脳科学……あっ(察し)

 今年度、教員免許更新講習を受けてるんですよ。
 いろんな機関が講習を実施してますが、私はネットで受講可能なのをいくつか申し込んでいます。
 
 なんですけど……その中に、のっけから
「私は脳科学の専門家ではありませんが、脳科学の先生から聞いた話があるのでお話ししたいと思います」
 という、始まった瞬間にすでに暗雲垂れ込めた感があるのがあって……。
 
 スライドの一部。

 視覚領域が未発達だと、
・集中力がない
・新しい場所に馴染めない
・忘れ物が多い
・整理整頓が苦手
 といったADHDめいた症状が出ると。
 
 で、その対策としては、
・外遊び
・鬼ごっこ、キャッチボールなど、相手を見る遊び
 
 ……これ、発達障害は育児で防げる」って言ってない……?
 集中力がなくて新しい場所で落ち着かないお子さんって、むしろ視覚過敏なことも多い気がするんだけど……。*1
 そして、大抵は外遊びとか大好きな気がするんだけど……。
 
 視覚野が未発達だと……ってことは、先天的に視覚障害の人は、集中力がなくて忘れ物が多いのか……?
 
 
 聴覚障害の人は注意力散漫で思い込みの激しい人が(略)
 
 こういう話が、脳の8領域について語られるという。

 
 で、最後のスライドがこれ。

 本の引用なわけですが、
「最近の子どもの様子(自殺・非行の増加や扁平足など)は、人間の進化の過程を逆行しており、それは家庭・学校の教育環境に原因がある!」
 という話の模様。
 
 ……1979年の本で、1955年頃から当時の「最新」トピックまでを押さえているのがなんとも「らしい」感じがする……。
 
子どもの体力 (国民文庫 841)
 Amazonでは古本しか扱っておらず、レビューもないのでなんとも言えないんですが。
 
 同じ人が、こんな本も書いてるようです。
脳をきたえる「じゃれつき遊び」―はじめて出会う育児シリーズ 3~6歳 キレない子ども 集中力のある子どもに育つ
「幼児期に心とからだが興奮する全身遊び(=じゃれつき遊び)を経験しないと、大脳の発達が遅れ、キレる子、集中力のない子になる可能性が!」
 
 ☆4.5くらいなんだけどさあ……こういうのさあ……どうなの?
 
 いやまあ、講義の主旨としては、
「知識偏重の教育ではなく、体を動かしたり五感・全身を使った体験をすることで、全人的な発達を目指すべき」
 的な話で、大筋では賛成なんですけど……。
 
 ただこれって、金を払ってまで聞くような、教員の免許更新の条件にするような話か? という不安が拭えないんですが……。

*1:過敏も「未発達」に入るってことですかね?