安全教育指導者研修の報告

先日、研修に行ってきました。
 
「……というわけなので、今日は昼休みにみんなと遊べません」
「えー、またー?」
 
このところ、昼休みに児童集会があったり午後から研修だったりで、遊べない日が続きました。
 
「ごめんね?」
「もー。いつもそうなんだからー」
「先生一回もあそんでくれたことないじゃん」
「いや、そんなことはないと思うがどうか」
 
子どもの記憶っていい加減で。
3日くらい続けて「今日の宿題は算数ドリル」とか言ったりすると、
「ずっと前からそうだよー」
なんて言われたりします。
 
3日=ずっと前。
 
その一方で、何ヶ月も前に言ったことを覚えていたりするんですが。
 
で、研修。
安全教育担当者研修。
 
いつから安全教育担当になったんだ、自分。(交通安全は担当だけど)
 
警察の方の講話、ということでしたが、レジュメを見てちょっと不安を覚えました。
なんか、近年の治安情勢のことばかりで、どこにも「子ども」とか「学校」という言葉がないですよ?

そして講話が始まりました。 
 
不安的中。
 
「客引き行為自体は法に触れないんですね。客引きをやって連れて行かれた先が風俗営業をやっていた場合に違反になるんですね。では風俗とは何かというとですね……」
「まあ、公務員削減なんて事が言われていますけど、本当に削減しちゃっていいのかな、なんてことを個人的には思うわけですね……」
 
なんの研修なんだこれは。
 
事前の打ち合わせに不備があったのか、それとも単に講師の問題なのか、「子どもたちの防犯」とは全然関係ない話が続きます。
 
子どもらが風俗に行くとでも思うのかね?
 
っていうかただの世間話です。
 
しかもだんだんまずい方向に。
 
「麻薬とか覚醒剤ですね。やっぱり売ってるのはイラン人が多いですね。イスラム系ですね」
確かにイランはイスラム国家だけど、イラン系イスラム系は違います。
(マレーシアもアゼルバイジャンイスラム系と言えばイスラム系)
沖縄出身者を「関西人」っていうのに近いかも。
 
「やっぱり殺人とかも外国人のほうが凶悪ですね。中国人とか。日本人の客引きは、断られるとすぐあきらめますけどね。これが中国人だったりすると、100mくらいずっとついてきたりするんですね。やっぱり中国人というのは、卑劣というか、汚ねえなあと」
あわわわわ。
ていうか客引きは凶悪犯罪なんですか。
 
「でまあ、『100万貸してやるが、信用力を調べたいから指定の口座に10万振り込め』みたいな詐欺があるわけですね。 しかし思うに、それはもう借りる方も詐欺なんじゃないかと。 どうせ返せないのわかってて100万借りようとするわけですからね」
おいおいおいおいおい。
多重債務者と職業詐欺師を同じ水準で語らないで下さい。
 
「しかし、あまりそういうことを前面に出すと、苦情届け出制度というのがあってですね、まあまずいものですから、まあ、はいはい、って形で話だけは聞くわけですよ」
ちゃんと捜査しろよ。
確かに返せない金を借りる人にも問題はあるけど、職業詐欺師を放置したらもっと問題でしょうに。
 
「まあ、こういったことは先生方も同じだと思うんですが」
違うから! 絶対違いますからッ!*1
 
……まあ、警察の人もこんな人ばかりじゃないと思うんですが。
でも、研修の講師として呼ばれるだけに、それなりの肩書きがある人なんですよね。
やれやれ。
 
その後に出てきた、子どもたちの交通安全・交通指導について説明した警察の人は、豊富なデータに基づいて説明するちゃんとした人でした。
きっと、前の講師のことを苦々しく思ってたんじゃないかなあ。
 
でも、「子どもにこう教えるといい」「子どもについては特にこういう事に注意が必要だ」みたいな話はあまりなかったですね。
一般的なデータの提示が中心で。
 
そういう話をしてくれたのは、三人目の教育委員会の人で、学校現場で一番直接的に生きてきそうなのがその話でした。
 
やっぱり、子ども相手に特化した話は、教育関係者から聞くのが一番なんだなあ、と思いましたが。
 
でも、教育関係者同士で話を聞き合っていると、世界が狭くなってしまう、とも思うんです。
いろんな分野の人から話を聞いて、いろいろな角度・視点からの意見を参考にすることも大切だと思うんですね。
 
……でも、「やっぱり中国人は汚い」とかいう話、どう参考にすれば。

*1:学校にも、「困った保護者」というのは確かにいて、どう考えても筋の違う苦情を持ち込んできたりするんですが。
でも、「聞くだけ聞いて、対応するふりをして対応しない」みたいなことはしませんよ?
対応しなかったらすぐにわかっちゃいますし。(できないことは最初から「それは難しいですね」と言ってしまう)