「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」感想。

結局見たわけですよ。先日。
 
で、感想など。
 
まず、「序」に関して言えば、ストーリー的にはほとんどテレビ放映版と同一です。
内容としては、ヤシマ作戦の終了(第六話 「決戦、第三新東京市」)まで。
 
とはいえ、クオリティは高まっていますので、エヴァンゲリオンを見たことのある人でも充分楽しめると思います。
というか、これなら、そもそもエヴァのファンでない人にも勧められるレベルではないかと……
 
と思っていたら、映画が終わった後、後ろの席に座っていたイケメンが
「うー、軽く寝た」
とか言ったので私も目が覚めました。
 
くそう。*1
 
以下、雑感。
 
・いきなり海が赤いのでびっくり。まあ確かに、15年も経ってるんだし、南氷洋だけ赤い、ってこともないのか。でも、「青い海+戦車隊」の方が、「日常と非日常」って感じで興奮したなあ。
まあ、ファン向けに、「テレビと違うぞ!」ってことなのかしらんけど。
 
・なんか、国連軍が強化されてて、「巡航ミサイル!?」を連射してる。ので、サキエルがミサイルを握りつぶすシーンはなかった。むむむ。
 
・でも、「化け物め!」とか「そのためのネルフです」とか、主要な台詞には変化がなくて安心。ていうか懐かしくて笑った。
 
使徒の番号が違うのはなんでー。ちくしょう思惑に乗せられてる。
 
・「ここはあなたの家なのよ?」「たっ……ただいま……」「おかえりなさい!」 (ドア閉まる。「葛城」の表札=他人の家)
……というシーンは今でもすごいと思う。
 
・ところが、「雨、逃げ出した後」の内容は大幅に変更されてるのでした。繁華街の裏通りで段ボールにくるまって寝るとか、シンジ君生活力ありすぎだ。
トウジを殴って「貸し借りナシ」になるシーンはある(駅ではなく学校)なんだけど、駅に行かないので、ミサトさんに自分から「ただいま」って言うシーンはない。
あれは、表札と対になるシーンだったよね……。
それがないってことは……。
駅のアナウンスが誰の声なのか(テレビでは、明らかにゲンドウと同じ声優)、ちょっと気になってたんだけどな。
 
・同じくちょっと気になっていた「寝ぼけて、その格好で来ないでね」は、やっぱり“なかったこと”になったらしい。
テレビでは、病院で意識を取り戻した裸のシンジにレイがそう言う。
劇場版「シト新生」では、シンジが服を着ていてびっくり。もちろんレイの台詞はない。
で、新劇場版では、シンジは裸なんだけど、レイの台詞はない。
 
・「夕暮れの電車内」のシーンが増えて喜ぶのはバカですかね。 碇レイ? 綾波シンジ? そういや、「綾波」姓ってどこから来たんだ? (駆逐艦から? うるさいよ)ちくしょう乗せられてる。
 
シャムシエルの脚(肋骨?)、無意味にわしゃわしゃ動くのもいかがなものかと思う。
 
使徒が死ぬといちいち虹がかかるのは悪趣味だなあ。(ほめ言葉)
あれは、旧約聖書
「わたしは雲の中にわたしの虹を置く。
これはわたしと大地の間に立てた契約のしるしとなる。(創世記 9章13節)」
から来てるんですよね?
ちなみに死んだ使徒は血の海になって消えてしまうので、シャムシエルのコアが残る場面はなし。
ってことは、ラミエルの残骸をどけるのに苦労する話もなしだな。
そしてゲンドウが実験中にレイを助けて火傷をした話をシンジが聞くこともなし。
 
ヤシマ作戦の描写は強化されてて燃えました。必死で復旧しようとするおじさんたちとか。自走レーザー砲とバルーンダミーがなくなったのは残念ですが。
 
ヤシマ作戦の最終段階、テレビ版では、暗い地域が箱根を中心に広がっていく描写だったけど、今回は逆に、箱根から遠い地域から、地域単位で灯りが消えて行きました。
「トラブルが発生した時の事を考えると、箱根=第三新東京市の電力を最後に切るべき」
という意見は放映当時からあって。
それに即したものと言えましょう。
 
ラミエルの無駄な強まりっぷりには相当笑った。加粒子砲乱れ撃ちとか。ビルはおろか山が消し飛ぶとか。
対するネルフ側のすさまじい弾幕にも大笑いした。
しかし、そのハイパーラミエルに撃たれて吹っ飛んで、それでも使えるポジトロンライフルって、即席ででっちあげたにしちゃあ丈夫すぎませんか。零号機の盾もそうだけど。
 
・予告編も、初めて見るのに懐かしい。「壊れていくシンジの物語」って、壊れていくのはシンジなんですか物語なんですか。
「序」は、ほぼテレビと同じストーリーでしたが、結末は変わるらしいので、その暗示なんでしょうか。
 
その他、思い出したら書き足すかも。
 
さて、館内で周囲を見回すと、私と同年代の人がほとんどでした。
……小学生を連れてきてる人はいませんでしたね。
まあ、遅い時間だったから、子どもがいたらびっくりですが。
 
でも、男女比は半々……とまでは言いませんが、7:3か6:4くらいだったので、思いの外女性も多いなあ、と。
カップルで来てる人もいましたよ。
(女性の二人連れも)
 
いかにもオタク、という風貌の人はいませんでした。
まあ、私を含め、わりと普段着っぽい服装の人が多かったのも事実ですが、遅い時間でもありますし……。
 
たぶんみんな、私と同時期にエヴァを見てはまって、オタッキーな青春時代を過ごした人達なんでしょうけど。
でも、エヴァにはまったような人でも、ちゃんと社会人になれるんだよねー、と、変な連帯感を抱きました。
 
10年経つのに、シンジ君は相変わらず中学生なんだねえ……と思おうとして、よく考えたら自分も大して精神的に成長した気がしねえ。
 
……で、放映が終わって通路に出たら、ちょうど隣の映画も終わって客がぞろぞろ出てくるところでした。
 
見れば、客の大半がカップルで、夜中だけどみんなちゃんとおしゃれしてて、なんか香水の香りとかも漂ってきてですね……。
 
……目が覚めましたよ。
 
くそう…………。

*1:でも、わりとアクションも多い映画なのに。よく寝られるな。