最近、ハンドミキサーを買いました。
と言っても、右の写真にあるとおり、電動のものではなくて、古式ゆかしい手動のものです。
(ていうか、「ハンドミキサー」というと普通は電動のものを指す、ということ自体、さっきまで知らなかったんですが)
少し前に電動のものを買ったんですが、今ひとつパワーが不足で、卵を混ぜてもなかなか黄身と白身が混ざらない。
それで、ちょっと使っただけでしまいこんでいたのです。
もったいない。
まあ、300円ショップで買ったやつだからいいですけど。
……それが問題なのか?
で、まあ、この手動ハンドミキサーを見つけて、「おおっ!」という感じでとびついたわけです。
「まさか100円ショップに置いてあるなんて!」
……反省がないな。
とはいえ、電動のものと違って人力ですから、「十分な力が出ない」みたいなことはないはず……
と、思いきや。
なんか知りませんが、やたらハンドルを回すのに抵抗があります。
「おかしいな?」
不審に思ってよくよく見てみると。
パーティングラインが。
パーティングラインというのは、プラモデルなどの部品を作る時、金型の雌型と雄型の継ぎ目に出来てしまうラインのこと。
……プラモデルだったのか。
てっきり金属製の歯車だと思ってたんですが、確かにあまりに軽すぎました。
回すのは重いんだけど。
いや、まあ、プラスチックの歯車だって別に構わないわけです。
スムーズに動くかどうかは部品の精度によるのであって、材質ではないわけですよ。*1
……で、なんでこのハンドミキサーがスムーズに動かないかというと、要するに、本来ならちゃんと動くはずの部品の上に、金属製に見せかけるためにメッキを施してあるからなんですね。
いらんメッキのせいでギアの歯が丸っこくなって、うまくかみ合わなくなっているのです。
ユーザーの使い勝手よりも、消費者をだまくらかす方に力を入れるというこの姿勢。
メーカーの、モノ作りに懸ける真摯な情熱に目頭が熱くなります。
……と、色々書きつづってきましたが、実は、買ってから何度か使っているうちに、わりとスムーズに回るようになってきました。
この大きい歯車はプラスチック製ですが、それと噛み合う小さい歯車は金属製で。
どうやら、使っているうちに大きい歯車の無駄な部分が少しずつ削れて、うまく噛み合うようになってきたようです。
……まあ、それはそれで気になることもあるんですが。
「そんなにすぐに削れるんじゃ、じきにすり減って使えなくなるんじゃないか」
とか、
「削れた分のメッキとプラスチックは、どこへ行ったのか」
とか。