さて、TRPGプレイ機会の少なさを憂えていた私。
一念発起して、とあるコンベンションに参加することにしました。*1
本当は、
「今年はコンベンションに参加しよう」
と思い立ったのは年初なんですが。
それが、こんな時期まで遅れたのは、一つには学校行事と重なったりしたため。
そして二つ目には、
「自分、もう過去の人なんじゃ……」
ということ。
正直、今どきのF.E.A.R.社製品のシステムとか理解できないですよ。
登場判定とか、ルールは読んでいるんです。
でも、個々のルールは、システムの中に位置付けられ、セッションの中で動作して初めてその意味がわかるわけで。
プレイヤーとして参加して、
「ああ、このルールはこういう風に使うのか!」
って思わされたことも、過去に度々ありますから。*2
だから、ルールブックを読んだだけでは、そのシステムを知っているとは言えないわけです。
まして、コンベンションでGMなんてとてもとても。
(リプレイ読め、って話なのかもしれないですが)
かと言って、
「今日はTORGを持ってきました」*3
とか言っても、誰も知らないだろうしなあ……。
大体、高校〜大学生くらいのプレイヤーばかりの中に自分が混ざったら、かなり違和感あるんじゃないかなあ……。
大学生時代、社会人のプレイヤーと同席した時は、緊張したものなあ……。
などと思って、二の足を踏んでいたわけです。
しかしながら、とうとう先日、思い切ってコンベンションに行ってきました。
「F.E.A.R.限定」
ということなので、迷わずプレイヤー参加。
8年くらい前には何度か参加したことのあるコンベンションだったんですが、結構緊張しました。
で、会場に入って、まず感じたこと。
「……みんな老けたね」
えーと。
なんか、見回したら同年代ばかりでしたよ?
個人的な知り合いがいるわけではないんですが、なんだか見覚えのある顔がいくつも。
……あんなにジェネレーションギャップの心配をしたのに!
なんか、ほっとしたようながっかりしたような。
下の世代、育ってないのか……?
こう、記憶よりもみんなちょっと丸くなって(物理的に)、額が広い人(物理的に)が増えていたように感じます。
(他人のことは言えない)
先に書いておくと、ゲーム自体はいたく楽しかったのです。
で、シナリオとか以外で感じたことをつらつらと。
*4
……昔と一緒ですなあ。
や、個々人の見た目は、こんなに「濃く」なかったですが。
で、もうちょっとみんな丸くて額が……(それはもういい)
で、なつかしいなー、なんて思いながら周囲を見回していたら、「GM」の腕章を着けた、大学時代の先輩を発見。
「……お久しぶりです」
「おお、K村君かー」
聞けば、
・このコンベンションの参加者はほとんど固定である。
・自分たちが運営する別のコンベンションの宣伝をかねて参加している人が多い。
・かく言う自分は、2年ぶりくらいの参加である。
・今日やる予定のシステムも、まだ2回目(今日を含めて)。*5
・「今日出てるシステムの中では、NOVAが一番古いんじゃないかー? 基本は」*6
・現在、ソードワールド世界(フォーセリア)にばらまかれていたシナリオソースを、水野良が小説で片端からつぶしているところ。
「ロドーリルの侵攻も止まったし、巨神像ももう立ってないし」
「……水野さんはフォーセリアを自分の手で終わらせるつもりですか。ていうか今後どうやってシナリオ作るんですかそれ」
「近くソードワールド2.0が出るんだって」
「2.0て」*7
・「今日出てるシステムの中で一番プレイしやすいのは、エンゼルギアじゃないかなー? 永遠に原作が出ない原作付きTRPG(笑)」*8
後半は、こっちが質問してもいないのに一方的にいろいろ教えてくれたり。
……昔と一緒ですなあ。
いや、ありがたいけど。
ホワイトボードに掲示された「シナリオ予告」を見る限り、この日出ていたシステムの一つとして、プレイ経験のあるものはありませんでした。
でも、全部、「初心者対応:あり」と書いてあるので、どこに行っても安心……なわけはない。
「対応しません」って書く人はまず滅多にいないので、実際どの程度配慮してくれるかは、GM紹介とかをよく見て判断するしかない。
少なくとも5年前はそうでした。
プレイ経験はどれもないわけですが、比較的ちゃんとルールを理解しているのは、“迷宮キングダム”かな……って、それは確かF.E.A.R.じゃないんでは?
シナリオ予告を良く読むと、
「今日はF.E.A.R.ということで、システムは迷宮キングダム*9を使いつつ、背景世界はエンゼルギアのシナリオです」
うわハードル高っ!
でも、「初心者対応:あり」。
どんな初心者を想定してるんですかそれ。*10
てなわけで色々避けて、結局参加したのは「比叡山炎上」。*11
……F.E.A.R.だったか、それ?
しかし……GM紹介を聞いたわけですけど。
シナリオの予告編、三十路過ぎの人が“心を込めて”朗読してるのを聞くとですね……。
彼らは、惨劇の中、少女を守りきることができるのだろうか。 そして、最後に彼らが見た真実とは……。
うっ……。
正直、痛い。
若い頃は平気だったんだがな……。
……年齢より、ブランクがあったのが原因かも知れないですが。
あと、どこで読んだのか忘れましたが、
「プレイヤーの信頼を得たいなら、GMは実名で参加すべき」*12
という話があったんですが。
「ピエロ」
「トベ兄」
……7割くらいは実名じゃなかった。
まあ、個人情報をどう管理するかは、その人の自由であるべきとは思いますけども。
しかし、スタッフが着けてる名札を見ても、
「カナン」
「営業」
……名札……か?*13
私がGMやった時は、実名でやったけどなあ……。(ただし名字だけ)
なお、前述の先輩、T越さんも本名(名字のみ)でした。
ともあれ、同年代か少し上のGMと、同年代か少し上のプレイヤーとともにテーブルを囲み、キャラクターメイキングの後はコンビニへ昼食の買い出し。
ところが、ふと見ると、1リットル入りのジュースを買ってる人とか、なんか山のようにスナック菓子を買ってる人とか。
一瞬不審に思いましたが、はっと気付きました。
これはつまり、みんなで飲んだり食べたりするものを買ってるわけですね?
知り合い同士でテーブルを囲む時には、みんなのために飲み物食べ物を買うのは普通でしたが。
でも、コンベンションでは、そういうのを見たことがなかったので……。
さすがに8年たって、みんなお互いに気遣いするようになったんだなあ、と思いました。
で、遅ればせながら自分もせんべいなんかを買いました。
なぜか弁当を二つ買ってる人とかがいたのは気になりましたが……。
……で、いざゲームが始まったら、買ったスナックをみんなのために開けたのは私とGMだけ。
他の人は、山のように買ったスナック菓子を全部自分で食べてるという。
……確かに、みんなの飲み物を買うのにグレープフルーツジュースって選択はあり得ないとは思ったけどさ……。
一人でそんなに食べたら太りますよ?
……もう太ってるけど。
8年前より経済力がついた分、ためらいなく大食いになってましたね。みんな。
繰り返しますが、ゲームそのものは非常に楽しかったのです。
また行こうかとさえ思います。
っていうか、自分が「過去の人」ではないらしいことがわかったので、GMとしてでも。*14
しかしまあ、ホントに昔と一緒だな、という……。
時間内にシナリオが終わらなくて、閉会式後まで延長になっちゃうところまで一緒でした。
*1:TRPGコンベンション。
TRPGを遊びたい人が集まって、一緒に遊ぶイベントのこと。
TRPGは気の合う友人と遊ぶのが最高です(と私は思う)が、5人前後の人数が半日くらいかけて遊ぶゲームなので、スケジュール調整が困難なのも事実。
なので、こういうイベントの需要がある。
*2:ちなみにそれを一番最初に感じた時、システムは「熱血専用!!」でした。
あれにルールなんかないだろう、って? うるさいよ。
*3:6つの異世界から侵略されている、近未来の地球が舞台。
日本語版は1995年に絶版になっている。
*4:「粋なゲーマー養成講座」(朱鷺田 祐介)
http://www.amazon.co.jp/%E7%B2%8B%E3%81%AA%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%BC%E9%A4%8A%E6%88%90%E8%AC%9B%E5%BA%A7-%E6%9C%B1%E9%B7%BA%E7%94%B0-%E7%A5%90%E4%BB%8B/dp/4893664581
*5:すげえチャレンジング。
*6:トーキョーN◎VA。
最初の版以降、The 2ndEdition → The Revolution → The Detonation という改訂に次ぐ改訂を経ている。
私は“The Revolution”しか持ってないので、どの程度違うのかわかりません。
*7:ロードス島を始め、フォーセリア世界を生み出したのは水野良です。
しかし、ゲームの背景世界として公開(販売)した以上、それは「みんなのもの」なんじゃないですかね……?
過去に巨神像がらみのシナリオとか自作してプレイした人達はどうなるんだろ。
まあ、水野さん個人の判断ではなくて、SNEの総意なんでしょうし。ちりばめられた「謎」について、公式の解答があってはいけないのか、と言われると、それも難しいですけど……。
*8:「エンゼルギア 天使大戦TRPG」。持ってるけど良く読んでない。
エヴァっぽい話みたい。
世界の大部分は、宗教国家「合衆国」に支配されている。
プレイヤーは、極東の島国「ヤシマ」を、「合衆国」が送り込んでくる謎の存在「天使兵」から守るため、ロボット兵器「シュネルギア」に乗り込んで戦う。
原作はパソコンのアダルトゲームらしいがまだ発売されていないらしい。
*9:全てが果てしない迷宮に飲み込まれ、怪物が闊歩する世界で、人口数十人のミニ国家の君主とその臣下となり、様々な災厄と戦って王国を広げていくゲーム。
たぶん、コンベンションではなくて、同じメンバーで何度も繰り返し遊ぶのがふさわしいゲームだと思う。
*10:ていうか、システムと背景世界は一体だ、と思うんですが。
「(略)ゲームの設定は、システムと結びついているのが多いんだよ。似合ったシステムでやらなきゃ」
「まあ、ルールの特性を生かしてないゲームも結構あるけどな……」
(「粋なゲーマー養成講座」より)
*11:戦国時代の日本を舞台にしたホラーTRPG。
アメリカの怪奇作家ラヴクラフトが創造した「クトゥルフ神話」の系列。
クトゥルフ神話の設定を取り入れた作品は、ラヴクラフトの死後もたくさんの作家によって書き続けられ、ゲームやアニメにその設定が使われていることもある。
クトゥルフ神話を扱ったTRPGは、30年代アメリカや19世紀イギリス、明治・大正の日本など、様々な時代を背景としたものが出ている。
*12:実名、と言っても、名字だけとか。
*13:なお、ここで挙げてる「名前」は、原則として私が創作してます。
*14:あのコンベンションそのものが時代に取り残されつつあるのでは、という気がしなくもないですが。