kindle unlimitedからマンガばっかり紹介。マンガじゃないのも読んではいるけど、あまりお勧めできるのがなかった……。
(むしろ私が勧めて欲しい)
- 作者: 野村亮馬
- 発売日: 2017/01/01
- メディア: Kindle版
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日常SF(なのか?)「ベントラーベントラー」を書いた人。あれも大好きです。
本作は、建造中の大型兵器の工場に、スパイとして送り込まれた少年、カロの物語です。
わりとのんびりした話だった「ベントラー」と違い、2つの陣営が生存を賭けた(そして絶望的な)戦争を果てしなく続ける世界は、基本的に過酷です。
(進行中の氷期って……勝っても負けても先が見えてやしませんか……?)
しかしその中でも、信頼、同情、復讐心といった人間の感情が失われたわけではなく。
任務の非情さと、その生活の中に挟まれる人間的な感情の描き方が印象的です。
また、舞台となる惑星は、いわゆる「ファンタジー世界」の年代が進んだような世界で。
魔法が実在し、それを応用した兵器が登場する一方で、スチームパンクっぽい科学技術も。
「北球」と「南球」それぞれは、純粋に生存のために争う関係なのですが、魔術を重視する南側と、科学重視の北側でイデオロギー的な相違もあるっぽいことがほのめかされるなど、背景の深みがあるのもとても良いです。
- 作者: 日高トラ子
- 出版社/メーカー: DeNA
- 発売日: 2018/05/01
- メディア: Kindle版
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コミカル日常系まんが。
アパートで一人暮らしの「ことり」のところに、デブ猫「たわら」が住み着いてしまう。
大食らいでトラブルばかり引き起こすたわらだが……といった感じの。
最初の頃は、ほんとにたわらがことりの食事を食い荒らす話ばかりだったりするのですが、徐々に登場人物が増えて物語が転がり始めると、たわら猫もいいキャラになり、周囲の人々の人情話も絡めつつ、最終刊(7巻)では大団円になだれこみます。
食事を奪われる話は最初は激しかった(エピソードの中心だった)けど、後半はほとんどなかった感。
むしろイイ話になってるー!?
登場人物も、てっきり一話こっきりのゲスト登場人物かと思ったら準レギュラー化したりして、一人一人が丁寧に扱われてる感じがして好印象です。
CMOとか、まさかあんなイイキャラになるとは……。
それにしても、全話カラーってすごい……。
- 作者: 高遠るい
- 出版社/メーカー: Beaglee
- 発売日: 2015/12/25
- メディア: Kindle版
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「X」の読みは「クロス」。
言っちゃなんだけどすんげー頭わるいまんが。
いや、作者の頭が悪いのではなく、読者の知的水準をすごく低く見積もってるという意味で。
内容としては、お嬢様学校に通う、エキセントリック優等生の「ミカ」と、わりと常識人の「るんな」が、謎の原因で合体・巨大化し、地球に次々襲来する宇宙怪獣とバトルを繰り広げる、という話。
ここでしゃべってるのがミカ。それにしてもなんだこの使いづらそうな校舎は。
対怪獣の露払いになる「市営軍」。ミカとるんなを無理矢理入隊させて引っ張り出したり色々とですね。
「合大!」
そんでまあこんな感じですよ。
アクション要素があってお色気(というかエロっぽい)要素があって思わせぶりな伏線があってエロスがあってアクションとエロスがある。
基本展開は、
「怪獣を倒す→新しい怪獣が現れる→今までの攻撃が通用しない→ピンチ→今までの2人を超える超必殺技、新合体フォームで怪獣を倒す→最初に戻る」
を延々とやる感じ。
でも、ちゃんとギャグには勢いがあり燃える展開があり、張られた伏線は一応回収されて、広げるだけ広げた風呂敷をきちんと最後に畳んでるのがすごい! と思いました。
だから作者は全然頭悪くないのですよ。
「いやその設定絶対後付けだろ」
って思う時も多いのですけど。
ただ、コメディタッチではあるものの、巻き込まれた民間人は(直接的な描写はほとんどないものの)バタバタと死に、物語の序盤でオーストラリアが大陸ごと吹っ飛んだりするのでまあ、そのへんは念頭に。
- 作者: 伊藤伸平
- 出版社/メーカー: Beaglee
- 発売日: 2016/03/25
- メディア: Kindle版
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1998年といいますから……20年近くまえのマンガということになりますか。
しかし、表紙に比べると中の絵はそれほど古い感じはなかった。
内容としては……もっと頭が悪いかも知れないけど。
女子高生、アキラが、ふとしたことから世界中のゲリラ・テロリストに命を狙われるようになり、内閣調査室から派遣されたお姉さん(学級担任として着任するというお約束の展開)や、公安調査庁のおじさん達とともに町中でテロリストと戦うお話。
アキラ自身も護身のイロハを父親からたたき込まれていて、銃器の扱いは手慣れたもの……という。
で、まあ、その銃をぶっ放したり手榴弾をばらまいたりするのが、住宅地になったり夏祭りになったり南の島のビーチになったりするわけです、毎回。
だいたい毎回こんな感じ。
敵になるのは中東のゲリラだったり、ソ連崩壊で職を失ったKGBだったり、元MI6だったりですね。
最終巻(2巻)終盤になると、なんか不死身のサイボーグだったり下水ワニだったりと、急にリアリティが下がったりするのですけど。
ただ、この作品で印象深かったのは、主人公がテロリストから命を狙われる理由です。
主人公の父親は、対テロ作戦のエキスパートで、いくつものテロ組織を敵に回しており、それで家族も狙われる……という。
…………在外邦人保護のため、対テロ特命コマンドを派遣するのがマスコミに野党にも国民にも極秘であり、それが露見すれば「海外派兵」として「内閣のひとつやふたつ吹っ飛ぶ」という……。
平和主義国家・日本には、このような時代があったのです。
最近の、
「自衛隊が海外で戦闘をしたけど、憲法上戦闘行為はできないことになってるから“武力衝突”と呼ぶよ」
なんて状況を見ていると、いつの間に我々はここまで来てしまった(連れてこられてしまった)のか……という感があります。
そして、我々はどこまで行って(連れて行かれて)しまうのか。
- 作者: 高野真之
- 発売日: 2015/03/06
- メディア: Kindle版
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小説家(とはいうけど、なんか危ない仕事も引き受けていたり)の青年、クロエと、吸血鬼の少女ミサキの物語。
今3巻を読んでるところですが、まあ、「ダークファンタジー」とかいうにはそこまで暗い話ではないかな、と。
ミサキがクロエにバレンタインチョコを作ったり帰りが遅いのを心配したりのほのぼの日常生活に、他の吸血鬼が命を狙いに来たりあれこれ。
ただどうも、商業連載が10巻で打ち切りになって、11巻以降は自費出版らしくてですね。
今後が心配ではあるのですが、今のところ面白いので応援したいと思います。
余談:読み放題でないもの。
ほんとはもう一つ……メインで紹介したいコミックがあって。
「ケネディ騎士団」。
ケネディ騎士団 (1) (マンガショップシリーズ (37))
- 作者: 望月三起也
- 出版社/メーカー: マンガショップ
- 発売日: 2005/11/28
- メディア: コミック
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他所の記事(http://wild7.jp/2875)で紹介されてるのを読んで、ずっと気になってたのが、読み放題対象になってるのを見て読んで、すっかり引き込まれた作品です。
何しろ1966年連載開始とかなので、絵が古いのは見ての通りなのですが……。
これが面白い。
もちろん、昔の少年漫画ですから、設定としては無理があります。
ケネディ大統領の遺志で作られた騎士団……秘密部隊が子どもばかりだとかあり得ないわけですよ。
登場する秘密兵器も、
「いやいやそれは科学的に無理だろ」
「そんなもん作るならもっとコスト対効果のいい方法があるだろ」
的なものが多数。
どんな原理なんだ……。
しかし、そういった「物語上の嘘」は多数ある上で、その道具立ての上で、登場人物達が時に勇敢に、時に知略の限りを尽くして戦う展開がとても燃えるのです。
単に力押しでなんとかするのではなく、いかにして相手の裏をかくか、思いがけぬ危機を乗り切るか、という試行錯誤。
そして、もはやどうにもならなくなった時の自己犠牲……。
本作では、ゲストキャラとして登場した味方が死ぬ展開は珍しくありません。
しかし、その多くは個性的に、印象的に描かれています。
そしてまた、騎士団の任務が……。
いわゆる「世界征服を企む悪の秘密結社」が敵であることもあるのですが。
しかし、最初の任務は、ソ連(……らしき架空国家)が、隣国に大量の兵器を提供しようとしている! これが実施されれば地域のパワーバランスが崩れ、戦争が勃発してしまう! 兵器を輸送する列車を破壊せよ! ……という。
いやいやいや、それって……それって政治じゃないですか!
で、ゲストキャラクターとして現地の少年隊員が登場するのですが、
「この任務は祖国に対する裏切りだ」
とか言って協力を拒否。
彼の父親は、独ソ戦で命を落としており、彼は父親に屈折した思いを抱いていたのです……というあたり、終盤の展開がほんとにもう。
いや、荒唐無稽なショッカーみたいな連中が敵の回もあるんですけど。
あと、現代の視点から見ると、アフリカ人の描き方が差別的かも知れない。
大体、「野蛮人」か「白人に搾取される無知・無学な大衆」として描かれているので。
でも……「アフリカの星」の回はすごくいいですよ……。
「待って待って、これって、反政府ゲリラの育成だよね? それも日本の少年が?」
という話でもあるのですけど。
………………………………と、この記事を書く時は、この作品と「ミカるんX」を対比させて紹介しようと思ったのですけど……。
なんか、先日確認したら、本作のKindle版が存在しなくなっているのです……。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00VJZ6X6U/ref=kinw_myk_ro_title(404になってる)
読み放題の対象でなくなったばかりか、データそのものがない。
いや、私のライブラリにはいまだに存在しているし、さっき再ダウンロードを試みたらちゃんとできたので、データとしても存在しているようなのですが……。
そういえば、「ゆるゆり」が読み放題対象から外れてしまったりしましたし。
こう……読み放題の対象って、Amazon様の気持ち一つでコロコロ変わってしまうらしいので。
気になる作品があったら後回しにせず、どんどん読んでいかないといかんのかな、と思います。