エコかー。〜ひとに優しい、地球に優しい〜

 これは、結婚する少し前の話。
 
 リーマン・ブラザーズが破綻するちょっと前、日本がまだ「戦後最長の好景気」の中にあり、多くの人にとってサブプライムローン問題はまだ海の向こうの問題に過ぎなかった時代……。
 
 ……と書くと大昔のようですな、しかし。
 
*以下、トロ(白い方)が卒論ちゃん(我が最愛の妻……になる前の話ですが)、クロ(黒い方)が私。
 
 
卒論ちゃん「ねえねえ先輩、今、真倉市が大変なんだにゃ」*1
filinion「どうしたんだにゃ?」
 

卒論ちゃん「なんか市長が、“真倉市縦貫自動車道”とかの建設計画をぶちあげたんだにゃ!」
filinion「……真倉市って、けっこう財政厳しいんじゃなかったっけ?」
卒論ちゃん「そうなんだにゃ! そんなもの作ってる場合じゃないんだにゃ!」
 
 まあ、公共投資ってことなのかも知れませんけども……。
 

卒論ちゃん「そもそも、現代のクルマ社会が今後それほど長く続くはずはないのですにゃ。
 それなのに自動車道建設なんて間違っているにゃ!」
filinion「そーねー……」*2
卒論ちゃん「最近の原油価格の高騰もその予兆なんだにゃー!」*3
 

filinion「……と、いうわけで、休日などは可能な限り出かけずに家にこもっているのが地球に優しいエコライフなんですにゃー」
卒論ちゃん「!!」
 

卒論ちゃん「そんなのやだー。燃費の良い車を買ったらいいだにゃー」
filinion「じゃあ、みんなで軽自動車に乗ればいいんだにゃー。軽は燃費は良いし税金も安いし万々歳だにゃー」
卒論ちゃん「うにゃー!」
 
「先輩が私より小さい車に乗ってるのはやだ」
 とは彼女の口癖。
 
 いいじゃん別にー。
 

卒論ちゃん「プリウスプリウス! プリウス買ってにゃー!」
filinion「あんなバカ高え車買えるわけないにゃー! 結婚資金が吹っ飛ぶにゃー!」
 

filinion「大体、いくらプリウスが燃費がいいって言ったって、車重が段違いである以上、軽自動車に燃費でかなうわけがないんだにゃ」
卒論ちゃん「えー、そうなのー?」
 

卒論ちゃん「でもさ、軽自動車はやっぱり普通自動車に比べて安全性に問題があるんだにゃ……。心配にゃ……」
filinion「卒論ちゃん……」
卒論ちゃん「もし、私が先輩の車に一緒に乗ってて事故にあって、あたしが死んじゃったらどうするんだにゃ!」
filinion「自分が死ぬ心配か!」
 

卒論ちゃん「だってさ、先輩は、交通事故で先輩は生きてるけどあたしは死んじゃうのと、あたしは生きてて先輩が死んじゃうの、どっちがイヤ?」
filinion「……そりゃまあ、どっちかと言われれば卒論ちゃんが死ぬ方がイヤですが……」
卒論ちゃん「だったら、たとえばの話として適切だにゃ!」
filinion「……」
 
 なんか釈然としねえー。
 
*余談

国土交通省「いや、プリウスはあんたのダイハツMAXの倍以上燃費がいいよ?」*4
filinion「がーん」
 
 ブレーキ回生機構おそるべし。
 
 ……まあ、軽とは言っても四駆だしな……。
 
 とはいえ、起伏の多いコースでは車重が問題になってくるので、虚実の山奥にある鱶沢小学校に往復するには、やっぱり軽の方がいいよ! とか勝手に思っていたわけですが。
 
(この話ちょっと続きます。続きをいつ書くかは未定ですが)

*1:卒論ちゃんは真倉市役所職員です。

*2:私が微妙な反応なのは、「またなんかニューエイジなこと言い出すんじゃないか」と思っているから。

*3:そんな時期があったの覚えてます?

*4:私も別にエコに関心がないわけではないのです。