実験国家。

「科学的共産主義」の語もあるとおり、ソビエトではレーニンは「科学者」だったとされていたそうです。
 
 そしてこんなジョークが生まれました。
 
Q:レーニンは科学者だったのか?
A:否。科学者だったら、人間の前にブタで実験したはずだ。

 
 というわけで、国家全体が人体実験場、史上最大の実験国家、ソビエト! 
 
 ……というイメージがあったのですが、なんか「実験国家」でググったらアメリカとかスウェーデンとか日本とかばかり出てくるんですけど……。
 
 ソビエトの「実験」っぷりを示すエピソードとして好きなのが、「ソビエト連邦暦」の制定があります。
 一週間は5日で、国民はそのうちいずれかの曜日が休日になる(各曜日ごとに国民の1/5が休日)、というのが特徴。
 Wikipediaから引用すると、
「これは、国民の休日を増やし(7日周期で1回の休日よりは、5日周期で1回のほうが休日の回数は多くなる)、生産設備が完全に停止する日曜日を廃止し、どの日も生産が行えるようにすることで生産効率を上げるという目的もあったが、計画に反し、生産効率は全く上がらなかった。逆に、家族内で休日が異なってしまい、社会生活に支障が出るようになった。このため、この暦法は大変に不評であった」
 
 要するに、
政府「休日をみんなでずらせば、工場が止まる日がなくなって生産効率上がるんじゃね?」
国民「家族の休日がバラバラになるんだけど! どうにかしてくれよ!」

 
 ……という。
 
 この「計算上はうまくいく気がするだけの机上の空論」を無理矢理現実に当てはめようとする無謀っぷりがいかにもソビエトらしいな、と思います。
 
 それを「一部地域で試験的に導入」とかじゃなくていきなり全国に導入して、しかも10年くらい続けちゃうところがまたなんとも。
 
 ……と思っていたんですが、よく考えると現代日本で土日が休みじゃない人なんて、いくらでもいますよねー。
 交替で休みを取って経済効率を上げるために。
 
 ソビエトですら成し得なかったそれを、我が日本は達成したのです!
 なるほど、日本こそ実験国家の名にふさわしい! ウラー!
 
 ……で、なんでも、ゴールデンウィークを地域ごとにずらすんですって? 政府主導で?
 
 へー……。