本校における情報教育の現状と、校内ネットワークの保守について

先日、ノートパソコン用のキーボード保護シートを買ってきました。
 
うっかりしてキーボードの上に紅茶をこぼしてしまって。
一応、パソコンそのものは無事に動いているんですが、カーソルキーがときどき誤作動を起こしてうっとうしい。
それで泥縄式に対策をしたわけです。
 
自宅のデスクトップ機にはカバーがしてあったんですが、思えばデスクトップのキーボードはキーボードだけだけど、ノートパソコンのキーボードは下にパソコン本体が入ってるんですから、ノートパソコンこそカバーをしないといけないんですね。
 
……でも、放熱とか大丈夫なんでしょうか、これ。
 
さて、本校の職員室にはLANが構築されています。
一般企業の人だと「ふーん」って感じの人も多いと思うんですが、本県の学校では、校内のネットワークはないところも多いと思います。
前の学校なんか、職員室にパソコンが一台しかなかったですから。
その前の学校は、職員室のデスクトップ機の他、全職員にノートパソコンが貸与されているものの、戸棚にしまいっぱなし。
授業時数の集計と集計表の印刷は、職員が自作したソフトで行っていました。
でも、それが「Windows上で動作しない」という優れもので、いったんマシンを再起動させないと使えないという。
「きっと、何かポリシーがあったんだろうね」
「そうですかね……」
製作した職員はすでに転任しているので、そのあたりの事情は闇の中なのですが。
 
さて、虚実市教育委員会の話によると、

  • 児童用のパソコン室については、パソコンの購入から回線の敷設、業者の選定まで市の予算で行う。
  • 職員室については知ったことではない。

 
という立場だそうで。
 
……まあ、「職員より子どもが優先だ」という立場には全面的に賛成なんですが……。
 
そんなわけで、現在本校に存在するLANは、現在は他校に転任された前の教頭先生が、ケーブルの敷設やらダイヤルアップルータの設定やらを個人的にやったものです。
 
これがつまり何を意味するかというと、ネットワークがどうやって動いているか誰も知らないのです。
 
中世暗黒時代のヨーロッパでは、ローマ帝国時代より技術水準が大幅に低下しました。
当時の戦争では、都市攻囲戦において、水道に毒を入れることもありました。
しかし、水道橋などを破壊する、といったことは行われませんでした。
なぜなら、水道設備はローマ時代の遺跡をそのまま使っていて、壊したら誰にも作り直せないから。
 
何が言いたいのかというと、「ネットワークが不調になると大変困る」ということです。
誰にも直せないから。
暗黒時代。
 
Windowsが、「ネットワーク管理者に問い合わせて下さい」とか言い出すと、
ネットワーク管理者? 誰それ? ……ひょっとして私?」みたいな。
 
一応、私は「情報メディア教育主任」とかいう肩書きを付けられているので、パソコン関係のことは私に回ってくるんですが。
 
そうはいっても、本校の技術水準というのが以下のような感じで。
 
事例1
A教諭「K村先生、さっきのデジカメの画像、どうなった?」
私「ええと、職員室のパソコンの、『17年度文書』フォルダに入ってますよ?」
A教諭「さっきから私のノートパソコンでさがしてるんだけど、どうしても見つからないんだけど……」
私「おや……? ……いえ、私のパソコンでは見えてますが。フォルダは見えますか?」
A教諭「フォルダは見えるんだけど、開いても何も入ってないよ?」
私「おかしいな……。 ちょっと見せて下さい」
 
見ると、エクスプローラではなくて一太郎の「ファイルを開く」で写真を探しているという。
いや、一太郎文書に写真を入れたいのはわかるんですが。
 
事例2
B教諭「K村先生、教育委員会からFAX来たよ」
私「ははあ。 ……『夏季休業中、子どもたちには出会い系サイト等に十分注意させること』だそうですよ」
B教諭「先生なんか担当が2年生だから、出会い系は関係ないよねえ」
私「あー、でも、掲示板で『ぼくはしょうがく3ねんせいです。かぶとむしがたくさんとれたのでほしいひとに100えんでうってあげますのできてください』みたいな書き込みに釣られてのこのこ出かけていって、実は相手が変質者で危険な目に遭う、みたいな事件はあるんですよ」
B教諭「ああ、なるほどね。 私なんかまだその電子掲示板ってやつがピンとこなくて。『掲示板? 町内会の?』みたいな」
私「たぶん、教育委員会もピンと来てないと思います」
 
事例3
「あれ? K村先生のノートパソコンにかかってる、そのビニールシートなに? ああわかった、それをするとウイルスに感染しないんでしょ」
 
ていうか、「情報メディア教育」って、子どもを教育するんだと思うんですが。
子どもが優先で、職員なんか知ったことではないのですよー(嘘ですごめんなさい)。
 
まあ、頼られるのはうれしいんですが、しょせんそういう中での主任ですから、頼られても頼りないという(本当は私より詳しい先生もいるのに。すごく忙しい先生なので、その上パソコンまで担当できない、という)。
 
いわゆる中世暗黒時代というのはヨーロッパの話で、地中海を挟んで対岸のイスラム世界では、ローマ時代の文明が部分的ながら引き継がれ、発展していました。(ちなみにヨーロッパの中世というのは5世紀末から15世紀末まで。日本では古墳時代末期から秀吉が死ぬころまで……って、長え!)
これが後に十字軍遠征の中でヨーロッパに持ち帰られ、やがてルネサンスを起こすわけですが、さて(なお、十字軍は11世紀末から始まっていて、ヨーロッパも15世紀末までずっと停滞していたわけではないんですが)。
 
なんだか9月までにパソコン室のネットワークが全面的に構築しなおされるそうで、一部の機器を共有していた職員室のネットワークも作り直さなきゃならないんです。
現在のものを保守するならまだしも、再構築ですと?
この間、私が休暇を取っている間にやってきた業者さんが、ダイヤルアップルータのケーブルを全部引っこ抜いて、そのまま帰っちゃったので、職員室は大混乱に。
教育委員会は面倒見てくれないし。
 
助けてイスラム世界。
アッラーフ・アクバル!