新しい学年も始まろうというところですが、通知票の話。
以前にも書きましたが、通知票というのは、発行が法律で義務づけられていません。
このため、書式などは各学校の裁量に任されています。
下は一例。
教科 | 観点 | 評価 | 評定 |
---|---|---|---|
国語 | 関心・意欲・態度 | ◎ | 3 |
話す・聞く能力 | ◎ | ||
書く能力 | ○ | ||
読む能力 | ○ | ||
言語についての知識・理解・技能 | ◎ | ||
体育 | 運動や健康・安全への関心・意欲・態度 | ○ | 4 |
運動や健康・安全についての思考・判断 | ○ | ||
運動の技能 | ◎ | ||
健康・安全についての知識・理解 | ◎ |
- 縦の長さを測る
- 定規で等間隔に印を付ける
- 鉛筆で罫線を引く
- 鉛筆で記入
- 万年筆で清書
- インクが乾いたら、消しゴムで罫線と下書を消す
……という、面倒な手順を35人全員について踏んで、それはそれは美しく記入していました。
また、◎○△の印にしても、その先生が押したのを見ると、まるで機械で印刷したかのようにきっちりそろっているのです。
かくいう私は、どうやってもそう美しくはならないばかりか、うっかりして違う印を押してしまったりします。
で、砂消しゴムで訂正するわけですが。
ところが、訂正した通知票を見た学年主任が、
「K村先生、これ、○のところ間違えて◎を押したね」
「はい。一応直したんですが……」
「うーん、でも、これ、跡が残ってるよね」
「これ以上やると穴が空いちゃうもんですから」
「うーん、あのね、保護者はさ、○を訂正して◎にした跡を見ても、笑って許してくれるけど、逆だと許してくれないと思うよ」
「えー。では、どうすれば」
「この際だから、◎にしちゃいなよ」
「えー」
いいのかそれで。
とはいえ、通知票をいじっても、指導要録の方はそのままなんですが。
ていうか、指導要録は、元々通知票より辛口なのが通例です。
そして、上に書いた通知票の例。
「K村先生、これ、おかしいと思うよ」
「えー? そうでしょうか?」
「だって、体育は4観点のうち2つが◎で、評定が4でしょう? 体育は、5観点のうち3つが◎なのに、評定が3になってるよ?」
「あー、いやー、まあ、そうなんですがー……」
ええとですね。
ちょっと、ややこしい話になります。
仮に、それぞれの観点を、100点満点で採点したとします。
で、各観点ごとに、
〜39=△
40〜79=○
80〜 =◎
……という基準で、◎○△をつけたとします。
そうすると、理論的には、
教科 | 観点 | 評価 |
---|---|---|
国語 | 関心・意欲・態度 | 80点 (◎) |
話す・聞く能力 | 80点 (◎) | |
書く能力 | 40点 (○) | |
読む能力 | 40点 (○) | |
言語についての知識・理解・技能 | 80点 (◎) | |
体育 | 運動や健康・安全への関心・意欲・態度 | 79点 (○) |
運動や健康・安全についての思考・判断 | 79点 (○) | |
運動の技能 | 100点(◎) | |
健康・安全についての知識・理解 | 100点(◎) |