみました。
親は自己満足のために子を育てるのだ
 
何か、世の中には、専業主婦であるところの妻に向かって、
「自分は外で働いて金を稼いでいるが、お前は一円も稼いでいない(故に、お前は一方的に自分に養ってもらっているのであり、ありがたく思うべきだ)」
……と、主張する夫がいるのだそうです。
 
近年では、「専業主夫」の道を選ぶ男性も増えているとのことですから、あるいはその逆の場合もあるのやも知れません。
 
まあ、最近ではそういう無体なことを言う人は減っている……と、信じたいところですが。
 
卒論ちゃんはよく、
「私は家事なんかなにもできないよ?」
「結婚したら、あたしぐうたら奥さんだから、きっと追い出されちゃうんだ」
などと口にします。
 
思うに、家事ができないこと自体にさしたる問題はないわけです。
 
私も掃除は滅多にしないし、炊事だって、「できる」という水準ではないですから。(相変わらず、無汁一菜な食生活。主食なし)
素人でも、死なない程度には生活できると思います。
 
不安があるとすれば、彼女に一人暮らしの経験がないことでしょうか。
 
私は大学時代に初めて一人暮らしを経験しました。
 
そうして、夏休みに実家に帰ってみて、
「自分で敷かなくても布団が敷かれている」
「自分で作らなくても、(自分で作るよりずっと立派な)食事が出てくる」
……ということに感動したわけです。
 
そういう、「家事をやってもらうことのありがたみ」を双方が経験した方が、夫婦で家事を分担する上では良い結果を生みそうな気がします。
 
よく、「一人暮らしの経験のない男性と結婚すると大変」だと言いますが、その逆を心配しているわけですね。
 
まあ、私が専業主夫になるわけでなし、分担して家事をやってみれば、その大変さが身にしみるかとは思うんですが。
 
……いや、具体的にいつ結婚するのかは謎に包まれていますけれども。
 
さて、
「夫は家計に収入をもたらしているが、専業主婦であるところの妻は無収入であり、家計に貢献していない」
……という論理は、専業主婦が土日休日なしで家事をやっている状況に鑑みて、個人的になんだか納得がいかなかったので、あれこれ考えてみました。
 
で、思ったわけですが。
 
家事というのは、家政婦という職業が存在していることからもわかるように、れっきとした労働です。
して、これに誰が賃金を支払うべきか、といえば、もちろんその勤め先の家の人間である
わけです。
 
してみると、一般の専業主婦の場合、その家事労働に対する賃金は、それによって利益を受ける家の人間、つまり夫が支払うべきものなのです。
その賃金の額は、現在の家政婦の賃金を基準に算出されるべきでしょう。
 
とはいえ、現在の日本の人件費の水準を考えると、一般の労働者の賃金で、家政婦を雇うことは困難です。
家事労働をまともに人件費に換算して賃金を支払ったら、夫の収入はあらかた消えてしまいます。
やっぱり何かが間違っています。
 
再び考えてみると、家政婦が他人の家の家事を行うのに対して、主婦は自分の家の家事を行っています。
つまり、自身の労働の成果を自分も受け取っているわけです。
 
そうなると、専業主婦の家事労働に対する対価は、夫婦二人で出し合うのが妥当だ、ということになります。
言い換えれば、夫は、妻の家事労働に対して、妥当と思われる金額の半分を支払うべきだ、ということになるわけです。
(厳密には、本当に半分であるべきかどうかは実態により様々かもしれませんが……)
 
以上のように考えると、
「お前は一円も稼いでいない」
という夫の主張が事実であるとすれば、それはとりもなおさず
「夫が妻にただ働きを強いている」
ということを意味している
のであって、それをもって妻に感謝を要求するのは見当違いも甚だしい、ということになります。
 
まあ、現実には、妻は食費は受け取っているわけだし、大抵は自由に使えるお金も若干はあるわけですが、これが労働基準法に定める最低賃金を下回っているのは火を見るより明らかです。
このような状況が長年にわたり放置されてきたのは、政府の無策もさることながら、専業主婦が労働基本権を行使してこなかったことにも理由があります。
これは、労働組合を組織することが事実上不可能である、という、専業主婦の雇用形態の特殊性に理由があります。
 
結論:一夫多妻制を採用せよ
 
……いや、昔のモルモン教じゃないんだから。
大体、労働組合を組織できるほど奥さんをもらったら、エンゲル係数が100%超になってしまいますが。
 
思えば、ここまで「専業主婦」と書いてきましたが、「主夫」である可能性も当然あるわけです。
専業主婦の権利ばかり謳って、同業である専業主夫の権利を考慮しないのは性差別に当たりますね。
 
結論:重婚を合法化せよ
 
……いや……それも……。
 
別の解決策として、家政婦業を支援する、という方向性もあります。
 
AさんはBさんちに家事をやりに行き、BさんはAさんちに家事をやりに行く。
で、お互いにお互いの家で賃金を受け取る。
 
もちろん、現実には、間に人材派遣センターみたいなのがはさまる形が多数になるでしょうが。
 
こうすることで、配偶者の収入に依存したこれまでの賃金体系が抜本的に改められ、各人の主婦/主夫業者としての能力に応じた収入が得られるようになります。
市場経済システムの導入により、全体としてのサービスの向上も見込まれます。
 
……いやまあ、これは嘘イデオロギーなので、「愛妻弁当」とか「お袋の味」というのが、家政婦で代替がきくのか、という疑念はぶつけないで頂きたく。
 
無論、
「ぜひ、妻/夫には自宅でご飯を作って欲しい」
という人は、双方の合意の元にそうすればいいわけですが、家政婦労働が当然ながら所得税課税の対象になるのに対して、自宅での家事労働が課税を免れるのは、税の公正性という観点から好ましくありません。
 
結論:帰属家事賃金を導入せよ
 
何のこっちゃ、と言われる前に説明しておくと、GDPを計算する上で、「帰属家賃」というものがあります。
 
これは、「自分で住んでいる持ち家に対して支払う家賃」のことです。
 
例を挙げましょう。
 
AさんとBさんがいます。
両者は同じニュータウンの同じ間取りの家に住んでいるお隣さん同士です。
どちらも、持ち家ですから、家賃は支払っていませんし、受け取ってもいません。
何の消費活動も行われていないように見えます。
 
ここで、AさんとBさんが互いに相手に家を貸すことにして、お互いの家に引っ越します。
そして、互いに同額の家賃を支払います。
 
すると、郵便屋さんの誤配が増える以外事実上なんの変化も起きていないにもかかわらず、引っ越しの前に比べて消費活動が増大したことになります。*1
 
何かが間違っています。
 
そこで、これを解決するため、持ち家に住んでいる人も、自分自身に対して家賃を支払っている、と見なすことで、統計上のつじつまを合わせるわけです。
(もっとも、その家賃をいくらと見なすかで、だいぶ議論もあるようですが)
 
同様に、自分の世帯で家事労働にいそしんだ場合にも、自分自身に対しての家事収入があったものと見なすことにするわけです。
 
この、「帰属家事賃金」の導入により、我が国のGDPは推計で実に現在の200±10%に増大することになります。*2
 
……いや、家事労働からも税金を徴収せよ、とか言ったら、ますます晩婚化に拍車がかかって少子化が進むかもしれないけど。
 
結論:家事労働に優遇税制を導入せよ
 
……なにがなんだかわからなくなってきたのでこのへんで。
 
まあ、とりあえず、家事労働はお金を払ってもいいくらいのものなので、受ける側はありがたく思えってことで。
 
……あと、家計は明朗会計にしておくべきだと思います。
何が必要経費で何が個人負担になるべきなのかは、現在折衝中。*3

*1:統計上、家を建てることは消費にはあたらない扱い。家は資産だから。

*2:数字は適当。
いや、家政婦の賃金がどのくらいか調べてみたものの、ばらつきが多くてよくわからなんだ。
でも、住み込みだと一日に一万数千円らしいから、一ヶ月だと四捨五入40万円くらいの収入になるんじゃないかと。
もっと細かく言うと、家事市場が本当にそんなに拡大したら、市場経済の原理で賃金は現在より低下するはずだけど。

*3:個人的には、食費・家賃・光熱費・保険関係・医療費(医師の診察を受けるもので、健康食品を除く)・家電製品のうち共同で使用するものが必要経費で、衣料・化粧品・書籍・学費(自分の)・菓子類は個人負担だと思いますが、どんなもんでしょうか。
ガソリン代も必要経費だよなあ……。