胃カメラ体験談。

 胃カメラ初体験したので、体験談を書いておくのも未経験の人に有益かなー、と思うのですが、未経験でない方のために先に簡潔に結論。
 
良いニュース:ガンでも潰瘍でもありませんでした。
 
悪いニュース:ピロリ菌がいます。これにより胃粘膜が委縮しています。
 
 生まれて初めての胃カメラでした。
 
 先生からベッドで待機するように言われ、その間、看護婦さんに
「肩に注射しますからね。この服(ポロシャツ)なら大丈夫ですね」
 などと言われて不安になったり(変わったところに打つ注射は痛いイメージ)。
 
 次いで、何やら見たところ水あめのような薬を口に含むように言われ、
「口に含むことで効いてくる薬なので、このまま10分間飲まないでくださいねー」
 苦い。
 なんか舌がピリピリする。
 舌先の感覚が変なのか、口の中にブツブツができてきたような感触がある(薬が切れたらなんともありませんでした)。
 
 注射は……まあ、血液検査とかインフルエンザワクチンよりちょっと痛かったかもしれないけど大したことはありませんでした。
(先生の説明では「胃の動きを抑える薬」とのこと)
 
「はい、じゃあ薬、ここ(膿盆)に吐き出してください。ぜんぶ出しちゃっていいですから。
 さて、それじゃ横向きに寝てください。マウスピースしますね。よだれは飲み込まないで。全部外に出してください」
 
 真ん中に穴の開いた、筒状のマウスピースをしまして。
 その穴を胃カメラが通るわけです。
 唾液は頭の下に敷いたタオルに出すよう言われましたが、実のところ大体飲んでしまっていたような。
 
 のどのあたりを通る時が一番苦しい……というか吐きそうになります。
 幸いにして、何も飲食してないので吐くものはないわけですが。
 
 涙が出ます。別に苦しいとかではなくて、嘔吐する(しないけど)反応と一緒に反射的に。
 
 なんか看護婦さんがずっと背中をなでててくれました。子どもか。
 
「はーい、ここちょっと押しますねー、苦しいけどがまんして」
 おなかの中をぐーっと押される感触。
 
「胃の中に空気入れますねー、げっぷするとまた入れるのに時間がかかってしまうのでしないよう我慢して」
 あっ、それバリウム検査でも苦手なやつ。
 ていうか、のどが開いてる状態でどう我慢すれば。
 
 そうしてしばらく耐えた後、先生が看護婦さんに
「鉗子取って。うん、輪っかにして」
 視界の端に細い針金のようなものが見えた後、
「はい、じゃあちょっと組織採取しますね」
 おなかの中を引っ張られる、今まで体験したことのない変な感触が。
 
「では空気抜きます」
胃カメラ抜いていきますねー」
 また嘔吐反応。胃の中を見られてる間より、入れたり出したりする時が辛かったです。
 
 ……とまあ、そんなこんなで胃カメラ初体験は終わって、結果が出るまで再び別室のベッドで待機。
 
 まあ、全然楽しい経験ではないのですが、看護婦さんの
「お上手でしたよー」
 という一言で、「ま、まあ、定期的にやってもいいかな?」とか思えてしまったので、ほんと肯定的な言葉かけって大事ですね。子どもだけじゃなく大人にも効くんだな、と。
 
 その後、診察室で写真を見せていただきながら、
「この白いのは、コレステロール腫といって、特に悪いものではありません」
「胃の出口、十二指腸に近い方の粘膜は、この通りきれいですね。しかし、粘液の量がずいぶん多い」
「胃の入り口の方を見ると、胃の粘膜が全体に赤く腫れているのがわかると思います。これはピロリ菌によって胃の粘膜が腫れて、委縮しているんですね」
 
 というわけで、今後また組織検査の結果を聞きに行って、その後はおそらくピロリ菌を殺菌するための投薬治療、ということになるようです。
 一週間ほど薬を飲んだ後、また一か月ほど間をおいて、ピロリ菌がいなくなったかどうかの検査、という流れだそう。
 
 なんでも、粘膜が萎縮した胃はガンになる可能性が高まるらしく。
 しかしながら、ピロリ菌がいなくなれば委縮した胃粘膜が元に戻るか……というと、どうもそうではないようです(ただしネット情報。また病院に行ったときに聞いてみます)。
 もちろん、放っておくとどんどん委縮が進んで潰瘍になり、胃がんの可能性もどんどん高まるらしいので、殺菌は必要なのですが。
 
 しかし、粘膜が元に戻らないということは、来年以降の胃がん検診(バリウム)でも、再び「胃粘膜不整」の所見が出て、また精密検査(胃カメラ)になるんでは……。
 だったら、むしろもうバリウム飲まなくてもいいんでは……(あれ苦手なのです)。
 
 ともあれ、胃粘膜委縮に加え、親族に胃がん患者がいたわけでもあり、定期的に胃を内視鏡で見てもらったほうがいいのは確かなんだろうなあ、と思います。
 そういう意味では、要精密検査の所見を受けた後、今回きちんと検査してもらったのはやはり正しかったのだろうと思います。
 
*余談
 奥さん(卒論ちゃん)には結果が出るまで精密検査のことは伏せておこうと思ったのですがバレました。
 
私「あっ!」
卒「どうしたの?」
私「今度の〜〜日、卒論ちゃんは家にいる?」
卒「出勤だけど、なんで?」
私「NTTの工事をうっかりその日にしちゃったんだけど、私その日は別な用事があった」
卒「用事って何?」
私「ちょっと出かけないといけなくて」
卒「どこに?」
 
 まー、嘘とか隠し事とかできない人間ですね、私は。
 卒論ちゃんの勘も鋭くて、容易にごまかされてくれませんでした。
 
卒「私が体の具合が悪くて、ダーリンに隠してたらどうなの!? ダメでしょ! そういうのはちゃんと言わなきゃダメ!」
私「ごめんなさい。……いや、精密検査の結果が出たら言おうと思ってたんだけど……」
 
 怒られました。
 
 体には気を付けようと思います。