読んで疲れるマンガは読みたくない、と思っていたけど。

 人間、オッサンになると、ハラハラドキドキ、愛憎渦巻くドロドロしたお話を見るのが疲れるようになり、ほんわかほのぼのしたお話を好むようになるんだそうです。
 四十路を過ぎた私も例外ではなく、最近は「ふらいんぐうぃっち」とか「ゆるキャン△」とか「まちカドまぞく」とか、そういうアニメやマンガを見て
「ああー、癒やされるー」
 とか言っていました。
 
 一方、卒論ちゃん(最愛の妻)。
 
卒「鬼滅の刃面白いよ! 原作もいいけど、アニメもクオリティ高くて」
私「ええー。でもあれバトル漫画でしょ?」
卒「まあねえ」
私「なんか、家族を殺されて復讐を誓う話なんでしょ?」
卒「まあねえ」
私「いっぱい人が死ぬんでしょ?」
卒「まあねえ……でも、コミカルな場面とかも多いからそんなでもないよ」
私「うーん……」
 
 ……まあそんな感じでちょっと敬遠していたのですが、わけあって最近原作を見ることに。
 
 というのも、教え子(小学3年生)に熱烈なファンが何人かいて、話を合わせるために見てみようかと……。
(ちなみにみんな女子)
 
 そしたらなんと、超おもしろかったのです……。
 あっという間に原作コミックス全巻読んでしまいました。(なお、雑誌では完結してるけど単行本はまだ出てない)
 
 こう……確かに人は大勢死ぬけど、残酷な人体破壊描写とかは少ない。(読んだ範囲では)
 むしろ「風の谷のナウシカ(コミック版)」とかの方がよほど「うわあッ死んだッ」って感じがする。
 あと、言われたとおり、シリアス展開の合間合間にコミカルな場面を挟んでくるので、読んでてそれほど疲れない。
 主人公もやたら素直でいい子だし。
 
 これは……食わず嫌いはいかんな、と思いました。
 それで、ずーっと前に「面白い」とは聞いて気になってたものの、Wikipediaで「退廃的で殺伐とした世界観と、グロテスクでハードコアな作風」とか書かれてて敬遠していた作品……「ドロヘドロ」を読んでみました。漫画喫茶で。
 
 そしたらなかなかおもしろかった。
 まだ全23巻のうち9巻までしか読んでないけど。
 
 確かに、戦ってるうちにしょっちゅう人がバラバラにされたりするんですけど、血糊だかピンクスライム肉だかわからない絵面だったり、バラバラにされてもわりと死んでなかったりするのでそれほどグロさを感じない。
 むしろ「銃夢」の方がよほどグロかった。*1
 あと、シリアス展開の間にコミカルな要素を挟むのほんとうまいなあ、と感心します。とても読みやすい。
 
 ……思えば、「ニンジャスレイヤー」も、似たような理由で敬遠してたんですよね……。
 
 なんか、勧めてくれた人が
「妻子を忍者に殺されたサラリーマンが、全ての忍者を狩る忍者としてひたすら戦う話なんだよ!」
 とか熱く勧めてくれたんですが、「そんなサツバツな話はいいや……」と思って長年読まなかったのです。
 でもアニメから入ったらとても面白かった。
ゲイシャ・ガール・ウィズ・カタナとニッポンテックが混ざったディストピア日本でサイバーパンクする話だよ!」
 って勧めてくれたらすぐ読んだのに……。(無茶)
 
 こうして考えると、本当は読んだら面白いのに、「読んで疲れる話は読みたくないなあ」で敬遠してる作品も多いのかな、と思います。
 ちょっと読んでみたら人生の楽しみが増えるのかも知れないですね……。
 
「ワンピース」とか。(悪役がどぎつい感じで疲れそうな気がして避けてる)
進撃の巨人」とか。(なんか過酷な戦いで読むと辛そうで避けてる)
寄生獣」とか。(グロ要素多そうで避けてる)
 
 ……いや、そう思って試しに読んだ「カイジ」は、エスポワール編の最後まで読んだものの、読み続けたい気持ちが起きなくてやめてしまったんですけど……。
 なんか、登場人物が何を目指しているのかわからなくて……。
 
 ともあれ、怖れず読んでみないと、何が面白いかなんて分からないですよね。当たり前だけど。
 読む前から「どうせ面白くないでしょ?」とか言うのは、いわゆる老害ムーブだよなあ、と反省しています。
 

*1:あれ大好きだったんだけど、「Last Order」の最後まで読んで力尽きてしまった……。今どんな話になってるんでしょう? もう、プレステ版のエンディングが最終回でいいんじゃないかという気が……。