世間には「おかあさん銀行」という言葉があるそうで、アンサイクロペディアにも記事があります。
http://ansaikuropedia.org/wiki/%E3%81%8A%E6%AF%8D%E3%81%95%E3%82%93%E9%8A%80%E8%A1%8C
要するに、もらったお年玉を
「大きくなるまでお母さんが預かっておきますからね」
……と言って預かったきり、結局そのまま返してくれない、という。
ボーガスニュースにも記事があるし、「ちびまる子ちゃん」でもそんな話があったように思います。
それに共感するコメント類も散見されるんですが、自分はそういう感覚はないな……と。
やっぱり自分も、もらったお年玉は郵便貯金に積み立てられてたんですが、なんで
「返してもらえなかった」
という思いがないのかと考えると、ウチの母は郵便貯金にお年玉を振り込んだ後、記帳した通帳の残高を見せて
「これがあなたが今年もらったお年玉だからね。預けておけば利子が付くし、もっと大きくなったら大事なことに使いなさい」
……と話していたからです。
しかし、幼児に5ケタの数字の羅列を見せても入出金の意味を理解できるものではないし、正直
「そんな話されてもよくわかんないよめんどくさいな」
と思っていたのですが、今にして思えば、母は子どもがお年玉を詐取された、という感覚を持たないよう(しかし不釣り合いな大金を手にして浪費しないよう)に、という意図でそうしていたのかも知れません。
逆に考えて、「おかあさん銀行にお年玉をだまし取られた」と思ってる元・子どもの中にも、実は不正はなかったケースが少なからずあるのかも知れないな、と思います。
今さら確認するのも困難でしょうが。
後になっては困難だからこそ、相手がその時きちんと理解できなくとも、不信感を持たせないだけのためにきちんと子どもに会計報告をした母はわりと偉かったのかも知れない、と今は思います。
余談。
着る服も子どもに自分で選ばせるのがウチの母の主義であったらしく。
さりとて、完全に子どもに決めさせるとひどいことになる(昔、それで意味不明にヒラヒラした「お姫様」っぽい服装で毎日学校に着ていた2年生女子がいました……)ので、だいたい2・3着くらいに候補を絞った後、
「この中のどれがいい? ほら、自分で決めなさい」
……と、毎回選ばされていました。
しかし、デパートに行ったら本の立ち読みをするのが楽しみだった小学生の自分にとっては、衣料品売り場までひきずって行かれるのはこれまた面倒でしかなく。
子どもの頃から服を自分で選んでいれば見る目が育つとか自主性が形成されるとかいう考えだったのかも知れませんが、実際には単に服を真面目に選ぶのが嫌いな大人に育ってしまったなあ、と思うことでした。
幼児期の何がどう影響するかなんて、結局わからないものです。