奧さんが入退院しました。(入院~退院編)

 前回のあらすじ:外出中に奧さんが自宅で倒れて緊急通報。脳神経外科に搬送されてひとまず無事だったのですが……。
奧さんが入退院しました。(救急車編) - 小学校笑いぐさ日記
 
 入院には連帯保証人が必要、と言われても、うちは2人暮らしで、その片方はまさに倒れているのですが。連帯とは。
 
 そうなると、思いつくのは隣市に住んでる実家の両親しかいない。
 
 すでに夜半過ぎでしたが、試しに母にLINEで「奧さんが倒れて入院することになったのですが云々。今から電話で話せますか?」と送ると、すぐにOKの返事が。
 以下電話での会話。
 
私「……という事情なんですが明日そちらに行ってもいいですか。連帯保証人とはいえ支払いが滞ってご迷惑をお掛けするようなことはないと思うので」
母「それは全然大丈夫だけど……それよりアンタ、奧さんのご実家には連絡したの?」
私「いや……まだ。もう深夜だし……」
母「した方がいいわよ」
私「確かに……」
母「急なことだけど、落ち着いてね」
私「落ち着いてるつもりだけど」
 
 いいや落ち着いてなかったね。
 
 話が前後しますが、これに先だって、検査をした医師から説明を受けていました。(当直っていうんでしょうか?)
 
医師「急に意識を失って吐いて、ということなので、一番怖いのは脳の異常なんですね。それで救急の方もこちらへ運んでくれたんだと思うんですが。あるいは心臓の可能性も考えられます」
私「なるほど」
医師「それで、MRIと心電図、それからこれは簡易的なものですが血液検査も行いました。その結果、異常は認められませんでした」
私「それはよかった!」
 
 しかし医師は浮かない表情。
 
医師「異常が見つからなかったということは、原因不明ということですからね。今のところ、吐き気がする以外の症状がないので、吐き気止めを点滴していますが……。明日以降入院してもらって、より精密な検査をして、場合によっては他に転院ということになります」
私「なるほど……」
 
 病室に運ばれる時にようやく奧さんの顔を見たのですが、看護師さんがてきぱきしていたこともあり、お互い特に言葉はありませんでした。
 表情がぼんやりしている上に、顎の左側が赤黒く腫れ上がっていて、ひどく痛々しい状態でした。
 
 後にわかるのですが……というかわからないのですが、倒れた時にどこかに顔をぶつけたらしいのです。相当痛かったはずなのですが、本人には全く記憶がないとか。
 この時は見えませんでしたが右腕にも同様のあざがあり、椅子に座ってテレビを見ている状態からどう倒れたら右腕と左顎を強打するのか、2人で色々考えたのですがいまだにわかりません。
 また、倒れた時に舌を強く噛んでおり、電話の声がくぐもった感じなのはそのためでした。
 幸い、舌が腫れる程度ですみ、そちらは数日で腫れも引いたのですが……。
 もし、立った状態から倒れていたら、倒れた先に何か尖ったものがあったら、火を使っているところだったら……などと考えると今もぞっとします。
 
 ともあれ、そんなこんなで帰宅しました。
 
 奧さんの救急車を追って(というか近道して追い越して)病院に来ていたので、私が自宅に上がるのは朝出勤して以来。
 
 電気がつけっぱなしの部屋、床がひどいことになっているであろうと覚悟していたのですが……。
 なっていませんでした。
 
 部屋中に吐瀉物の臭いが充満してはいましたが、床の汚れはぱっと見ほとんどなし。
 どうも、奧さんが朦朧としながらも一生懸命自分で拭いたようです。
 ……そんな無理しなくてよかったのに……。
(小学校に勤務してると年に1・2回は誰かが床にもどしたのを掃除・殺菌することになるので多少慣れます)
 
 被害が大きかったのはせいぜい洗濯カゴくらいでした。倒れた時に着ていて汚れたカーディガンを、意識が戻ってから脱いでカゴに放り込んだらしく、その下にあった洗濯物が全滅。
 深夜だけど洗濯機を回して、あとは多少壁に散っているのと、床も見た目はきれいだけどやっぱりべたべたするので水拭きしてアルコール製剤で拭いて*1から拭きして……。
 なんだかんだで一区切りついたのは午前3時頃。
 
 そこから仮眠を取って、実家に行って連帯保証人の印をもらい、入院時にもらった「入院の際に必要なもの一覧」に書いてあったこまごましたもの(タオルとか、歯磨きセットとか、清拭剤とか、下着とか……。大体全部、病院の売店で買える)を病院に届けました。
 コロナ対策ということで病室まで行くことはできず、受付で申し出ると看護師さんが取りに来てくれるシステム。
 
 奧さんはもう意識が戻っていて、病室でスマホを使えたので、そのほかに必要なもの(スマホの充電器とか、ペットボトルの飲み物とか。コロナ対策で入院患者は一階に降りられないので、売店に行けない)をLINEで伝えてもらって届けたりしました。
 
 この時点で午後になっており、奧さんに
「着替えの中にズボンがなかった」
「届けてって言ったお守り袋がなかった」
 とか言われて病院まで三往復する羽目になり、逆ギレしそうになったりしました。
 
 お守り袋(神社とかではなくなんか自作したもの)とかスピリチュアルなものいる!? ……でも、入院してるからこそそういうものが必要な人には必要なんだろうなあ……。
 
 実際奧さんに当たったわけではないですが、世の中には何年も何十年も在宅介護してる人がいるのに、一晩徹夜したくらいでイライラしてはいかん、と、己のメンタルの弱さを反省しました。
 
 ……それにしても、看護師さんは「救急だから書類の提出は明日でもいいですよ」と言ってくれたんですが、一人暮らしだったり親族が遠かったりする人は連帯保証人どうするんだ……。
 
 ところで、後で知ったのですが、奧さんは入院中、
「私が入院してるのに旦那さんはお見舞いに来てくれない。冷たい」
 と思っていたそうです。
 
 ……いや、コロナ対策で病室は立ち入り禁止だったので!
 
 っていうか、絶対、入院の最初に説明があったはずだと思うんですけど。
 しかし、何しろ、採血されたことも記憶に残らないような状態だったので、翌日も記憶が怪しかったんじゃないかな、と思います。
 
 ともあれ、なんだかんだで入院期間は3泊4日。
 検査を経て、無事退院するはこびとなりました。
 
 退院にあたり、医師から検査結果について説明がありました。
 
医師「えー、脳波の検査を行ったのですが、少し変わった波形が見られますね」
 
 えっ。
 
医師「てんかんに特有の脳波ではないのですが、左右で出ているのでノイズとも考えられません(このへんの説明は私の記憶がやや曖昧)。
 ですので、ストレスとか疲労で体調が悪い時に、この波が全体に広がって、今回のような症状を引き起こした可能性がありますね」
 
 救急搬送時の検査と違って、心なしか先生がうれしそうなのが印象的でした。原因の見当がついたからなのか。
(別な先生だけど)
 
妻「それって、よくあることなんですか?」
医師「そうですねえ……。症状がない人は病院に来ないのでなんとも言えませんが、通りすがりの人を片っ端から検査したら、ある程度こういう人はいて、気づかずに生活している可能性はありますね」
妻「私、人の名前とかぱっと出てこないことよくあるんですけど、それもこの脳波のせいなんですか?」
 
 それが脳波の異常だったら私なんか脳波ぐちゃぐちゃだと思うんですが(実際そうでないとは言えないけど)。
 
医師「うーん、それを調べるとなると、ずっと脳波計をつけていただいて、名前を思い出せない時にこの波形が出ているかどうかを確かめないといけないんですよ。実際、大学病院なんかだと2週間くらい脳波計をつけて生活してもらったりしますからね」
私「これからどうすればいいんでしょう?」
医師「まあ、治療するとなると症状を抑える薬を飲むことになりますが……。こういう症状は初めてなんですよね? 今回はひとまず様子を見てもらって、あまり無理しないように生活することを心がけてください。もし何かあったらまた来ていただくということで」
私「薬を飲むというのは、ずっと?」
医師「そうですね。まあ、またこういうことがあったら受診してください」
 
 というわけで、入院時が大騒ぎだったわりに、入院中は検査のみ、特に治療らしい治療もなし、という、割とあっさりめの退院となりました。
 
 ……しかしちょっと意表を突かれたのは、私が「脳波かあ……」と思った一方、奧さんは頑としてそれを認めようとしないことです。
「カレーパンが悪かったのかも知れない。ジャガイモがいっぱい入ってたし、ジャガイモ中毒とかあるし。もうジャガイモは食べないように気をつける」
「入院した日、同僚がアケビを持ってきてくれてそれを食べたんだけどそのせいかも知れない。アケビなんて食べたの生まれて初めてだし、敷地内に生えてたアケビだって言ってたし。あの日食べた変わったものと言えばそれしかない」
 
 アケビ中毒なんて聞いたことないし(一応ググってはみた)、パン屋のカレーパンでジャガイモ中毒となったら被害者は一人じゃすまないので大騒ぎになってると思うんですが……。
 
 ……まあ、認めたくない心理ってあるのかも知れないな、と思いました。
 
 舌を噛んで腫れ上がっていたのは、わりと数日で治りました。舌って回復が早いのを初めて知りました。いろんなものが出入りするところだからなんでしょうか。
 むしろ長引いたのは青黒くなった奧さんの顔のアザで、しばらくの間、傍目にはDV被害者みたいだったという……。
 
 また続きを書く予定です(たぶん)

*1:ノロウイルスはアルコールじゃ死なないですがまあ消臭も兼ねて。