結婚を祝われる会(中編)

前編→http://d.hatena.ne.jp/filinion/20080808
 
続きを書いてたらおそろしく長くなってしまったのでさらに分割します。
 
いや、楽しい思い出は省略したくないものですよ。
(言い訳)
 

皆様からのお祝いの言葉。

 
 「前編」について弟からメールが来ました。
 
>いいですね。
>なんだか、映画のハッピーエンドのシーンみたいですね。
>登場人物が全員出てきてお祝いとか。

 
 結婚はハッピーエンドでもゴールでもなく、一つの通過点であろうと思っています。
 10年間の付き合いと言えば長い気がしますが、結婚生活はもっともっともっと長いわけなので。

 
>ブログは続きますか?
 
 もうちょっとだけ続くんじゃよ。
 
>ところで、みんなでサイクリングって、あの大学なら嘘設定でもないような。
 
 うむ。
 サークルが終わった後
「飯でも食いに行こうぜー」
 って行ってみんなが自転車にまたがるのが普通だったあの頃。
 
 そんな大学めったにねえ、って知ったのは、その文化に慣れてしばらくしてからでした。
(どの大学か当てようとするの禁止)
 
>卒論さんが私の同級生と同姓同名なのですが。
 3人見ると死ぬらしいので注意してください。(嘘)
 
 ところで、前編の「某さん」は、「鷹安さん」でした。
 ハンドルネーム書くかどうか迷ってやめたんですが、本人がいいと言ってくれたので書く。
 
  「ええと、今日ここには来ていませんが、サークルの先輩方からもお祝いのメールが届いています」
  「K村さんの携帯に転送しますね」

ご結婚おめでとうございます!
K村Jr.はどんな子に育つのでしょうか?楽しみです。
お二人の幸せをお祈りしています。

ありがとうございます。

ご結婚おめでとうございます。
奥様の話をよく聞いて、家庭円満に!
まあ、「良い夫」のロールプレイをしていれば間違いないんじゃないかなー?

 「物量の投入、戦力の集中、人生はTRPG」でしたっけ。(うろおぼえ)
 「物量の投入」だけは覚えているんですが。(ソビエト軍的戦術)
 
  「それと、祝電も届いています」
K村「ほんとに電報なのか」
  「まあ、せっかくだから、って」

ご結婚おめでとうございます。
生活は現実です。
だからこそ、夢のあるご家庭をおつくりください。
お幸せに。

 皆様本当にありがとうございます。
 
 さて。
 
「あんまり接点がない」
 のところから。
 
  「いや、まあつまり、これからお二人で思い出を作っていけばいいと言うか……」
  「フォローフォロー」
 

偶然的出会い。

 
  「……お話を聞いてると、正直なんでお二人が結婚することになったのかよくわからないんですが、どうして結婚しようと思ったんですか?」
卒論ちゃん「あ、でもその頃は私も自宅警備員っぽかったんで……」
 
 「も」って言いましたか?
 

K村「服装とかも、会った頃はわりと地味な子だったしね」
卒論ちゃん「何それ。むかつくんですけど」
  「おお、K村さんが巻き返しを図っている」
 
 わかりやすく言うとメガネっ娘でした。
それも委員長じゃなくて図書委員系の。
 
K村「なので正直、もしも今出会ったら付き合ってないかも知れないとは思うなあ」
卒論ちゃん「ていうか、出会わない気が」
  「……そう言われると、もう大学を卒業してしまった僕らは望みがなくなってしまうんですが」
卒論ちゃん「いや、そういうことではなくって……」
K村「タイミングが大事だ、というか……」
卒論ちゃん「きっと出会いはありますよー」
 
 フォローフォロー。
 
  「告白したのはどっちからだったんですか?」
K村「んー……。卒論ちゃんから? でいいんだよね?」
卒論ちゃん「うん」
 
 どっちから告白したか、についてはややこしい事情があるんですがめんどくさいのでさておきます。
 
  「卒論さんは、K村さんのどこが良かったんですか?」
卒論ちゃん「うーん、優しいところ?」
 

  「あー」
  「あー……」
K村「何その微妙な反応」
  「いや確かに、K村さんは大きい学校より小さい学校で一人一人面倒みたりするのが向いているかな、という気はしますよね。僕ら学校のことは部外者ではありますけど」
K村「うーん、そうかなあ……」
  「フォローフォロー」
  「お前らフォローとか言うの禁止!」
 

  「しかしさっきから僕ら、ごく一般的な話題を振ってるつもりなんですが……」
  「なぜかことごとく地雷を踏んでるという……」
K村「え? そう?」
 
 そう?
 

聖夜のプロポーズ(……(笑)とかつけたほうがいいですか?)

 

   「えーと、プロポーズはどちらから?」
K村「あー、それは私から」
  「それはいつですか?」
K村「確か、何年か前のクリスマスに……」
  「どこで?」
K村「確か、レストランで食事をした後……」
  「誰と?」
K村「5W1Hを全部聞く必要あるんかい」
  「卒論さんとでなかったらびっくりですな」
  「どんな感じだったんですか?」
K村「……ちょっと照れくさいな」
  「いやいや、ぜひ!」
K村「まあ……。指輪を渡してですね。
 それで、
 ・僕は卒論ちゃんと一緒にいると幸せだ
 ・卒論ちゃんのことも幸せにしたいし、今まで、そうなるように支えてきたつもりだ
 ・これからも、ずっと二人で一緒にいよう
 ……みたいなことを言ったわけです」
  「ほうほう、それで?」

再現:
K村「これからもずっと一緒にいてほしい」
卒論ちゃん「いーよー」

  「軽っ!」
  「それ、普通の発言だと思われてません?」

K村「………………」
卒論ちゃん「どうしたの?」
K村「いや、今の、プロポーズだったんだけど」
卒論ちゃん「えーっ!?」


K村「……というわけで、プロポーズをしたけど気づかれなかったという……」
  「またか!」
  「また地雷かっ!」
K村「いやまあ、一応OKはもらったんですが」
  「クリスマスに合わせたせいで逆に指輪が薄れてしまったというか……」
K村「……確か、クリスマスプレゼントをあげた後で、別に指輪をあげたんだけどな」
卒論ちゃん「そうだっけ?」
 
 物量の投入。
 
  「それで結婚ですか」
K村「まあその時は一応OKをもらったんだけど。
 でも、『もし僕らが結婚したら〜〜』みたいな話はずっと前からしてたから、『いつか結婚するんだろうなあ』的な感じはずっとあったかも」
卒論ちゃん「先輩が北海道に行ったときは、『こっちに来ないか』って言われたし」
  「おおー」
  「それで?」
卒論ちゃん「絶対やだ、って」
K村「逆に、3年以内に帰ってこなかったら別れる、って言われた」
  「…………」
  「……まあ、それで本当に再受験して2年で帰って来た、っていうのもすごいですよね」
  「フォローフォロー」
  「フォローとか言うの禁止!」
卒論ちゃん「まあ、あたしがあんまり結婚願望のない人なんでー」
 
 「あまりない」っていうか、むしろマイナス。
 

運命の九星気学

 

  「……それがなぜ結婚を決意したんですか?」
K村「……細木数子?」
  細木数子?」
K村「ある日、卒論ちゃんが、
 『今年は二人とも運気が悪いらしいから結婚するのはヤだけど、再来年は二人とも運気がいいから、再来年なら結婚してもいい』
 ……って」
  「そ、それで2年待ったんですか」
K村「うん。結婚する気のなかった卒論ちゃんが結婚する気になったんならまあいいか、と」
  「しかし、K村さんがプロポーズしても結婚が決まらなかったのに……」
  細木数子の一言で結婚を決意したというのは……」
K村「ちょっと脱力したのは確かでした。しかしそれより、2年の間に細木数子の気が変わったらどうしよう、というのが心配だったなあ」
 

  「卒論さんの知り合いの方の間では、K村さんの評判はどうなんですか?」
卒論ちゃん「あー、なんか、『すごいけなげな彼氏だねえ』って」
  「……それ、男性の評価としてはあまり聞かない……」
K村「ちなみに私の場合、なぜか『結婚するのやめろよ』って言われます」
 
 不思議だね!
 
  「でも、こうしてサークル内で結婚するカップルがいた、っていうのは、あのサークルにも意義があったってことですね」
 
 いや、卒論ちゃんと出会えたことを抜きにしても意義がありますよ?
 
 あのサークルのおかげで、かくも良き友人に恵まれたわけですから。
 
 あ、当時の卒論ちゃんも、同じテーブルの皆さんのことを、
「気遣いしてくれていい人」
 とか、わりと高評価だったので付言しておきます。
(べつに嫉妬とかしなかったよ? ほんとだよ?)
 
後編に続く。