自力本願。

七夕ということで、子どもたちに短冊を渡し、願い事を書かせました。
それに絡めて、なにかためになる話ができないか、と思い、七夕の由来など調べてみました。(ネット万歳)。
牽牛・織女の伝説はみんな知っていても、「なぜ七夕に願いを掛けるのか」は知らないから、それくらいわかれば、と思ったんですが。
 
しかし、ちょっと調べたところで、民俗的混沌に直面してやめ。
 
「五色の短冊」が、陰陽五行だろうくらいの想像はしてたんですが、棚機津女であり乞巧奠であり種播祭であり、本来は技芸の上達を願うものであったり豊作祈願だったり、七夕の晩とは七月七日の夜明け前のことであり、しかも旧暦では梅雨明け後であり……という。
 
「習合」というものの威力を思い知りました。
 
とても子どもたちに説明できません。
 
やむなく、
 
「織り姫や彦星が、みんなの願いを叶えてくれるかどうかはわかりません。
でも、自分の願い、叶えたいことを、ただ頭の中に置いておくのではなく、紙に書き出してみることは、それを自分の力で実現するためにも、とても大切なことなんだよ」
 
という、いんちき企業経営者セミナーでしゃべってそうなことを話してみたり。
 
そうして、帰りにスーパーに寄ったら、店内に七夕飾りが。
どうやら近くの小学校の児童が短冊を書いたもののようです。
 
たどたどしい字で、
 
「さっかせんしゅになりますように」
作家選手?
 
めろんのおうちになりたいです」
……何か、元ネタがあるんでしょうか。情報求む。
 
「ままのびょうきはやくなおりますように」
…………。
 
不意を打たれて、思わず涙腺がゆるみました。
 
今日の外はあいにくの雨です。
 
しかし、そもそも、仮に晴れたとしても、本来の七夕の日が、織り姫と彦星が願いを叶えてくれる日なのかどうかは疑わしいものです。
たぶん、奴らラブラブで、他人の願いなんかかまってる暇ないんじゃないかと。
 
しかし、その願いが天に届かずとも、「おかあさん」自身には必ず届き、きっとその心の支えとなることでありましょう。
 
どこの誰とも知らぬ幼子ではありますが、その願いの叶うことを願って止みません。